現在お使いのAndroidスマートフォン、OSのバージョンが「Android 11」のままになっていませんか。日頃から便利に使っていると、ふと「このAndroid 11はいつまで使えるのだろうか」と気になる瞬間があるかもしれません。
サポートの終了日はいつか、あと何年使えるのか、そしてサポートが切れた後もそのまま使い続けられるかといった疑問は、多くの方が抱くものです。また、最新OSバージョンへの更新を考えたとき、例えばAndroid 12との違いは何か、もしアップデートできない場合はどうすれば良いのか、といった新たな課題も出てきます。
状況によってはアップデートしない方が良いケースもあり、現在のOSを使い続けるメリットやデメリットを正しく理解した上で、ご自身の使い方に合った判断を下すことが大切です。この記事では、それらの疑問に一つひとつ丁寧にお答えしていきます。
この記事を読むことで、以下の4つのポイントについて深く理解できます。
- Android 11の公式サポート期間と実際の使用可能年数
- サポート終了後にそのまま使い続けるリスクと具体的な対策
- 最新OSへアップデートするメリットと注意点
- アップデートできない場合の主な原因と対処法
android11はいつまで使える?サポート終了の目安

Android 11を搭載したスマートフォンをいつまで安全に利用できるのか、その目安となるサポート期間について解説します。ここでは、公式なサポートの終了時期から、実質的に使用できる期間、そしてサポート終了後に使い続ける選択肢について掘り下げていきます。
- サポートの公式な終了日はいつか
- 端末は実質的に何年使えるのか
- サポート終了後も使い続けられるか
- OSをそのまま使い続ける選択肢
- アップデートしないことのメリット
- アップデートしないことのデメリット
サポートの公式な終了日はいつか
Android OSのサポート期間について、Googleは特定バージョン(例:Android 11)自体のサポート終了日を明確に公表していません。OSのサポートは、OSのバージョンではなく、お使いのスマートフォン本体、つまりデバイスのメーカーやモデルによって決まる仕組みです。
一般的に、Android OSのセキュリティアップデートが提供される期間は、OSのリリースから約3年~4年が目安とされています。Android 11は2020年9月にリリースされたため、2025年7月現在、多くのAndroid 11搭載デバイスは、既にセキュリティアップデートの提供が終了している状況です。
Google Pixelシリーズの場合
Googleが自社で開発するPixelシリーズを例に挙げると、OSのメジャーアップデート保証は端末の発売から最低3年間、セキュリティアップデートは最低5年間(Pixel 6以降はOSアップデート5年、セキュリティアップデート5年。Pixel 8以降はOS・セキュリティ共に7年)と、比較的長期間のサポートが提供されます。
メーカーごとのサポート期間
他のメーカーも近年はサポート期間を延長する傾向にありますが、その方針は様々です。お使いの端末の正確なサポート終了時期を知るためには、メーカーの公式サイトで確認することが最も確実な方法となります。
Androidバージョン | リリース日 | セキュリティサポート終了の目安(2025年7月時点) |
Android 10 | 2019年9月 | 2023年2月頃に終了済み |
Android 11 | 2020年9月 | 2024年前半~半ばに大半が終了済み |
Android 12 | 2021年10月 | 2025年3月頃に順次終了見込み |
Android 13 | 2022年8月 | 2026年1月頃に順次終了見込み |
端末は実質的に何年使えるのか
公式のサポートが終了した後も、スマートフォンが物理的に壊れない限り、端末を使い続けること自体は可能です。そのため、端末が「何年使えるか」という問いには、2つの側面から考える必要があります。
一つは、バッテリーの劣化や処理性能の低下といった「物理的な寿命」です。これは使用頻度や使い方に大きく左右されますが、一般的には3年~5年が一つの目安と考えられます。
もう一つが、本記事のテーマである「ソフトウェア的な寿命」です。これは、OSのサポートが提供される期間を指します。セキュリティアップデートが受けられなくなると、スマートフォンの安全性は著しく低下するため、多くの場合、このソフトウェア的な寿命が、安心して使える期間の上限となります。
近年、Samsung(最大4世代のOSアップデートと5年間のセキュリティアップデート)やGoogle(Pixel 8以降で7年間)のように、長期的なアップデートを保証するメーカーが増えています。スマートフォンを長く使いたいと考えるなら、購入時にメーカーのアップデート保証期間を確認することが、一つの重要な判断基準になります。
サポート終了後も使い続けられるか
技術的には、OSのサポートが終了した後もスマートフォンを使い続けることはできます。通話や、既にインストールされている一部のオフラインアプリは、当面の間は機能するでしょう。
しかし、セキュリティの観点からは、サポートが終了したデバイスを使い続けることは極めて推奨されません。セキュリティアップデートが提供されなくなるということは、新たに発見されたシステムの脆弱性が放置される状態を意味します。
この状態は、ウイルスやマルウェアといったサイバー攻撃に対して無防備になることに他なりません。例えば、個人情報が抜き取られたり、ネットバンキングで不正利用の被害に遭ったりするリスクが飛躍的に高まります。また、新しいアプリがインストールできなかったり、既存のアプリが更新できなくなって正常に動作しなくなったりする問題も発生します。
以上のことから、サポート終了後も端末を使い続けることは可能ですが、それは大きなリスクを伴う行為であると理解しておく必要があります。
OSをそのまま使い続ける選択肢
前述の通り、サポートが終了したAndroid 11の端末をそのまま使い続けることには大きなリスクが伴います。それでも何らかの理由で使い続ける場合には、そのリスクを少しでも低減するための対策と、利用方法を限定することが求められます。
最も安全な使い方は、インターネットから完全に切り離して利用することです。例えば、Wi-Fiやモバイルデータ通信をオフにし、音楽プレイヤーや写真ビューア、オフラインで動作するメモ帳やゲーム機として活用する方法が考えられます。
もしインターネットに接続する必要がある場合は、用途を可能な限り限定し、信頼できる家庭内のWi-Fiのみに接続するようにしてください。公共のフリーWi-Fiへの接続は、セキュリティ上のリスクが非常に高いため絶対に避けるべきです。
加えて、信頼性の高いセキュリティ対策アプリを導入することも一つの手ですが、OS自体の脆弱性はカバーできないため、過信は禁物です。個人情報や金融情報などを扱うアプリの使用は、一切行わないようにする注意深さが不可欠です。
アップデートしないことのメリット
OSのアップデートには多くの利点がありますが、一方で、あえてアップデートをしない、あるいはできない状況にも、いくつかの限定的なメリットが存在すると考えられます。
最大のメリットは、長年慣れ親しんだ操作方法や画面のデザインが変わらないことです。新しいOSではUI(ユーザーインターフェース)が大幅に変更されることがあり、操作に戸惑う場合があります。特に、スマートフォンの操作に不慣れな方にとっては、使い慣れた環境を維持できることが安心に繋がるかもしれません。
また、ごく稀にですが、OSのアップデートが原因で特定のアプリが正常に動作しなくなったり、予期せぬ不具合が発生したりすることがあります。アップデートをしないことで、こうしたトラブルを回避できる可能性はあります。
しかし、これらのメリットは、後述するデメリット、特にセキュリティリスクと比較すると、極めて限定的なものであることを理解しておくことが肝要です。
アップデートしないことのデメリット
OSをアップデートせずに古いバージョンのまま使い続けることには、メリットをはるかに上回る多くのデメリットが存在します。
セキュリティリスクの増大
最も深刻なデメリットは、セキュリティの脆弱性が放置されることです。前述の通り、セキュリティアップデートが提供されなくなると、ウイルス感染や不正アクセス、個人情報漏洩の危険に常に晒されることになります。
アプリの非対応
新しいアプリや、既存アプリの最新バージョンは、新しいOSでの動作を前提に開発されます。そのため、OSが古いままだと、使いたいアプリがインストールできなかったり、ある日突然、LINEや銀行系のアプリといった生活に必須のサービスが利用できなくなったりする可能性があります。
新機能の不利益
OSのアップデートでは、利便性を向上させる新しい機能や、パフォーマンスを改善する最適化が施されます。アップデートをしないということは、これらの恩恵を受けられないことを意味し、他のユーザーが享受している快適なスマートフォン体験から取り残されることにも繋がります。
公式サポートの対象外
端末に何らかの不具合が発生した場合でも、OSが古いことが原因であれば、メーカーや携帯キャリアのサポートを受けられない可能性があります。
これらのデメリットを考慮すると、特別な理由がない限り、OSは常に最新の状態に保つことが、スマートフォンを安全かつ快適に利用するための基本となります。
android11をいつまで使えるか悩むなら更新も検討

Android 11を搭載した端末を使い続けることに不安を感じるなら、OSのアップデートを検討するのが最も現実的な解決策です。ここでは、最新OSへのアップデート方法や、後継OSとの違い、そしてアップデートがうまくいかない場合の原因と対処法について解説します。
- 最新OSバージョンへのアップデート方法
- 後継OSのAndroid12と違いは何か
- アップデートできない原因と対処法
- アップデートしない方が良いケース
最新OSバージョンへのアップデート方法
お使いのスマートフォンがOSアップデートの対象機種である場合、簡単な操作で最新バージョンに更新することが可能です。一般的な手順は以下の通りですが、メーカーによって若干メニューの名称が異なる場合があります。
- 設定アプリを開く: ホーム画面やアプリ一覧から「設定」のアイコンをタップします。
- システム情報を確認: メニューを下にスクロールし、「システム」や「端末情報」といった項目を選択します。
- アップデートを確認: 「システムアップデート」や「ソフトウェア更新」という項目をタップします。
- ダウンロードとインストール: 利用可能なアップデートがある場合、画面に通知が表示されます。画面の指示に従い、「ダウンロードしてインストール」などをタップして、アップデートを開始します。
アップデート前の注意点
OSのアップデートは、データサイズが非常に大きくなることが多いため、Wi-Fi環境での実行を強く推奨します。また、アップデートの処理には時間がかかり、その間はスマートフォンを操作できません。予期せぬトラブルに備え、事前に重要なデータ(連絡先、写真など)のバックアップを取っておくと安心です。さらに、アップデート中に電源が切れると故障の原因となる可能性があるため、バッテリーが十分に充電された状態(50%以上が目安)で開始してください。
後継OSのAndroid12と違いは何か
Android 11からAndroid 12へのアップデートは、多くの改良が加えられたメジャーアップデートです。その違いを知ることで、アップデートのメリットをより具体的に理解できます。
大きな変更点の一つが、「Material You」と呼ばれる新しいデザイン言語の導入です。これにより、壁紙の色に合わせてシステム全体のUIカラーが自動で調整されるようになり、よりパーソナルで統一感のあるデザインを楽しめるようになりました。
プライバシー保護機能も大幅に強化されています。アプリがマイクやカメラを使用している際に、画面右上にインジケーターが表示されるようになり、意図しないアクセスを即座に把握できます。また、「プライバシーダッシュボード」機能が追加され、どのアプリがどの権限(位置情報、連絡先など)にいつアクセスしたかを一覧で確認し、管理することが容易になりました。
機能 | Android 11 | Android 12 |
デザイン | 標準的なUI | Material Youによる動的なカラーテーマ |
プライバシー | 権限管理の強化 | プライバシーダッシュボード、マイク・カメラインジケーターを追加 |
操作性 | 標準機能 | スクロールスクリーンショット機能の標準搭載、ウィジェットの改善 |
パフォーマンス | 安定 | システム全体の効率化によるCPU使用時間の削減 |
このように、Android 12は見た目の新鮮さだけでなく、ユーザーの安全と快適性をより高いレベルで実現しています。
アップデートできない原因と対処法
OSをアップデートしようとしても、うまくいかない場合があります。その主な原因と対処法は以下の通りです。
原因1:端末がアップデート対象外
最も一般的な原因は、お使いのスマートフォンがメーカーの提供するOSアップデートの対象機種ではないことです。特に発売から数年が経過したモデルは、サポートが終了している可能性が高くなります。これは故障ではないため、対処法としては、セキュリティのリスクを受け入れて使い続けるか、新しい機種に変更するしかありません。
原因2:ストレージの空き容量不足
OSアップデートには数ギガバイト(GB)の空き容量が必要です。容量が不足していると、アップデートファイルをダウンロードできません。この場合、不要な写真や動画、アプリなどを削除して空き容量を確保することで解決します。データをクラウドサービスやパソコンに移動させるのも有効な手段です。
原因3:通信環境が不安定
Wi-Fiの接続が不安定だと、ダウンロードが途中で失敗することがあります。電波の安定した場所で再度試すか、一度Wi-Fiルーターを再起動してみることをお勧めします。
原因4:バッテリー残量の不足
アップデートを実行するには、一定以上のバッテリー残量が必要です。十分に充電してから再度試してみてください。
これらの対処法を試してもアップデートできない場合は、メーカーや契約している携帯キャリアの公式サイトで情報を確認するか、サポートに問い合わせてみるのが良いでしょう。
アップデートしない方が良いケース
原則としてOSのアップデートは推奨されますが、ごく一部、アップデートを少し待った方が良い、あるいは見送る判断が妥当なケースも存在します。
前述の通り、仕事で利用している特定の専門アプリが、最新OSのバージョンにまだ対応していない場合があります。アプリ開発元の公式サイトなどで対応状況を確認し、業務に支障が出ると判断される場合は、アプリが対応するまでアップデートを待つ必要があります。
また、新しいOSがリリースされた直後は、予期せぬ不具合が含まれている可能性がゼロではありません。他のユーザーからの不具合報告が多数上がっているような状況では、修正アップデートが配信されるまで、少し様子を見るというのも一つの賢明な判断です。
ただし、これらのケースはあくまで一時的なものです。セキュリティのリスクを考慮すると、長期間にわたってアップデートをしないまま放置することは避けるべきです。アプリの対応やシステムの安定が確認でき次第、速やかにアップデートを実施することが望ましいです。
総括:結局android11はいつまで使えるか
この記事で解説してきた内容をまとめると、Android 11を搭載したスマートフォンがいつまで使えるかについては、以下のポイントが重要となります。

- Android 11自体の明確なサポート終了日はGoogleから公表されていない
- OSのサポート期間は、スマートフォンのメーカーや機種によって異なる
- 多くの端末では、OSリリースから約3〜4年でセキュリティ更新が終了する
- 2025年現在、大半のAndroid 11端末はサポートが終了している状態
- サポート終了後も端末を使い続けることは技術的に可能である
- しかし、セキュリティリスクが非常に高まるため推奨されない
- ウイルス感染や個人情報漏洩、金融サービスの不正利用などの危険がある
- 最新のアプリが使えなくなったり、動作が不安定になったりする
- 安全性を最優先するなら、OSのアップデートか機種変更が不可欠
- 後継のAndroid 12ではデザインやプライバシー機能が大きく向上している
- アップデートできない主な原因は、機種が古いかストレージ容量が不足していること
- 限定的なオフライン利用を除き、サポートの切れたOSを使い続けるのは避けるべき
- 長期的な利用を考えるなら、アップデート保証期間の長い機種を選ぶのが賢明
- 最終的に、安全で快適な利用が「使える」期間の本当の定義と言える
- ご自身の端末のサポート状況を確認し、今後の使い方を検討することが大切