iPhoneのパスワードの見方がわからず、困っていませんか。Webサイトやアプリのパスワードを確認したい時、便利な自動入力機能がなぜか動作しなかったり、保存したはずの情報が表示されないトラブルはよくあるものです。また、重要な画面ロックのパスコードを忘れてしまったり、AppleIDや登録したメールアドレスのパスワードない状態に陥り、変更もできず焦ることも少なくありません。この記事では、そうしたiPhoneの各種パスワードの確認方法から、トラブル解決策、そして安全な管理のポイントまでを総合的に解説します。
この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。
- 保存したWebサイトやアプリのパスワードを確認する具体的な手順
- 確認できるパスワードと、セキュリティ上確認できないパスワードの違い
- パスワードが表示されないなど、よくあるトラブルの原因と解決策
- パスワードを忘れた場合の安全なリセット方法と今後の管理術
基本的なiPhoneパスワードの見方と手順

- 保存済みパスワードを確認したい場合
- アプリで保存したパスワードの調べ方
- 自動入力でログインをスムーズにする
- パスワードの安全な管理と追加方法
- 保存したパスワードの変更と削除
保存済みパスワードを確認したい場合
iPhoneに保存済みのWebサイトやサービスのパスワードを確認したい場合、その手順は非常にシンプルです。主に「設定」アプリを通じて、Face IDやTouch IDなどの生体認証を用いることで、安全に情報へアクセスする仕組みが提供されています。
iOSのバージョンによって若干の違いはありますが、基本的な流れは共通しています。
iOS 17以前の確認手順
- ホーム画面から「設定」アプリを開きます。
- リストを下にスクロールし、「パスワード」の項目をタップします。
- Face ID、Touch ID、またはパスコードによる本人認証が求められるので、ロックを解除します。
- 認証が完了すると、これまでに保存したアカウント情報がWebサイト名やアプリ名ごとに一覧で表示されます。
- 確認したいアカウントをタップすると、ユーザー名とパスワードの詳細が表示されます。
iOS 18以降の専用「パスワード」アプリ
iOS 18からは、パスワード管理機能が独立した「パスワード」という専用アプリに進化しました。これにより、設定アプリの深い階層にアクセスすることなく、より直感的にパスワードを調べられるようになっています。基本的な操作は設定アプリの場合と同様で、アプリを起動後に生体認証を行えば、保存済みのアカウント情報にすぐにアクセス可能です。このアプリの登場で、パスワードの検索や整理が一段と容易になりました。
アプリで保存したパスワードの調べ方
Webサイトだけでなく、iPhoneにインストールした様々なアプリのログインパスワードも、前述の方法で同様に確認できます。iPhoneのパスワード管理機能である「iCloudキーチェーン」は、Safariで閲覧したWebサイトとアプリの区別なく、ログイン情報を一元的に保存してくれるためです。
したがって、特定のアプリのパスワードを調べたい時も、「設定」アプリ内の「パスワード」セクション、またはiOS 18以降の「パスワード」アプリを開きましょう。一覧の中から該当するアプリ名を探してタップすれば、保存されているユーザー名とパスワードを確認できます。
ただし、一部の金融機関のアプリなど、セキュリティを特に重視するアプリでは、iCloudキーチェーンへのパスワード保存を許可していないケースも存在します。その場合は、アプリ内の案内に従って再設定手続きを進める必要があります。
自動入力でログインをスムーズにする
保存したパスワードは、ただ確認するだけでなく、Webサイトやアプリへのログイン時に自動で入力させることが可能です。この「自動入力」機能は、毎回パスワードを打ち込む手間を省き、ログイン体験を格段に向上させます。
自動入力機能を有効にするには、以下の設定を確認してください。
- 「設定」アプリを開き、「パスワード」をタップします。
- 画面上部にある「パスワードオプション」を選択します。
- 「パスワードを自動入力」のトグルがオン(緑色)になっていることを確認します。
この設定が有効であれば、Safariでログインページを開いたり、対応するアプリを起動したりした際に、キーボード上部にアカウント情報が表示されます。それをタップするだけで、ユーザー名とパスワードが自動で入力されるため、非常に便利です。もし自動入力が機能しない場合は、この設定がオフになっていないか一度見直してみることをお勧めします。
パスワードの安全な管理と追加方法
iPhoneのパスワード管理機能は、既存のパスワードを確認するだけでなく、新規に情報を追加したり、より安全に管理したりするための機能も備えています。その中心となるのが「iCloudキーチェーン」です。
iCloudキーチェーンを有効にしておくと、一度保存したパスワードが同じApple IDでサインインしている他のAppleデバイス(iPadやMacなど)と自動的に同期されます。これにより、どのデバイスからでも同じログイン情報を使えるようになり、管理の手間が大幅に削減されます。
また、手動でパスワードを追加することも可能です。「パスワード」の管理画面で右上の「+」ボタンをタップすると、Webサイト、ユーザー名、パスワードを新規に登録できます。まだiPhoneに保存していないサービスや、オフラインで管理していたパスワード情報を、この機会にiCloudキーチェーンにまとめておくと、より安全で効率的な管理が実現します。
保存したパスワードの変更と削除
一度保存したパスワード情報は、いつでも変更したり削除したりできます。例えば、Webサイト側でパスワードを変更した際には、iPhoneに保存されている古い情報も更新しておく必要があります。
パスワードを変更または削除する手順は以下の通りです。
- 「設定」アプリの「パスワード」(または「パスワード」アプリ)を開き、本人認証を行います。
- 一覧から編集したいアカウントを選択します。
- 画面右上の「編集」をタップします。
- パスワードの欄を新しいものに書き換えたり、不要であればページ下部の「パスワードを削除」を選択したりします。
特に、パスワードの使い回しはセキュリティリスクを高めるため、定期的な見直しと変更が推奨されます。iPhoneには、脆弱なパスワードや漏洩した可能性のあるパスワードを警告してくれる機能も備わっているため、セキュリティに関する勧告が表示された際は、速やかにこの手順でパスワードを変更することが大切です。
トラブル解決のiPhoneパスワードの見方

- パスワードが表示されない時の原因と対処
- パスワードない場合の再設定フロー
- 画面ロック用パスコードは確認不可
- AppleIDパスワードのリセット手順
- メールアドレスで本人確認を行う
パスワードが表示されない時の原因と対処
「設定」からパスワードを確認しようとしても、期待しているアカウント情報が表示されない、あるいはリスト自体が空になっている場合があります。このような問題が発生する原因はいくつか考えられます。
最も一般的な原因は、iCloudキーチェーンがオフになっていることです。iCloudキーチェーンはパスワードをクラウド上で同期・保存する機能であるため、これが無効になっているとパスワードは保存されません。「設定」アプリ上部の自分の名前をタップし、「iCloud」→「パスワードとキーチェーン」と進み、設定がオンになっているか確認しましょう。
次に考えられるのは、Apple IDからサインアウトしている、または一時的な同期の不具合です。一度Apple IDでサインインし直したり、iPhoneを再起動したりすることで解決する場合があります。
また、そもそもログイン時にパスワードの保存を許可しなかった可能性も考えられます。次回同じサイトやアプリにログインする際に、「パスワードを保存しますか?」というポップアップが表示されたら、必ず「はい」を選択するようにしてください。
パスワードない場合の再設定フロー
iPhoneのパスワード管理機能は、あくまで「一度保存した情報」を表示するものです。したがって、パスワードを一度も保存していない、あるいはパスワード自体を忘れてしまい、どのデバイスにも記録が残っていない場合は、iPhone上で確認することはできません。
このようにパスワードない状態に陥った場合は、そのサービスを提供しているWebサイトやアプリで直接パスワードの再設定手続きを行う必要があります。一般的な再設定フローは以下の通りです。
- 対象のWebサイトやアプリのログイン画面にアクセスします。
- 「パスワードをお忘れですか?」や「ログインできない場合」といったリンクを探してタップします。
- アカウント作成時に登録したメールアドレスや電話番号を入力します。
- 入力した宛先に、パスワード再設定用のリンクや認証コードが記載されたメッセージが届きます。
- メッセージの案内に従って、新しいパスワードを設定すれば完了です。
この手順はサービスによって異なりますが、基本的には登録済みの連絡先を通じて本人確認を行う流れとなります。
画面ロック用パスコードは確認不可
Webサイトやアプリのパスワードとは異なり、iPhoneのロック解除に使う4桁または6桁の「パスコード」は、セキュリティ上の理由から、後から確認する方法が一切用意されていません。これは、万が一iPhoneを紛失したり盗難されたりした場合に、第三者がパスコードを容易に盗み見てデバイス内部の個人情報にアクセスするのを防ぐための重要な仕様です。
パスコードを忘れてしまった場合、残念ながらデバイスを初期化(工場出荷状態に戻す)して、パスコードを再設定するしかありません。日頃からiCloudやPCにバックアップを取っていれば、初期化後にデータを復元することで、ある程度元の状態に戻すことが可能です。
パスコードリセット機能(iOS 17以降)
ただし、iOS 17以降のiPhoneには、パスコードを変更してから72時間以内であれば、古いパスコードを使って一時的にロックを解除し、新しいパスコードを再設定できる救済機能が搭載されています。ロック画面でパスコードの入力を数回失敗すると表示される「パスコードをお忘れですか?」から、この機能にアクセスできる場合があります。この条件に当てはまらない場合は、初期化が唯一の解決策となります。
AppleIDパスワードのリセット手順
Apple IDのパスワードも、前述のパスコードと同様に、セキュリティの観点からiPhone上で直接確認することはできません。Apple IDは、App Storeでの購入やiCloudへのアクセスなど、Appleの全サービスを支える最も重要なアカウント情報であるため、厳重に保護されています。
もしApple IDのパスワードを忘れてしまった場合は、確認するのではなく「リセット(再設定)」の手続きを踏む必要があります。リセットは、信頼できるデバイス(普段使っているiPhoneなど)やWebブラウザから行えます。
iPhone本体からリセットする方法
- 「設定」アプリを開き、一番上の自分の名前をタップします。
- 「サインインとセキュリティ」を選択します。
- 「パスワードの変更」をタップします。
- iPhoneのロックを解除するパスコードの入力が求められます。
- パスコードを入力すると、新しいApple IDのパスワードを設定する画面に移行します。
この方法が最も簡単で迅速ですが、そのためにはiPhoneのパスコードを覚えている必要があります。
メールアドレスで本人確認を行う
信頼できるデバイスが手元にない、あるいはiPhoneのパスコードもわからないといった状況では、Webブラウザ経由でApple IDのパスワードをリセットします。この際、本人確認の手段として、アカウントに登録されているメールアドレスが重要な役割を果たします。
具体的な手順は以下の通りです。
- 任意のデバイスのWebブラウザで、Appleのパスワードリセットページ(iforgot.apple.com)にアクセスします。
- 自分のApple ID(通常はメールアドレス)を入力します。
- 画面の指示に従い、アカウントに紐づけられた電話番号などを入力して本人確認を進めます。
- 本人確認のオプションとして、「メールを受け取る」を選択できる場合があります。
- これを選択すると、登録済みのメールアドレス宛にパスワードリセット用の案内メールが送信されます。
- メールに記載されたリンクにアクセスし、画面の指示に従って新しいパスワードを設定します。
このように、Apple IDの管理においては、常にアクセス可能で最新のメールアドレスを登録しておくことが、万が一の事態に備える上で非常に大切です。
パスワードの種類 | 主な用途 | 確認の可否 | 忘れた場合の対処法 |
Webサイト・アプリのパスワード | 各種サービスへのログイン | 可能 | 「設定」または「パスワード」アプリで確認 |
画面ロック用パスコード | iPhoneのロック解除、設定変更 | 不可 | 初期化して再設定(iOS 17以降は72時間以内なら旧パスコードでリセット可) |
Apple IDのパスワード | Appleサービス全般、iCloud | 不可 | 信頼できるデバイスやメールアドレスを使ってリセット |
まとめ:最適なiPhoneパスワードの見方

- Webサイトやアプリの保存済みパスワードはiPhoneで確認できる
- パスワードの確認は「設定」アプリの「パスワード」項目から行う
- iOS 18以降は専用の「パスワード」アプリが利用可能
- 確認時にはFace IDやTouch IDなどの本人認証が必要
- 画面ロックに使うパスコードはセキュリティ上、確認できない
- パスコードを忘れた場合は原則としてiPhoneの初期化が必要
- iOS 17以降では変更後72時間以内なら古いパスコードでリセット可能
- Apple IDのパスワードも確認はできず、リセット手続きを行う
- Apple IDのリセットは信頼できるデバイスや登録メールアドレスを使用する
- iCloudキーチェーンをオンにするとパスワードが同期され便利
- 自動入力機能を有効にするとログインが簡単になる
- パスワードが表示されない時はiCloudキーチェーンの設定を確認する
- パスワードを一度も保存していない場合はサービス側で再設定する
- iPhoneでは脆弱なパスワードや情報漏洩の可能性を警告してくれる
- パスワードは手動で追加、変更、削除することが可能