こんにちは!webヘルプサポートの管理人です。
スプレッドシートでフィルターをかけたはいいものの、「あれ?どうやって解除するんだっけ?」と手が止まってしまうこと、ありますよね。特に、Excelでの操作に慣れていると、Googleスプレッドシートの操作感の違いに戸惑うかもしれません。
「自分だけ」の表示を終了したいのに方法がわからなかったり、スマホアプリ版だとPCとメニューが違って困ったり。さらには、フィルター解除のボタンがグレーアウトしていて押せない、シート保護がかかっていて「できない!」と焦る状況もあるかと思います。
この記事では、そうした「スプレッドシートのフィルター解除」に関するあらゆる疑問をスッキリ解決していきます。ExcelとGoogleスプレッドシート両方の操作、ショートカットキーを使った方法、そして一括で解除するテクニックまで、目的別に分かりやすくまとめてみました。

- 「クリア」「削除」「ビュー終了」の明確な違い
- GoogleスプレッドシートとExcelの操作手順の違い
- スマホアプリ版でのフィルター解除方法
- フィルター解除ができない時のトラブル対処法
スプレッドシート フィルター解除の3つの操作
まず最初に、一番大事なポイントをお伝えしますね。「フィルター解除」とひとことで言っても、実は目的によって3つの異なる操作があるんです。ここを混同していると、いつまでも解決しないかも…。まずは自分の「やりたいこと」がどれなのか、ハッキリさせましょう。
クリアと削除の違いを理解する
「解除」という言葉でつまずく最大の原因が、この「クリア」と「削除」の違いです。
「クリア」(Clear)とは
これは、フィルター機能(見出し行にある▼マーク)は残したまま、現在設定している絞り込み条件だけをリセットすることです。「今は全部のデータを見たいな」という時に使います。
「削除」(Delete/Remove)とは
これは、絞り込み条件だけでなく、フィルター機能(▼マーク)自体を「完全に」取り除く操作です。フィルターがかかっていない、まっさらな状態に戻したい時に使います。
「解除したい」と思ったとき、条件だけをリセットしたいのか、機能ごと消したいのかを意識するだけで、操作ミスがぐっと減るかなと思います。
他の人に影響させない自分だけの表示
Googleスプレッドシートを使っていると、「自分がフィルターをかけたら、他の人の表示も変わっちゃった!」という経験ありませんか?
これを解決してくれるのが、「フィルタービュー」という機能です。
通常のフィルター([データ] > [フィルタを作成])は、シートを見ている全員に影響が出てしまいます。でも、「フィルタービュー」([データ] > [フィルタ表示])を使えば、自分だけにしか影響しない個人用の表示で作業できるんです。
共同編集時の鉄則
複数人で使うシートでは、通常のフィルターは使わず、必ず「フィルタービュー」を使うように習慣づけるのがおすすめです。これがトラブルを避ける一番の方法ですね。
この「フィルタービュー」を終了すること(黒いバーの[×]を押す)も、広義の「フィルター解除」の一つと言えます。
フィルター機能自体を削除(オフ)する方法
ここでは、「フィルター機能(▼マーク)自体を消したい」場合の操作(=削除)を解説します。
Googleスプレッドシートの場合
Googleスプレッドシートでは、メニューから明確に「削除」を選びます。
- 画面上部の [データ] メニュー をクリックします。
- 表示されたリストから [フィルタを削除] を選択します。
これだけで、見出し行についていた▼マークがすべて消えます。簡単ですね。
Microsoft Excelの場合
Excelの場合は、ボタンが「オン/オフ」のスイッチ(トグル)になっているのが特徴です。
- [データ] タブ をクリックします。
- リボン(メニュー)の中にある [フィルター] ボタン(じょうごのアイコン)をクリックします。
フィルターが設定されている時にこのボタンを押すと「オフ(削除)」になり、設定されていない時に押すと「オン(作成)」になります。同じボタンで操作が逆になる、と覚えておくと良いですね。
条件のみクリアし全データを再表示
次は、フィルター機能(▼マーク)は残したまま、「絞り込み条件だけをリセットしたい」場合の操作(=クリア)です。
Googleスプレッドシートの場合
Googleスプレッドシートでは、基本的に「列ごと」にクリアしていきます。
- 条件を解除したい列の▼マークをクリックします。
- 表示されたメニューで、チェックをリセット(例:(すべて選択) にする)します。
- [OK] ボタンをクリックします。
これを、条件を設定しているすべての列で繰り返します。
Microsoft Excelの場合
Excelには、全列を一括でクリアする便利なボタンがあります。
- [データ] タブ をクリックします。
- [並べ替えとフィルター] グループにある [クリア] ボタン をクリックします。
これ一発で、シート内のすべての列の絞り込み条件がリセットされます。これは本当に便利だなと思います。
全列のフィルターを一括でクリアするには
ここ、両ソフトの大きな違いなので、改めて整理しますね。
Excelの場合
[データ] タブにある [クリア] ボタン を押すだけ。一瞬で全列の条件がリセットされます。
Googleスプレッドシートの場合
残念ながら、Excelのような「全列の条件を一括クリア」する専用ボタンは無いんです。
じゃあ、Googleスプレッドシートで複数列にフィルターがかかっている時はどうするか?
地道に「① 各列の▼から一つずつ条件をリセットする」か、もしくは、私がよくやる手ですが「② 一度フィルター機能自体を[データ] > [フィルタを削除] で消して、すぐに[データ] > [フィルタを作成] で作り直す」のが、結果的に一番早いかも。
この仕様の違いを知らないと、「Googleスプレッドシートでクリアボタンはどこ?」と探し続けてしまうので、注意が必要ですね。
スプレッドシート フィルター解除の応用と対処法

基本的な操作がわかったところで、次はスマホでの操作や、「解除できない!」といったトラブルシューティングを見ていきましょう。こういう応用的な知識が、いざという時に役立つんですよね。
Excelでのフィルター解除操作
先ほども少し触れましたが、Excelの操作は [データ] タブに集約されていると覚えると楽です。
| あなたの目的 | 操作方法 |
|---|---|
| 条件だけリセット (クリア) | [データ] タブ > [クリア] ボタン を押す |
| 機能ごと消したい (削除) | [データ] タブ > [フィルター] ボタン を押す (トグルオフ) |
Excelは、この2つのボタンの役割がハッキリ分かれているので、Googleスプレッドシートより直感的かもしれませんね。
スマホアプリ版でのフィルター解除
スマホアプリ版は、PC版とはUIがかなり違うので戸惑いやすいポイントです。
Googleスプレッドシート アプリ (iPhone / Android)
まず、最も重要な注意点があります。
スマホのGoogleスプレッドシートアプリでは、PC版の「フィルタービュー」(自分だけの表示)機能は、作成・適用・解除のすべてが利用できません。
これは仕様なので、どうしようもないんですね…。スマホで共同編集シートを触る時は、うっかり通常のフィルターをかけてしまわないよう、本当に注意が必要です。
通常のフィルターを「削除(オフ)」する場合は、画面右上の3点リーダー(⋮)メニューから [フィルタを削除] を探すか、フィルター作成ボタンがオンになっていたらそれをタップしてオフにします。(UIはOSやバージョンで少し違うかも)
Excel アプリ (iPhone / Android)
Excelアプリは、比較的PC版の操作性に近いです。
画面下部(または上部)のメニューから「データ」関連のアイコンを探します。そこに [フィルター](じょうごアイコン)や [フィルターをクリア](じょうごに×印)といったボタンが配置されていることが多いですね。PC版と同じく、[フィルター] ボタンで機能のオン・オフ、[クリア] ボタンで条件のリセットができます。
フィルター解除ができない主な原因
「フィルター解除ができない!」という時、慌てる前にチェックしたいポイントがいくつかあります。
原因①:データ範囲に「空白の行・列」がある
フィルター機能は、データの「かたまり」を自動で認識します。途中に完全に空白の行や列があると、そこでデータが途切れたと誤認識されて、それ以降にフィルターがかからない(または解除がうまく動かない)ことがあります。
対策: フィルターをかける前に、不要な空白行・列は削除しておくのがベストです。または、フィルター作成時に、手動でデータ範囲(例:A1からF500)をすべて選択してからフィルターをかけると確実ですね。
原因②:見出し行で「セルが結合」されている
これはExcelでよく見かけますが、見出し行(タイトル行)がセル結合されていると、フィルターが正しく機能しない代表的な原因になります。フィルターを設定したい範囲(特に見出し行)のセル結合は解除しましょう。
原因③:[Google] 他の人が同時に操作している
これはGoogleスプレッドシート特有の現象です。「解除したはずなのに、すぐ元に戻る(または別の条件がかかる)」という場合、他の共同編集者が、あなたと同時に「通常のフィルター」を触っている可能性が非常に高いです。
対策: 前述の通り、共同編集シートでは「フィルタービュー」を使いましょう、というルールをチームで徹底するのが根本的な解決策になります。
シート保護とグレーアウト時の確認点
「そもそも [フィルタを削除] のメニューがグレーアウトしていて押せない!」という、一番焦るパターンですね。
この原因は、ほぼ間違いなくそのシート、またはセル範囲に「保護」が設定されていることです。
Googleスプレッドシートの場合
[データ] メニューから [シートと範囲を保護] を確認してみてください。右側に保護設定のパネルが表示されます。
- 自分に権限がある場合: 該当の保護設定を選んで、ゴミ箱アイコンで削除すれば解除できます。
- 権限がない場合: 自分では解除できません。シートの所有者(オーナー)に連絡して、保護を解除してもらう必要があります。
Excelの場合
[校閲] タブにある [シート保護の解除](または [ブックの保護])を確認します。もしパスワードが設定されていたら、パスワードを知っている管理者に解除を依頼するしかありませんね。
Excelのショートカットキー操作
Excelでのフィルター操作に慣れている方は、ショートカットキーを覚えておくと作業が爆速になります。
フィルターの「作成」と「削除(オフ)」
[Ctrl] + [Shift] + [L]
これは本当によく使います。データ範囲内のどこかを選択した状態でこのキーを押すだけ。フィルター機能の「オン」と「オフ(削除)」を切り替えられるトグル操作です。
ちなみに、Googleスプレッドシートには、残念ながらフィルターの「クリア」や「削除」に直接対応する標準のショートカットキーは用意されていないようです。もし間違って削除してしまっても、[Ctrl]+[Z](元に戻す)は効くのでご安心を。
目的別スプレッドシート フィルター解除のまとめ
最後に、スプレッドシートのフィルター解除で迷わないためのポイントを、もう一度おさらいします。
大事なのは、自分の「解除したい」が、次の3つのうちどれなのかを明確にすることです。
- クリア(Clear):
機能(▼)は残し、絞り込み条件だけリセットしたい。
- 削除(Remove):
機能(▼)ごと全部オフにして、まっさらにしたい。
- ビューの終了(Exit View):
Googleスプレッドシートの「自分だけ」の表示(黒いバー)を終了したい。
そして、GoogleスプレッドシートとExcelでは、これらの操作方法(特に「クリア」と「削除」のボタン)が根本的に違うことを理解しておけば、もう迷うことはないかなと思います。
特にGoogleスプレッドシートでの共同編集では、「フィルタービュー」を活用することが、お互いの作業を邪魔しないための必須スキルですね。

