Googleスプレッドシートを開いたら「表示専用」になっていて編集できない!と焦った経験はありませんか?
「編集権限あるのになぜ?」「スマホだと解除できないの?」など、この問題は意外とややこしいんですよね。実は、表示専用になる原因は一つではなく、自分がファイルのオーナーなのか、それとも閲覧者なのかによって、対処法がまったく異なります。
また、オーナーから権限をもらっているはずなのに編集できないケースや、スマホアプリ特有の落とし穴、さらにはファイルのコピーできない問題など、状況はさまざまです。
この記事では、スプレッドシートの表示専用を解除するための原因特定から、PC・スマホ別の具体的な対処法まで、網羅的に解説していきますね。
- 「表示専用」になる2つの主な原因
- 【閲覧者向け】編集権限のリクエストやコピーの方法
- 【オーナー向け】権限変更やシート保護の外し方
- 編集権限あるのに編集できない時の解決策
スプレッドシート表示専用 解除の2大原因

まず、なぜ「表示専用」になってしまうのか。この状態を解除するには、原因を知ることが一番の近道です。大きく分けて、原因は「権限」と「保護」の2種類あるんですよ。
原因1:共有の権限設定とは
最も一般的な原因が、この「共有権限(パーミッション)」の問題です。
スプレッドシートは、ファイルのオーナー(所有者)が、他の人に対して「どこまで操作を許可するか」を設定できます。このとき、「閲覧者」または「閲覧者(コメント可)」の権限で共有されていると、ファイルを開いてもデータを編集できず、「表示専用」として開かれます。
主な権限の種類はこんな感じです。
| 権限の種類 | できること |
|---|---|
| オーナー | すべて(編集、共有、削除、権限変更など) |
| 編集者 | データの編集、コメント、閲覧(オーナーの設定次第で共有も可) |
| 閲覧者(コメント可) | 閲覧とコメントのみ |
| 閲覧者 | 閲覧のみ |
オーナーが誰かにファイルを送る時、デフォルト(初期設定)が「閲覧者」になっていることも多いため、「リンクを送ってもらったけど編集できない」という状況が起こりやすいんですね。
原因2:「シートの保護」機能
「自分は編集者のはずなのに、特定のセルだけ編集できない!」という場合に考えられるのが、この「シートと範囲の保護」機能です。
これは、ファイル全体の権限とは別に、オーナーが「特定のシート」や「特定のセル範囲」だけを個別にロックする機能です。
例:
- 「マスターデータ」シートは誰も触れないように保護する
- 計算式が入っている「C列」だけ編集できないように保護する
ファイル全体の権限が「編集者」であっても、このようにシートやセルが保護されていると、その部分を編集しようとした時にブロックされてしまいます。これが「権限があるはずなのに編集できない」という混乱の主な原因の一つですね。
編集リクエストをPCで送信
もし自分が「閲覧者」で、そのファイルを編集する必要がある場合、最も正当な方法はオーナーに「編集権限をリクエスト」することです。
PCのブラウザ(Chromeなど)でファイルを開くと、画面の上部(メニューバーの下あたり)に「表示専用」と表示されているはずです。
そこに[編集権限をリクエスト]というボタン(またはリンク)があるかなと思います。
- [編集権限をリクエスト] ボタンをクリックします。
- オーナーへのメモ(例:「〇〇の項目を更新したいため、編集権限をお願いします。」など)を入力します。
- [リクエストを送信] をクリックします。
あとは、ファイルのオーナーがリクエストに気づいて承認してくれるのを待つだけです。承認されると、Googleから通知メールが届き、編集できるようになりますよ。
スマホで編集リクエストを送る裏技
PC版では簡単な編集リクエストですが、実はスマートフォンのスプレッドシートアプリ(iPhone/Android)には、この「編集権限をリクエスト」ボタンが用意されていないんです。
「え、じゃあスマホしかない時はどうするの?」となりますよね。私もこれには困りました。
でも、ちゃんと回避策(裏技?)があります。それは、「スマホのブラウザ(SafariやChrome)のPC版サイト機能を使う」方法です。
スマホで編集リクエストを送る手順
- まず、スプレッドシートのアプリを閉じます。
- SafariやChromeなどの「ブラウザアプリ」を開きます。
- 編集したいスプレッドシートのURLを、上のアドレスバーに貼り付けて開きます。
- (この時、自動でアプリが起動しようとしたら、ブラウザで開くように操作してください)
- ブラウザのメニューを開きます。
- iPhone (Safari): アドレスバー左下の「ぁあ」をタップ
- Android (Chrome): 右上の「︙」(縦3点)をタップ
- メニューから「デスクトップ用サイトを表示」(または「PC版サイト」)を選択します。
- スマホの画面に、PC版の小さな画面が表示されます。
- 画面を指でグッと拡大して、画面上部を見ると…ありました!PC版と同じ[編集権限をリクエスト]ボタンが表示されています。
- これをタップして、リクエストを送信すれば完了です。
この手順は少し面倒ですが、PCが手元にない時には非常に強力な解決策ですね。
自分のためにコピーを作成する方法
「オーナーの許可を待てない」「元のファイルは変更せず、自分用に編集したい」という場合は、「ファイルのコピーを作成」するのが早いです。
これは、表示専用のファイルを丸ごと自分のGoogleドライブに複製する方法です。
PC(ブラウザ)の場合
メニューバーの [ファイル] > [コピーを作成] を選択します。ファイル名や保存先を指定して「OK」を押せば、すぐに自分専用の編集可能なコピーが作成されます。
スマートフォン(アプリ)の場合
アプリのファイル一覧画面で、対象ファイルの横にある「…」(3点マーク)をタップし、メニューから [コピーを作成] を選択します。
コピーの注意点
この方法で作成したコピーは、元の共有ファイルとは完全に別のファイルになります。
そのため、コピーしたファイルにいくら編集を加えても、元の共有ファイルには一切反映されません。
あくまで「自分用の控え」として編集する場合や、テンプレートとして利用する場合に使う方法だと覚えておいてくださいね。
スプレッドシート表示専用 解除の状況別対処法

ここからは、もう少し具体的なトラブルシューティングです。「コピーができない」「権限があるはずなのに編集できない」といった、よくある「困った」状況別の対処法を見ていきましょう。
コピーできない時の原因と対処法
先ほど「コピーを作成する」方法を紹介しましたが、「[ファイル] メニューに [コピーを作成] がない!」「グレーアウトして押せない!」という場合があります。
その原因は、ファイルのオーナーが意図的に「コピーやダウンロードを禁止」しているからです。
オーナーは共有設定で、「閲覧者と閲覧者(コメント可)に、ダウンロード、印刷、コピーの項目を表示する」というチェックを外すことができます。これがオフになっていると、閲覧者側ではファイルを複製する一切の手段がなくなります。
閲覧者側の対処法
この設定がされている場合、閲覧者側でできることは残念ながらありません…。
オーナーがファイル内容の拡散を防ぎたいという意図があるため、無理にコピーしようとせず、素直に「編集権限をリクエスト」するか、オーナーに直接連絡して「コピーを許可してほしい」とお願いするしかありません。
編集権限あるのに表示専用になる訳
これが一番混乱するケースかもしれません。「自分は間違いなく編集者として招待されたはずなのに、なぜか表示専用として開いてしまう」という問題です。
この場合、原因はほぼ以下の2つのどちらかですね。
原因A:Googleアカウントの競合(複数アカウント問題)
PCやスマホのブラウザで、複数のGoogleアカウント(例:個人のGmailと会社のアカウント)に同時にログインしていると、この問題がよく起こります。
スプレッドシートのリンクを開いた時、ブラウザが「権限をもらっていない別のアカウント」を優先してファイルを開いてしまうんです。当然、権限がないので「表示専用」になってしまいます。
対処法(PC):
- 画面右上のプロフィールアイコンをクリックし、権限を付与された正しいアカウントに切り替えます。
- ブラウザのシークレットモード(プライベートウィンドウ)でリンクを開き直し、正しいアカウントのみでログインします。
対処法(スマホブラウザ):
- スマホアプリではなく、ブラウザで開いている場合は、ブラウザのアカウント設定が正しいか確認してください。
原因B:シートと範囲の保護
これは先ほど「原因2」で触れたものです。アカウントは合っているけれど、編集しようとしている「特定のセルやシート」がオーナーによって保護(ロック)されている状態です。
この場合は、ファイル全体は編集できても、その部分だけが編集できません。オーナーに連絡して、対象範囲の保護を解除してもらうようお願いしましょう。
オーナーが権限を変更する手順
ここからは、自分がファイルの「オーナー」または「編集者」で、他の人に編集を許可したい(=表示専用を解除してあげたい)場合の手順です。
PC(ブラウザ)での手順
- スプレッドシート右上の緑色の [共有] ボタンをクリックします。
- 特定のユーザーの権限を変える場合:
「アクセスできるユーザー」リストから対象者を探し、その人の権限(「閲覧者」など)をクリックして「編集者」に変更し、保存します。
- リンクを知っている全員の権限を変える場合:
「一般的なアクセス」で、「リンクを知っている全員」を選択し、右側を「編集者」に変更します。
「リンクを知っている全員」を「編集者」にする設定は、リンクを知っていれば誰でも編集できてしまうため、セキュリティ上とても危険です。
機密情報や大切なデータの場合は絶対に使わず、特定のユーザー(メールアドレス)を指定して権限を付与する方法をおすすめします。
スマートフォン(アプリ)での手順
- アプリでファイルを開き、右上の「共有」アイコン(人型に+)をタップします。
- [ユーザーまたはグループを追加] の欄に、許可したい相手のメールアドレスを入力します。
- 権限を「編集者」に設定して送信(招待)します。
すでに共有済みの相手の権限変更も、この画面から行えますよ。
解除できない「保護」をオーナーが外す
共有相手から「編集者なのに編集できない!」と言われたら、シートの保護を疑いましょう。この「シートと範囲の保護」を解除(または変更)する手順です。
重要:この操作は、PCのブラウザからしか行えません。
2025年11月現在、スマートフォンのスプレッドシートアプリでは、シート保護の設定や解除はできない仕様のようです。オーナーであっても、PCから操作する必要があります。
PCでの保護解除の手順
- スプレッドシートを開き、メニューバーの [データ] > [シートと範囲を保護] をクリックします。
- 画面右側に「保護されているシートと範囲」の一覧パネルが表示されます。
- 解除したい保護ルールをクリックします。
- 以下のどちらかを行います。
- 保護を完全に削除: ゴミ箱アイコンをクリックして、保護設定自体を削除します。
- 特定の人に許可: [権限を変更] をクリックし、編集を許可したいユーザーをリストに追加します。
これで、相手は保護されていた範囲も編集できるようになります。
PCとスマホの機能の違い一覧
スプレッドシートはPCでもスマホでも使えて便利ですが、実は機能に大きな差があります。特に「権限まわり」の重要な操作は、PC(ブラウザ版)でないと実行できないことが多いんです。
| 操作 | PC(ブラウザ) | スマホ(アプリ) |
|---|---|---|
| (閲覧者)編集権限のリクエスト | ◎ 可能
(ボタンがある) |
✕ 不可
(ボタンがない ※裏技はあり) |
| (オーナー)シート/範囲の保護 | ◎ 可能 | ✕ 不可 |
| (オーナー)シート/範囲の保護解除 | ◎ 可能 | ✕ 不可 |
| (オーナー)オーナー権限の譲渡 | ◎ 可能 | ✕ 不可 |
| (閲覧者)コピーの作成 | ◎ 可能(※) | ◎ 可能(※) |
| (オーナー)共有権限の変更 | ◎ 可能 | ◎ 可能 |
(※)オーナーがコピーを禁止していない場合に限ります。
このように、「シートの保護」関連や「オーナー権限の譲渡」、そして「編集リクエスト(正規の方法)」は、PCが必須となります。
「スマホアプリでうまくできないな」と思ったら、PC版で試してみるのが良さそうですね。
スプレッドシート表示専用 解除の総まとめ
今回は、スプレッドシートの表示専用を解除する方法について、原因と対処法をまとめました。
最後に、状況別に行うべきことをおさらいします。
【閲覧者の場合】(自分が編集したい)
- 基本: [編集権限をリクエスト] を送信する(スマホからはブラウザのPC版サイト機能を使う)。
- 自分用: [コピーを作成] する(ただし元のファイルには反映されない。また、コピー禁止の場合もある)。
【オーナー/編集者の場合】(他者に編集させたい)
- 基本: [共有] 設定で、相手の権限を「編集者」に変更する。
- 権限あるのにダメな時: [データ] > [シートと範囲を保護] を確認し、保護を解除するか、相手を許可リストに追加する(※PCのみ)。
【一番ややこしいケース】(編集権限あるのに表示専用)
- Googleアカウントが複数ある場合、正しいアカウントに切り替わっているか確認する。
スプレッドシートの権限設定は高機能なぶん、少し複雑に感じるかもしれませんが、原因が「権限」なのか「保護」なのか、そして自分の立場が「閲覧者」なのか「オーナー」なのかを切り分けて考えれば、必ず解決できるかなと思います。
Googleのサービスや機能は、アップデートによってUI(画面の見た目)や操作方法が変更されることがあります。
基本的な考え方は変わりませんが、もしこの記事の手順と異なる部分があった場合は、最新のGoogle ドキュメント エディタ ヘルプなどもあわせてご確認くださいね。

