こんにちは、「officeヘルプサポート」の管理人です。Outlookを使っていて、相手の名前の横にあるはずのオンライン状態(緑色の丸とか)が表示されず、オプションを見たら「名前の横にオンライン状態を表示する」の項目がグレーアウトしていて押せない…。そんな経験はありませんか?
私も以前、このグレーアウト問題に直面して「なんで?」と困ったことがあります。相手がオンラインかどうかがわかると、今チャットを送っていいか、それともメールにしておくか判断できて便利なのに、それが使えないと不便ですよね。
この問題、実はOutlookだけの不具合ではなく、Teamsとの連携がうまくいっていないことが多いんです。特に、新しいTeamsへの移行時に設定がリセットされたり、Outlookのアドインが無効になっていたり、あるいは単に状態不明と表示されるケースとは原因が違ったりします。中には、そもそも個人アカウントではサポート対象外だった、なんていう見落としもあるかもしれません。
この記事では、私が調べた「Outlookの名前の横にオンライン状態を表示」がグレーアウトしてしまう問題について、原因と具体的な解決ステップをまとめてみました。同じ悩みを持つ方の助けになれば嬉しいです。
- グレーアウトする主な原因
- Teams側で確認すべき設定
- Outlook側で確認すべき設定
- 高度な対処法とIT管理者向け情報
outlookの名前の横にオンライン状態を表示がグレーアウトする原因

まずは、なぜこの「名前の横にオンライン状態を表示する」オプションがグレーアウトしてしまうのか、主な原因を探っていきましょう。多くの場合、Outlookが連携すべきTeamsを「見失っている」状態が原因です。基本的な確認点から見ていきましょう。
グレーアウトと状態不明の違い
まず、よく混同されがちな「グレーアウト」と「状態不明」の違いを整理しておきますね。
「グレーアウト」は、この記事のメインテーマである「Outlookのオプション → 連絡先」にある「名前の横にオンライン状態を表示する」のチェックボックス自体が灰色になり、クリック(変更)できない状態を指します。これは、OutlookがTeamsとの連携機能自体を認識できていない、または機能が(何らかの理由で)無効化されていることを示しています。
一方、「状態不明」は、オプションは有効(チェックボックスは押せる状態)なのに、すべての連絡先のアイコンが「状態不明」(グレーの円に疑問符)と表示される症状です。これは機能自体は生きているものの、OutlookとTeamsでサインインしているアカウントが異なるなど、正しく情報を取得できていない場合(第5部ケース1参照)に発生することが多いですね。
ご自身の症状がどちらなのかをはっきりさせることが、解決への第一歩になります。
Teamsをチャットアプリに登録
Outlookがプレゼンス(オンライン状態)情報を取得する「源泉」は、Microsoft Teamsです。Outlookは、OS(Windows)に「既定のチャットアプリ」として登録されているアプリから情報を取得しようとします。
もし、この登録がうまくいっていないと、Outlookは「情報源がどこにあるかわからない」となり、結果としてオプションがグレーアウトしてしまいます。
まずは、従来の(クラシック)Teamsをお使いの場合の設定を確認してみましょう。
- Teamsアプリを起動します。
- 右上の「…」(設定など)から「設定」を選びます。
- 「一般」タブを開きます。
- 「アプリケーション」セクションにある「TeamsをOfficeのチャットアプリとして登録する (Officeアプリケーションの再起動が必要)」というチェックボックスを探します。
- もし、このチェックが外れていたら、オンにしてください。
- 設定を変更したら、必ずTeamsとOutlookの両方を完全に終了し、再起動します。
これだけで、あっさりOutlookのグレーアウトが解消されるケースも多いですよ。
新しいTeamsでの設定方法
最近「新しいTeams (New Teams)」に移行した、という方も多いかなと思います。私も移行しましたが、実は新しいTeamsに切り替えたタイミングで、このプレゼンス連携が切れてしまうことがよくあるようです(第5部ケース3参照)。
新しいTeamsでは、設定の場所や項目名が少し変わっています。
- 新しいTeamsアプリを起動します。
- 右上の「…」(設定など)から「設定」を選びます。
- 「一般」タブを開きます。
- 「新しいTeamsをMicrosoft 365のチャットアプリとして登録する (Microsoft 365 アプリケーションの再起動が必要)」というチェックボックスを確認します。
- ここがオフになっていたら、オンにします。
- 同じく、TeamsとOutlookを再起動して確認します。
補足:新しいTeamsへのアップデート方法や基本的な使い方については、「新しいTeamsにアップデート・インストールする方法と使い方」の記事も参考にしてみてくださいね。
注意:もし、この「チャットアプリとして登録する」チェックボックス自体がグレーアウトしていて押せない場合(第2部参照)、Teamsアプリの権限が不足している可能性があります。
その場合は、一度Teamsからサインアウトし、Teamsのアイコンを右クリックして「管理者として実行」を選んで起動し、再度設定を試してみてください。
Outlookのアドインが無効
Teams側が「私はここにいますよ!」とOSに登録していても、Outlook側がその連携を受け入れていないと、プレゼンスは表示されません。
OutlookとTeamsの連携は、「COMアドイン」という専用のプラグイン(拡張機能)によって行われています。Outlookには、起動が遅くなったりする原因のアドインを自動的に「無効」にしてしまう自己防衛機能があり、これが意図せずTeamsのアドインを無効化してしまうことがあるんです(第3部参照)。
これは、グレーアウト問題の非常によくある原因の一つです。
COMアドインの確認
- Outlookを開き、「ファイル」→「オプション」→「アドイン」と進みます。
- 下部にある「管理:」が「COM アドイン」になっていることを確認し、「設定(G)…」ボタンを押します。
- 一覧の中に「Microsoft Teams Meeting Add-in for Microsoft Office」や「TeamsAddin.FastConnect」(特に新しいTeamsの場合)といった名前のアドインがあるか探します。
- もし、このアドインのチェックが外れていたら、チェックをオンにして「OK」を押します。
- Outlookを再起動します。
「無効されたアイテム」の確認
もし「COM アドイン」の一覧にTeamsのアドイン自体が見当たらない場合、Outlookによって「重大なエラー」とみなされ、「無効されたアイテム」リスト(隔離リストのようなもの)に入れられている可能性があります。
- 同じく「ファイル」→「オプション」→「アドイン」画面を開きます。
- 下部の「管理:」ドロップダウンを「無効されたアイテム」に変更し、「設定(G)…」ボタンを押します。
- 一覧に「TeamsAddin」関連のアイテムがあれば、それを選択し、「有効にする」ボタンを押します。
- Outlookを再起動し、再度「COM アドイン」のリストに戻って、アドインが有効になっているかを確認してください。
Outlookのアドインが無効になる問題全般については、「Outlookアドインが無効になる・消える場合の対処法」でより詳しく解説しているので、よかったらご覧ください。
個人アカウントはサポート対象外
これは「不具合」ではなく「仕様」の話ですが、非常に重要なポイントです(第5部ケース2参照)。
OutlookとTeamsの高度なプレゼンス連携機能は、基本的にMicrosoft 365の「職場または学校のアカウント」(企業向け・教育機関向けライセンス)のために設計されています。
もし、お使いのアカウントが、
- Microsoft 365 Personal / Family
- 無料のMicrosoftアカウント (Outlook.com, Hotmail.comなど)
- 無料版のTeams
である場合、残念ながらこのプレゼンス連携機能はサポートされていません。
この場合、オプションがグレーアウトしているのは「機能制限」による正常な動作であり、設定で解決することはできません。もし職場のアカウントでこの問題が起きているなら他の原因を探る必要がありますが、個人アカウントの場合は仕様である可能性が高いですね。
outlookの名前の横にオンライン状態を表示がグレーアウトの高度な対処

ここまでの基本的な設定(Teamsの登録やOutlookアドインの有効化)を試してもグレーアウトが治らない場合、もう少し踏み込んだ対処法が必要になるかもしれません。Windowsのシステム設定(レジストリ)の確認や、組織のポリシーが関係している可能性もあります。
レジストリ編集での解決策
これまでのTeamsやOutlookのUI(画面)からの設定は、実はWindowsの「レジストリ」という中核的な設定データベースの値を変更しています。UIから設定してもなぜか反映されない場合、レジストリの値を直接確認・修正することで解決することがあります(第4部参照)。
【警告】レジストリの編集は自己責任でお願いします
レジストリはWindowsの動作に不可欠な、非常にデリケートな設定情報です。操作を誤ると、最悪の場合Windowsが起動しなくなるなど、深刻な問題を引き起こす可能性があります。
以下の操作を実行する前に、必ずレジストリのバックアップを取るか、システムの復元ポイントを作成してください。操作の意味がよくわからない場合や、自信がない場合は、無理に実行せず、PCに詳しい人やIT管理者に相談することを強く推奨します。
レジストリエディタ(regedit)を起動して、以下のキー(フォルダのようなもの)と値を確認します。
| パス (HKEY_CURRENT_USER…) | 値の名前 | あるべきデータ | 役割 |
|---|---|---|---|
\Software\IM Providers |
DefaultIMApp | "Teams" |
OSに既定のIMアプリを登録 |
\Software\Microsoft\Office\16.0\Common\IM |
TurnOffPresenceIntegration | 0 (または値が存在しない) |
プレゼンス統合を有効化 |
\Software\Microsoft\Office\16.0\Common\PersonaMenu |
Enabled | 1 |
連絡先カードでのプレゼンス表示 |
(※Office 2016/2019/365の場合、パスの<x.0>は16.0になります)
特に重要なのは、DefaultIMAppが"Teams"になっていること、そしてTurnOffPresenceIntegration(統合をオフにする)が1(オン)になっていないことです。もし値が1になっていたら、プレゼンス機能がレジストリレベルで明示的に無効化されているので、値を0に修正してみてください。
レジストリ編集の基本的な操作方法については、「Outlookのレジストリ編集で設定を変更する方法まとめ」の記事も参考にしてみてください(ただし、今回の特定のキーに関する記述はないかもしれません)。
チェックボックスが有効にならない
「グレーアウト」問題には、2つのパターンが考えられます。
- Outlook側:「名前の横にオンライン状態を表示する」がグレーアウト
- Teams側:「Teamsをチャットアプリとして登録する」がグレーアウト
1. のOutlook側の問題は、ここまで解説してきたTeamsの登録(DefaultIMAppレジストリ)が正しくないか、またはTeams連携アドイン(COMアドイン)が読み込まれていないことが直接的な原因です(第3部参照)。Outlookは「連携すべき相手(アドイン)がいない」と判断し、オプションを無効化(グレーアウト)します。
2. のTeams側の設定がグレーアウトする場合は、少し厄介です。これは特に「新しいTeams」への移行時に、OSのレジストリ(DefaultIMApp)に設定を書き込むための権限が不足していることが原因である可能性が高いです(第2部参照)。
対処法:
Teamsから完全にサインアウトした上で、Teamsのショートカットを右クリックし、「管理者として実行」を選択して起動してみてください。管理者権限で実行することで、レジストリへの書き込みが許可され、チェックボックスが有効になる場合があります。
他の理由で表示されない場合
グレーアウトは解消された(チェックは入っている)のに、なぜかプレゼンスが「状態不明」のまま…という場合は、別の原因が考えられます。
最も多いのは、「アカウントの不一致」です(第5部ケース1参照)。
Outlookにサインインしているメールアドレス(例: taro.yamada@example.com)と、Teamsにサインインしているアカウント(例: tyamada@company.onmicrosoft.com のようなUPN)が異なっていると、システムは両者を同一人物と認識できず、プレゼンス情報を取得できません。
特に、メールアドレスと社内ログインIDが異なる環境では注意が必要です。一度OutlookとTeamsの両方から完全にサインアウトし、必ず同一の「職場または学校のアカウント」で両方にサインインし直してみてください。
IT管理者向けの確認項目
もし、あなたが会社のPCを使っていて、これまでの手順をすべて試しても解決しない場合、問題はあなたのPCではなく、会社(組織)側のITポリシー設定にある可能性が極めて高いです(第6部参照)。
ユーザー側ではこれ以上対処できないため、IT管理部門(情報システム部など)に以下の点を確認してもらうよう依頼してみてください。
管理者向け確認ポイント
- グループポリシー (GPO) の確認:
レジストリの
Policiesキー(例:HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Office\16.0\Common\IM)配下で、TurnOffPresenceIntegrationなどが「無効(1)」に設定されていないか。古いSkype for Business時代のポリシーが残っている可能性があります。 - Teams管理センターの確認:
Teamsのアップグレードポリシーが「Teamsのみ (TeamsOnly)」モードになっているか。もし「アイランド」モードなどのままの場合、Outlookが古いSkype for Businessを参照しようとして失敗することがあります。
- Exchange環境の確認:
TeamsがOutlookの予定表(会議中に「取り込み中」にするなど)と完全に連携するには、ユーザーのメールボックスがExchange OnlineまたはExchange Server 2016以降のハイブリッド構成である必要があります。
特にGPO(グループポリシー)で機能が制限されている場合、ユーザーがローカルのレジストリを修正しても、PCの再起動やポリシーの更新で元に戻されてしまいます。根本的な解決には、管理者の対応が必要ですね。
outlookの名前の横にオンライン状態を表示がグレーアウトの総まとめ
最後に、今回の「outlookの名前の横にオンライン状態を表示がグレーアウト」問題を解決するための手順を、トラブルシューティングの流れとしてまとめます(第7部参照)。
解決へのステップ
- 前提確認:使用しているのは「職場または学校のアカウント」ですか?
→ NO(個人アカウント)の場合、解決不可(仕様)です。プレゼンス連携はサポートされていません。
- Teams側:Teamsの設定で「既定のチャットアプリとして登録」はオンになっていますか?
→ NO(またはグレーアウト)の場合、Teamsを「管理者として実行」して設定をオンにします。
- Outlook側:Outlookの「COMアドイン」や「無効されたアイテム」を確認し、「Teamsアドイン」は有効になっていますか?
→ NOの場合、アドインを有効化してOutlookを再起動します。
- レジストリ確認:(高度)
DefaultIMAppが “Teams” に、TurnOffPresenceIntegrationが0になっていますか?→ NOの場合、バックアップを取った上で慎重に修正します。
- 管理者相談:上記すべてを確認しても解決しない場合。
→ IT管理者に連絡し、「GPOによる機能無効化」や「TeamsOnlyモード」の確認を依頼します。
この問題は、OutlookとTeamsという2つのアプリ間の「握手(ハンドシェイク)」が失敗している状態です。どちらか一方だけを見てもダメで、両方の設定、そして時にはOS(レジストリ)や組織のポリシーまで確認する必要がある、というのが難しいところですね。
この記事が、あなたのOutlookのグレーアウト問題解決のヒントになれば幸いです。

