エクセルで数式を使って掛け算をしようとしたとき、アスタリスクの出し方がわからない、といった基本の操作でつまずくことはありませんか。また、PRODUCT関数やSUMPRODUCT関数との違いを知りたい、消費税の計算で四捨五入や切り捨てなどの端数処理を正確に行いたいといった、実務に関わる悩みを持つ方も多いと思います。さらに、数式をコピーしたときに参照先がずれるのを防ぐ絶対参照や$記号の設定方法、#VALUE!などのエラーが表示されて計算できないトラブル、空白セルを参照したときの不要なゼロを消したい、数式が文字列のまま反映されないといった問題に直面することもありますよね。この記事では、そういったエクセルの数式や掛け算に関する様々な疑問を解決し、日々の業務をスムーズに進めるための方法を詳しく解説していきます。

- アスタリスクを使った基本的な掛け算のやり方
- PRODUCT関数やSUMPRODUCT関数の便利な使い方
- 絶対参照を用いた数式のコピーとセルの固定方法
- 計算エラーの原因と解決策や端数処理のテクニック
エクセルの数式で掛け算を行う基本と関数
エクセルの数式で掛け算を行うには、いくつかの方法があります。ここでは、一番シンプルな記号を使った計算から、実務で役立つ便利な関数まで、基本的な仕組みを順番に見ていきましょう。
アスタリスクを入力して直接計算する方法
エクセルで掛け算をする際、もっとも基本となるのが「(アスタリスク)」を使った計算です。学校で習う「×」の代わりに、エクセルではこのアスタリスクを掛け算の記号として使います。
入力のルールはとても簡単で、計算式の先頭に必ず半角の「=(イコール)」をつけるだけです。例えば、「12×5」を計算したい場合は、セルに=125と入力してEnterキーを押すと、あっという間に「60」という結果が表示されますね。
アスタリスクの入力方法は、お使いのキーボードによって少し違います。テンキーがある場合はそのまま「*」を押せばOKです。テンキーがないノートパソコンなどの場合は、「Shift」キーを押しながら「:(コロン)」キーを押すと入力できますよ。
ただ、数値を直接入力する方法は、電卓代わりにサッと計算したいときには便利ですが、後から数値を直したりするのにはあまり向いていないかもしれません。
セル参照を用いて計算を自動化する仕組み
実務でエクセルを使うなら、数値を直接入力するよりも「セル参照」を使った掛け算が圧倒的におすすめです。これは、「=A1*B1」のように、計算したい数字が入っているセルの場所(番地)を指定する方法ですね。
セル参照を使う最大のメリットは、元の数字を変更すると、計算結果も自動で更新されることです。たとえば、商品の単価や数量が変わっても、数式をわざわざ書き直す必要がありません。
計算式とデータを分けることで、入力ミスも減らせますし、作業効率がグッと上がります。エクセルを使いこなす上で、このセル参照の考え方はとても重要かなと思います。
オートフィルで複数列を一括処理する手順
セル参照の本当のすごさは、エクセルの便利機能「オートフィル」と組み合わせたときに発揮されます。オートフィルとは、数式が入ったセルの右下にある小さな四角(フィルハンドル)を引っ張ることで、同じ計算を下の行にもパパッとコピーできる機能のことです。
たとえば、1行目に「=B2C2」という数式を作って下に引っ張ると、エクセルが気を利かせて「=B3C3」「=B4*C4」というように、参照するセルを自動でずらしてくれます。
これを使えば、何百行もある売上データでも、数秒で掛け算を終わらせることができちゃいます。私も初めてこの機能を知ったときは、その速さに感動したのを覚えています。
PRODUCT関数で複数の値を一気に乗算
アスタリスクの掛け算はシンプルで使いやすいですが、掛ける数字の数が多いと数式が長くなって見づらくなってしまいます。そんな時に活躍するのがPRODUCT(プロダクト)関数です。
PRODUCT関数は、指定した範囲の数字をすべて掛け合わせてくれる便利な関数です。たとえば、A1からA10までのセルを全部掛けたい場合、アスタリスクだと「=A1A2A3…」と大変なことになりますが、PRODUCT関数なら=PRODUCT(A1:A10)と入力するだけでスッキリ計算できます。
数式が短くなることで、入力のし忘れや間違いを防ぐことができます。掛ける数字が3つ以上になるようなら、PRODUCT関数の使用を検討してみるのがおすすめですね。
SUMPRODUCT関数での高度な配列集計
さらに高度な掛け算を行いたい場合は、SUMPRODUCT(サムプロダクト)関数の出番です。この関数は、ただ掛け算をするだけでなく、「それぞれの行を掛け算して、その結果を全部足す」という作業を一度にやってのける優れものです。
たとえば、各商品の「単価×数量」を計算して、さらにその合計額を出したいとき。普通なら計算用の列を新しく作ってから合計しますが、SUMPRODUCT関数なら=SUMPRODUCT(B2:B10, C2:C10)のように入力するだけで、一発で総売上高が出せます。
シートの見た目をきれいに保ったまま複雑な集計ができるので、データ分析などをよく行う方には手放せない関数になるはずです。
エクセルの数式で掛け算を極める応用実務

エクセルの数式で掛け算の基本をマスターしたら、次はさらに一歩進んだ実務向けのテクニックに挑戦してみましょう。ここでは、計算ミスを防ぐ設定や、よくあるエラーの解決策などについて詳しく解説していきます。
絶対参照とF4キーでセルを固定する設定
オートフィルは便利ですが、「常に同じセル(例えば消費税率など)を掛け算したい」という場合には注意が必要です。そのまま下にコピーすると、参照するセルがずれて計算がおかしくなってしまいます。
それを防ぐのが「絶対参照」というテクニックです。固定したいセルの番地に「$(ドルマーク)」をつけて「=$C$1」のようにすることで、どこに数式をコピーしても常にそのセルを参照するようになります。</p>
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<p>ドルマークを自分で入力するのは面倒なので、キーボードの「F4」キーを使うのがおすすめです。セルを選択した状態でF4キーを押すと、自動的に「$」がつきますよ。ノートパソコンでF4キーが効かない場合は、「Fn」キーを押しながらF4キーを押してみてくださいね。
消費税の計算とROUND関数での端数処理
金額の掛け算でよく問題になるのが、「1円未満の端数」です。消費税の計算などをしていると、どうしても小数点以下の細かい数字が出てきてしまいますよね。これを放置すると、合計金額が合わなくなるトラブルの原因になります。
そこで活躍するのが、端数処理を行うROUND(ラウンド)関数の仲間たちです。用途に合わせて以下のように使い分けます。
- ROUND関数:四捨五入する
- ROUNDDOWN関数:切り捨てる
- ROUNDUP関数:切り上げる
たとえば、消費税の計算で切り捨てを行いたい場合は、=ROUNDDOWN(A1*1.1, 0)のように、掛け算の数式を関数で囲んであげます。
お金に関わる計算は非常に重要です。ここで紹介した端数処理の考え方はあくまで一般的な目安です。税法や会社の経理規定によって正しい処理方法は異なるため、正確な情報は公式サイトをご確認いただくか、最終的な判断は専門家にご相談ください。
計算時に頻発するエラーの原因と解決策
エクセルを使っていると、「#VALUE!」や「#REF!」といったエラーが表示されて焦ることがありますよね。これらはエクセルからのメッセージなので、原因を知っていれば怖くありません。
掛け算でよく見るエラーとその対策は以下の通りです。
| エラーの種類 | 主な原因と解決策 |
|---|---|
| #VALUE! | セルの中に「円」や「個」などの文字が混ざっているのが原因です。単位などの文字を消して、半角の数字だけを入力し直しましょう。 |
| #REF! | 参照していたセルをうっかり削除してしまった場合に起きます。数式を確認して、正しいセルを選び直してください。 |
| #NAME? | 「PRODUCT」などの関数名のつづりが間違っているかもしれません。スペルミスがないか確認してみましょう。 |
| ##### | これは計算エラーではなく、数字が大きすぎてセルの幅に収まっていないだけです。列の幅を広げれば正しい数字が見えますよ。 |
エラーが出たら慌てずに、まずは原因となっているセルを特定して修正していくことが大切ですね。
数式が反映されない文字列化の解除方法
「数式を正しく入力したのに、=A1*B1 という文字がそのまま表示されて計算されない!」というのも、エクセルあるあるのトラブルです。これは、そのセルの表示形式が「文字列」になっているのが原因です。
この状態を直すには、まず対象のセルを選び、ホームタブにある表示形式を「文字列」から「標準」に変更します。ただ、これだけでは計算されないので、対象のセルをダブルクリックするか数式バーをクリックして編集状態にし、そのままEnterキーを押してみてください。
これでエクセルが「あ、これは計算式だな」と認識し直してくれて、無事に掛け算の結果が表示されるようになります。また、全体の計算が手動モードになっていて数字が変わらないこともあるので、その場合は「数式」タブから「計算方法の設定」を自動に直してみてくださいね。
エクセルの数式で掛け算を使いこなすまとめ
ここまで、アスタリスクを使った基本から関数、エラー対策までご紹介してきました。エクセルの数式に関する掛け算の仕組みをしっかり理解しておくと、日々のデータ入力や集計作業が驚くほどラクになります。
最初は絶対参照の「$」記号や関数の入力に少し戸惑うかもしれませんが、何度も使っているうちに自然と指が動くようになるはずです。計算ミスを減らし、より正確でわかりやすい表を作るために、今回ご紹介した方法をぜひご自身の業務に合わせて取り入れてみてくださいね。エクセルの掛け算を味方につけて、快適なデスクワークを目指していきましょう!
