エクセルの散布図がうまくいかない時の基礎

エクセルでデータを可視化する際、散布図は2つのデータの関係性を見るのにとっても便利ですよね。でも、いざ作ろうとすると「あれ?エクセルの散布図がうまくいかない…」と手が止まってしまうこと、結構あるんじゃないかなと思います。実はこれ、エクセルがデータをどう読み取っているかのちょっとしたルールの違いが原因だったりします。ここでは、そんな「なぜかうまくいかない」時の基本的な原因と、サクッと直すための具体的なステップを見ていきましょう。

散布図

データがプロットされない根本的な原因

散布図を作ったのに、グラフの領域に全く点が現れない(プロットされない)時って、かなり焦りますよね。この一番の原因は、エクセルがデータを「数値」として認識していないことにあります。

散布図は、縦軸(Y軸)と横軸(X軸)のそれぞれに「数値」がペアになっていることで、初めて座標として点を打つことができます。パッと見は数字が入力されているように見えても、実はエクセルの中では「文字(文字列)」として扱われてしまっていることがあるんです。

よくあるデータの落とし穴

  • CSVファイルから直接データを取り込んだ場合
  • 他のシステムからエクスポートしたデータ
  • 数字の前にスペースが入っている

こういった場合、セルの左上に緑色の小さな三角マーク(エラーインジケーター)が出ていることが多いです。このマークが出ていたら、「これは文字として扱われているよ」というサイン。散布図を作る前に、まずはこのデータをしっかり数値に直してあげる必要があります。

文字列を数値化して表示されないエラー解決

では、文字として認識されてしまった数字を、どうやってグラフに使える「数値」に戻せばいいのでしょうか。いくつか方法はありますが、ここでは実務ですぐに使える2つのアプローチをご紹介しますね。

方法1:VALUE関数を使って明示的に変換する

これは、エクセルに「この文字を数値にして!」と関数で直接お願いする方法です。空いている別の列に =VALUE(対象のセル) と入力します。例えば、A2セルが文字列なら =VALUE(A2) ですね。

この方法は、あとから見直した時に「ここでデータを変換したんだな」ということが分かりやすいので、シートの管理がしやすいというメリットがあります。

方法2:「四則演算」でサクッと変換する

作業列を増やしたくない時に便利な、ちょっとした裏技みたいな方法です。文字列の数字が入っているセルに対して、「0を足す(+0)」か「1を掛ける(*1)」という数式を入れます。例えば =A2*1 といった具合です。

エクセルは計算をしようとする時、文字であっても「なんとか計算できないかな?」と自動的に数値として扱おうとする性質(キャスト)を持っています。これを利用して、一気に数値データに変換してしまうわけです。データ量がそこまで多くない時や、パパッとグラフを作りたい時に重宝しますよ。

X軸とY軸が逆になる現象の直し方

「よし、点は出た!」と思ったら、今度は「横軸にしたいデータが縦軸にきてる…」なんてこと、ありませんか? これも本当によくあるトラブルです。この現象は、エクセルが最初のデータ範囲をどう読み込むかという初期ルールに完全に依存しています。

エクセルは自動でグラフを作る時、選んだデータ範囲のうち「一番左側にある列」をX軸(横軸)に、「それより右側にある列」をY軸(縦軸)に割り当てるという仕様になっています。

注意したいポイント

グラフツールのデザインタブにある「行/列の切り替え」ボタンは、棒グラフなどでは便利ですが、散布図のX軸とY軸の入れ替えには使えません。エラーが出てしまうことが多いので注意してくださいね。

これを直す一番手っ取り早い方法は、元のデータの並び順を変えてしまうことです。X軸にしたいデータを左の列(例えばA列)に、Y軸にしたいデータを右の列(例えばB列)に移動させてから、もう一度散布図を作り直すのが、視覚的にも一番スッキリする解決策かなと思います。

データの選択機能で軸を入れ替える手順

元のデータの列順を入れ替えるのが一番簡単ですが、「システムから吐き出された決まったフォーマットだから列は動かせない」とか、「他の関数が絡んでいて列をいじりたくない」というケースも現場では多々ありますよね。

そんな時は、グラフを作った後から「データの選択」機能を使って、グラフが読み込んでいるデータの場所だけを入れ替えてしまいましょう。元の表には一切触れないので安心です。

  1. 軸が逆になっている散布図をクリックして選択します。
  2. 上部のメニューから「グラフのデザイン」タブを開き、「データの選択」をクリックします。
  3. 「データソースの選択」という画面が出るので、左側の枠内にある編集したい系列(凡例の名前など)を選び、「編集」ボタンを押します。
  4. 「系列の編集」画面が開きます。ここに「系列 X の値」と「系列 Y の値」という入力欄があります。
  5. それぞれの欄に入っている既存の範囲を消し、X値用の欄に本来X軸にしたいセル範囲を、Y値用の欄に本来Y軸にしたいセル範囲をマウスで選び直します。
  6. 「OK」を押して画面を閉じれば、グラフの軸が見事に反転します。

少し手順は多いですが、この方法を覚えておくとどんな複雑な表からでも自由自在に散布図を作れるようになりますよ。

データが1点しか表示されない時の対策

データがたくさんあるはずなのに、グラフ上にポツンと1点しか点が出ない、あるいは変なところで点がまとまってしまっている…。こんな時は、グラフを作った時の最初の「範囲選択」に原因があることがほとんどです。

よくやってしまいがちなのが、表の「見出し(項目名)」も一緒に全て選択して散布図を作ろうとすることです。散布図は純粋な「数値のペア」を求めるグラフなので、そこに文字列である「見出し」が混ざってしまうと、エクセルが「これは数値じゃないぞ?」と混乱してしまい、正しく点を打てなくなってしまうんです。

正しい範囲選択のコツ

最初のグラフ作成時は、「数値が入力されているセル範囲だけ」をピンポイントで選択しましょう。見出しの名前(系列名)は、あとから「データの選択」画面で個別に指定するのが、失敗しないためのセオリーです。

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エクセルの散布図がうまくいかない時の応用

散布図1

基本的なデータの型や軸の入れ替えができるようになれば、まずは一安心ですね。でも、実際のデータ分析では「もっとここをこう見せたいのに、エクセルの散布図がうまくいかない…」と、もう一歩踏み込んだところで壁にぶつかることもあります。ここからは、複数のデータを重ねたり、見栄えを整えたりするためのちょっとした応用テクニックをご紹介していきます。

折れ線グラフとの違いと正しい選び方

「横軸にちゃんと数値があるのに、なぜかグラフの下が『1, 2, 3…』という連番になっちゃう」というご相談をよく受けます。これ、実は散布図ではなく、誤って「折れ線グラフ(マーカー付き)」を選んでしまっているのが原因です。

折れ線グラフと散布図は、見た目は「点が線で結ばれている」という点でとても似ていますが、エクセルの内部でのデータの扱い方が全く違います。

グラフの種類 X軸(横軸)の扱い どんな時に使う?
折れ線グラフ 月や名前など、等間隔の「カテゴリ(項目)」として扱う。数値の間隔は無視される。 時間の経過に伴う推移を見たい時
散布図 連続した「数値」として扱う。数字の大きさによって点の間隔も変わる。 2つのデータの相関関係や分布を見たい時

もし横軸が連番になってしまったら、グラフを選択して「グラフの種類を変更」から、明示的に「散布図」を選び直してみてください。それだけで、データ間の正しい距離感が反映されたグラフに生まれ変わるはずです。

複数系列のデータを統合して比較分析

「商品Aと商品Bのデータを、ひとつの散布図に重ねて比較したい!」というのもよくあるニーズですよね。別々のデータを一つのグラフにまとめるには、大きく分けて2つのアプローチがあります。

サクッとまとめるなら「コピペ」

一番直感的で早いのは、コピー&ペーストです。商品Aの散布図と商品Bの散布図を別々に作っておき、商品Bのグラフをコピー(Ctrl+C)して、商品Aのグラフの上でペースト(Ctrl+V)します。これだけで、2つの系列が一つにまとまります。パッと傾向を見比べたい時に便利ですね。

しっかり作り込むなら「データの選択」

コピペはお手軽ですが、横軸のスケールが違ったりするとグラフがおかしくなってしまうことがあります。資料としてしっかり残したい場合は、「データの選択」画面から「追加」ボタンを使って、系列ごとにXとYの範囲を一つずつ丁寧に指定していく方法がおすすめです。少し手間はかかりますが、後からデータを更新したり見直したりする時のメンテナンス性は抜群に高くなります。

途切れる線を結べない時の空白補間設定

時系列の変化を追うような散布図で「線」を表示させている時、データの一部に空白セル(未入力のセル)があると、そこで線がプツンと途切れてしまいます。視覚的にちょっと気持ち悪いですよね。

エクセルは、データがないことを「線の断絶」として正直に表現しているだけなのですが、前後のトレンドをつなげて見せたい場合は設定で変更することができます。

線を滑らかにつなぐ手順

「データの選択」画面を開き、左下にある「非表示および空白のセル」というボタンをクリックします。設定の中で「データ要素を線で結ぶ(補間する)」を選ぶと、空白部分の前後の点を直線で結んで補完してくれます。

ただし、関数でエラーが出た時に「””(空文字)」を返すようにしていると、これは「空白」ではなく「文字」として判定されてしまうため、この補完機能がうまく働きません。グラフ用のデータでは、エラー値(#N/Aなど)はそのままにしておくか、正しい数値データにクリーニングしておくことが大切です。

外れ値を除外して視認性を高める方法

散布図を作ってみたら、一つだけ桁外れに大きい(あるいは小さい)データが混ざっていて、グラフ全体がギュッと縮んでしまい、他の大部分のデータが見づらくなってしまった…という経験はないでしょうか。

この極端なデータ(外れ値)をグラフの表示から除外するには、対象の行を非表示にするという力技もありますが、グラフの形が崩れてしまうことがあるのであまりおすすめしません。

よりスマートなのは、「軸の境界線」をコントロールして、外れ値を枠外に押し出してしまう方法です。軸の数値をダブルクリックして「軸の書式設定」を開き、「最大値」や「最小値」を手動で変更します。例えば、100万という突出したデータがあっても、最大値を10万に固定してしまえば、残りのデータがキャンバスいっぱいに広がって、本来見たかった傾向がクッキリと浮かび上がってきますよ。

近似曲線やデータラベルを追加する手順

散布図はただ点を打つだけでなく、そこに「どんな傾向があるか」や「この点は何を示しているか」を付け加えることで、説得力がグッと増します。

近似曲線(トレンドライン)で傾向をつかむ

プロットされた点を右クリックして「近似曲線の追加」を選ぶと、データの全体的な傾向を示す線(回帰直線など)を引くことができます。「右肩上がりだな」といった視覚的な印象を、統計的なモデルとして裏付けることができるので、分析資料にはぜひ取り入れたい機能です。

データラベルで「誰のデータか」を明確に

点が密集していると、「この一番高い成績の点は誰だろう?」と分かりづらいですよね。そんな時は、グラフ要素から「データラベル」を追加します。設定(その他のオプション)から「セルの値」にチェックを入れ、名前が入力されているセル範囲を指定すれば、各点に名前や項目名を表示させることができます。ラベル同士が重なって見づらい時は、手動でドラッグして位置を微調整してあげてくださいね。

エクセルの散布図がうまくいかない時のまとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、「エクセルの散布図がうまくいかない」と悩む方に向けて、その裏側にあるデータ認識の仕組みから、ちょっとした応用テクニックまでを解説してきました。

散布図でエラーが起きたり、思い通りに表示されない時の多くは、エクセルが求める「数値のペア」というルールと、私たちが用意した表の作りにズレが生じていることが原因です。文字列の処理や軸の入れ替え、範囲選択のコツなど、今回ご紹介したポイントを一つずつ確認してもらえれば、きっと綺麗で説得力のある散布図が作れるようになるはずです。焦らずに、データの状態をチェックすることから始めてみてくださいね。

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