毎日使っているOutlookが、ある日突然「新しいOutlook」に勝手に変わる現象や、アップデート後の不具合に悩まされていませんか。「以前のバージョンに戻すことができない」と焦って検索している方も多いはずです。私自身も、慣れ親しんだ画面が急にWeb版のような見た目になり、使い勝手の違いに戸惑った経験があります。業務に支障が出ると本当に困りますよね。

実は「Outlookのバージョンを戻す」という言葉には、大きく分けて二つの意味があります。一つは「新しいOutlook」という新しいUIから従来の画面に戻すこと、もう一つは更新プログラムによる不具合を回避するためにコマンドを使って以前のビルド番号に戻すことです。この記事では、WindowsだけでなくMac版でOutlookのバージョンを戻す方法や、レジストリ設定(new outlook to classic registry)などの技術的な解決策についても分かりやすく解説します。
- 「新しいOutlook」のトグルスイッチが消えた場合の強制的な復元方法
- 不具合発生時にコマンド操作で特定のバージョンへロールバックする手順
- 勝手にアップデートされるのを防ぐためのレジストリや自動更新停止の設定
- Mac版OutlookやOffice 2024で以前のデザインに戻すための対処法
## 新しいUIからOutlookのバージョンを元に戻す方法
ここでは、Windowsの自動更新などで意図せず切り替わってしまった「新しいOutlook(New Outlook)」から、使い慣れた従来の「Classic Outlook」へと戻すための具体的な手順を解説します。トグルスイッチが見当たらない場合の裏技も紹介しますので、諦めずに試してみてください。
### Outlookが勝手に変わる原因と対策
ある日突然、Outlookの画面がシンプルになりすぎて使いづらいと感じたなら、それは「新しいOutlook for Windows」への移行が行われた可能性が高いです。これは従来のインストール型アプリから、Webブラウザベースのアプリへとプラットフォーム自体が大きく変更されたことを意味します。
基本的には、画面右上に表示されている「新しいOutlookを試す」というトグルスイッチをオフにすることで、元のバージョンに戻すことが可能です。この操作を行うと、マイクロソフトへのフィードバック画面が表示された後に、従来のOutlookが再起動する仕組みになっています。
まずは画面右上のトグルスイッチを確認し、ONになっている場合はOFFに切り替えてみましょう。これだけで解決するケースが大半です。
### 以前のバージョンに戻すことができない時
問題なのは、肝心のトグルスイッチが表示されていなかったり、オフにしても再起動するとまた「新しいOutlook」に戻ってしまったりするケースです。これは、Microsoft側の更新ポリシーや企業の管理設定によって、強制的に新しいバージョンへの移行が促されているためです。
「以前のバージョンに戻すことができない」と諦める前に、まずはWindowsのスタートメニューを確認してみてください。「Outlook」というアイコンが二つ(「Outlook (new)」と「Outlook」)存在している場合があります。もし従来のアイコンが残っていれば、そちらから起動することでClassic環境を利用できるかもしれません。
### レジストリ操作でUIを強制的に戻す
トグルスイッチがない場合でも、レジストリを操作することで強制的に従来のOutlookを起動させることが可能です。少し専門的な操作になりますが、手順通りに行えば難しくありません。
具体的には、「UseNewOutlook」という設定値を変更します。レジストリエディターを開き、以下のパスを辿ってください。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook\Preferences
ここに「UseNewOutlook」という値があれば、その数字を「0」に変更します。もし値がない場合は、新しくDWORD(32ビット)値を作成して「0」に設定しましょう。これで、次回起動時からClassic Outlookが優先されるようになります。
レジストリ操作はシステムに影響を与える可能性があるため、必ずバックアップを取ってから自己責任で行ってください。
### PowerShellで新アプリを削除
レジストリ操作でも解決しない、あるいは「新しいOutlook」自体をパソコンから完全に削除してしまいたい場合は、PowerShellを使ったコマンド操作が有効です。「新しいOutlook」はストアアプリの一種としてインストールされているため、通常のアンインストールでは消えないことがあります。
管理者としてPowerShellを起動し、以下のコマンドを入力して実行することで、現在のユーザーから「新しいOutlook」のパッケージを削除できます。
Get-AppxPackage -Name “Microsoft.OutlookForWindows” | Remove-AppxPackage
これを実行すると、OSは「新しいOutlook」を起動できなくなり、結果として従来のOutlookを探しに行くか、関連付けのエラーが出るようになります。エラーが出た場合は、Officeの「クイック修復」を行えば元通りになります。
### Mac版Outlookのバージョンを戻す手順
Macユーザーの場合、「Outlookメニュー」の「ヘルプ」などから「従来のOutlookに戻す(Legacy Outlook)」を選択することで切り替えが可能です。しかし、最新のOffice 2024 Home & Business for Macなどのライセンスでは、この切り替え機能自体が廃止されているケースがあります。
もしメニューに「戻す」オプションがない場合、残念ながらアプリ自体を一度アンインストールし、Office 2021などの古いバージョンのインストーラーを入手して入れ直す必要があります。Macの場合はWindowsのような便利なコマンドがないため、物理的な入れ替え作業が必要になるのです。
Legacyモードへの切り替えを行うと、一時的にメールデータが消えたように見えることがありますが、表示モードが変わっただけなのでデータ自体は残っています。慌てず確認しましょう。
## 不具合回避でOutlookのバージョンを過去へ戻す手順

次は、UIの話ではなく「アップデートしたら検索ができなくなった」「動作が不安定になった」といった、具体的な不具合を解消するために、Outlook(Office)のバージョン自体を過去のビルドに戻す方法について解説します。
### コマンド実行でバージョンを戻す方法
現在のOffice(Click-to-Run形式)は、コントロールパネルから簡単に「更新のアンインストール」ができません。そのため、「OfficeC2RClient.exe」というプログラムにコマンドで命令を送る必要があります。
まず、コマンドプロンプトを管理者として実行し、以下のコマンドでディレクトリを移動します。
cd %ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\ClickToRun</p>
次に、戻したいバージョンのビルド番号を指定して更新を実行します。例えば、安定していた過去のバージョンに戻すなら以下のような形式です。
OfficeC2RClient.exe /update user updatetoversion=16.0.xxxxx.yyyyy
「xxxxx.yyyyy」の部分には、Microsoftの公式サイトで確認した過去のビルド番号が入ります。「16.0.」を付け忘れると動かないので注意してくださいね。
### ODTツールを利用したダウングレード
コマンド操作がうまくいかない場合や、社内の複数台のPCを一括で戻したい場合は、「Office Deployment Tool (ODT)」を使用する方法があります。これはマイクロソフトが提供している展開ツールです。
「config.xml」という設定ファイルを作成し、そこにターゲットとなるバージョン(TargetVersion=”16.0.xxxxx.yyyyy”)を記述します。その後、setup.exeコマンドを使ってこの構成ファイルを読み込ませることで、インストール済みのOfficeを指定したバージョンに強制的に同期させることができます。少し上級者向けですが、破損したOfficeの修復も兼ねられる強力な方法です。
### 自動更新を停止して再発を防止する
苦労してバージョンを戻しても、そのままでは翌朝には自動更新でまた最新版(不具合のある版)に戻ってしまいます。これを防ぐために、必ず自動更新を停止しましょう。
Outlookの「ファイル」タブから「Officeアカウント」を開き、「更新オプション」の中にある「更新を無効にする」をクリックします。さらに念を入れるなら、Windowsのタスクスケジューラにある「Office Automatic Updates 2.0」というタスクを無効化しておくと安心です。
不具合の修正版がリリースされるまでの間は、この設定で「逃げる」のが賢明な判断です。定期的に情報をチェックして、修正されたら更新を再開しましょう。
### データ破損リスクとプロファイル作成
バージョンを「戻す」操作にはリスクも伴います。特に注意したいのが、Outlookのプロファイル(メール設定やデータの塊)の不整合です。新しいバージョンで作られたプロファイルを古いバージョンで読み込もうとすると、エラーが発生することがあります。
もし起動時にエラーが出た場合は、無理に修復しようとせず、コントロールパネルの「Mail」から新しいプロファイルを作成し、メールアカウントを設定し直すのが最も近道です。IMAPやExchangeを使用していれば、メールデータはサーバーにあるので心配ありません。
### Outlookのバージョンを安全に戻す要点

最後に、Outlookのバージョンを戻す際の重要なポイントをまとめます。UIの問題であれ不具合対応であれ、現状の環境を変える操作にはリスクが伴います。必ずデータのバックアップを意識してから作業に入ってください。
- UIを戻す場合:まずはトグルスイッチを確認。ダメならレジストリの「UseNewOutlook」を「0」に変更する。
- 不具合で戻す場合:「OfficeC2RClient.exe」コマンドで特定のビルド番号を指定してダウングレードする。
- 再発防止:作業後は必ず「自動更新を無効」にして、勝手に元に戻らないようにブロックする。
- Macユーザー:Office 2024などの新しいライセンスでは、Legacyモードが使えない可能性があることを知っておく。
Outlookは毎日の業務に欠かせないツールです。この記事の手順を参考に、ご自身にとって最も快適で安定した環境を取り戻してください。もし不安な場合は、システム管理者に相談することをお勧めします。

