いつものようにメールチェックをしようとしたら、画面の見た目がガラッと変わっていて驚いたことはありませんか。使い慣れた機能が見当たらなかったり、動作が重かったりと、仕事に支障が出て困っている方も多いはずです。Windows11を使っている場合や、Mac環境でOutlookを旧バージョンに戻す方法を探しているけれど、設定が見つからない、あるいは一度戻しても勝手に新しいバージョンに切り替わってしまうという悩みは深刻ですよね。さらに、いつまで元の画面を使えるのかという期限についても気になるところです。この記事では、そんな「勝手に変わってしまったOutlook」に振り回されている方に向けて、元の快適な環境を取り戻すための具体的な手順を解説していきます。

- トグルスイッチが見当たらない場合の対処法
- レジストリを操作して強制的に元に戻すテクニック
- Mac版で従来のOutlookを使用するための設定
- 新しいOutlookを使う際のプライバシーとセキュリティの注意点
Outlookを旧バージョンに戻す標準的および強制的な対処法
ここでは、画面上の簡単な操作で戻す方法から、システムの設定を直接書き換えて強制的に旧バージョンを維持する高度なテクニックまで、あらゆる手段を網羅して解説します。状況に合わせて最適な方法を試してみてくださいね。
トグルスイッチがない場合の復元手順
一番簡単なのは、画面の右上にある「新しいOutlook」というトグルスイッチをオフにすることですよね。でも、「そもそもそんなスイッチが表示されていない!」というケースが結構あります。これは、Officeの更新チャンネルや企業ポリシーによって隠されている場合が多いんです。
まず試してほしいのが、ヘルプメニューからの操作です。リボンメニューの「ヘルプ」タブを開いてみてください。そこに「従来のOutlookに戻す」といった項目があれば、それをクリックするだけで解決します。
「新しいOutlook」は、実はこれまでのOutlookとは全く別のアプリ(アプリストアから入るWebベースのアプリ)です。トグルをオフにすることは、単に表示を変えるのではなく、新アプリを終了して旧アプリ(OUTLOOK.EXE)を起動し直す操作なんですよ。
もしヘルプメニューにも見当たらない場合は、何らかの理由で移行が完了してしまっている可能性があります。その場合は、後述するレジストリ操作やアプリのアンインストールが必要になってきます。
レジストリ操作で勝手に変わるのを防ぐ
「スイッチで戻したはずなのに、PCを再起動したらまた新しいOutlookになっていた…」というイタチごっこに疲れていませんか? そんな時は、Windowsの深層部であるレジストリを編集して、システムの挙動を固定してしまうのが一番確実です。
具体的には、「UseNewOutlook」という設定値を書き換えます。
レジストリ操作の手順(自己責任で行ってください)
- 「Winキー + R」を押して「regedit」と入力し、実行します。
- 以下のアドレスへ移動します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook\Preferences - 「UseNewOutlook」という項目を探し、その値を「0」に変更します。(なければDWORD値として新規作成)
値を「0」にすることで、システムに対して「旧バージョンのOutlookを優先して起動せよ」と命令することになります。さらに、「HideNewOutlookToggle」という値を作成して「1」に設定すれば、あの誘惑的な「新しいOutlookを試す」というトグルスイッチ自体を画面から消し去ることも可能です。
戻しても戻る無限ループの解決策
レジストリをいじっても、なぜか新しいOutlookが立ち上がってしまう、あるいは「新しいOutlookへようこそ」という画面でループしてしまう現象に遭遇することがあります。これは本当に厄介ですよね。
原因の一つとして考えられるのが、ユーザープロファイル内に残った「移行フラグファイル」の存在です。Outlookは移行の過程で、いくつかの一時ファイルやキャッシュを作成します。これらが残っていると、レジストリの設定よりも優先して「移行途中」と判断されてしまうことがあるんです。
この場合、一度Outlookを完全に終了させてから、以下のフォルダを確認してみてください。
%localappdata%\Microsoft\Outlook
この中にある設定ファイル以外のキャッシュファイルや、最近更新された怪しい一時ファイルを整理することで、ループから抜け出せることがあります。ただし、大切なメールデータ(PSTファイル)を誤って消さないように細心の注意を払ってくださいね。
アプリ設定から新しいOutlookを削除する
実は「新しいOutlook」は、従来のOfficeソフトとは異なり、Windowsストアアプリとしてインストールされています。つまり、「新しいOutlook」というアプリ単体をWindowsから削除してしまえば、物理的に起動しようがなくなるわけです。
これは意外と盲点で、かつ強力な方法です。
- Windowsの「設定」>「アプリ」>「インストールされているアプリ」を開きます。
- 検索窓に「Outlook」と入力します。
- アイコンに「NEW」や「PRE」と書かれた「Outlook (new)」が見つかるはずです。
- 右側のメニューから「アンインストール」を選択します。
これを実行しても、元々の青いアイコンの「Outlook (Classic)」は消えません。両者は完全に別のプログラムだからです。邪魔な「新顔」を追い出すことで、平和な環境を取り戻しましょう。
コマンドでアップデート前の状態へ復元
「Outlook自体のバージョンアップで不具合が出たから、先月の状態に戻したい」という場合もありますよね。特に、特定の更新プログラムが原因でメールが見られなくなったり、動作がおかしくなったりした場合は、この方法が有効です。
Windowsには、Officeを特定のバージョン(ビルド)にタイムスリップさせるコマンドが存在します。
管理者権限のコマンドプロンプトで実行します
cd %ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\ClickToRun</code>
OfficeC2RClient.exe /update user updatetoversion=16.0.xxxxx.yyyyy
16.0.xxxxx.yyyyyの部分には、戻したい日付のビルド番号が入ります。Microsoftの更新履歴ページで安定していた頃の番号を調べて入力することで、その時の状態にシステムを巻き戻せます。作業後は、また勝手に更新されないように、Outlookのアカウント設定から「更新を無効にする」を選んでおくのを忘れないでくださいね。
環境別にOutlookを旧バージョンに戻す際のリスクと対策

単に「前の画面に戻ればOK」というわけではありません。新旧のバージョンには、裏側の仕組みに大きな違いがあり、特にMacユーザーやPOPメールを使っている方には無視できないリスクや期限が存在します。ここでは、それぞれの環境特有の注意点を深掘りします。
Mac版でレガシー設定を有効化する
Macを使っている方の場合、状況はWindowsよりも少しシビアです。Mac版の「従来のOutlook(Legacy Outlook)」は、メニューバーの「Outlook」メニューや「ヘルプ」メニューの中に「従来のOutlookに戻す」というオプションが隠れていることが多いです。
もしこれが見当たらない場合は、ターミナルを使って設定を強制的に書き換える必要があります。
Macのターミナルコマンド
defaults write com.microsoft.Outlook EnableNewOutlook -Integer 1
このコマンドを実行後にアプリを再起動すると、トグルスイッチが復活するはずです。ただし、Macユーザーには「2026年10月の壁」が迫っていることを知っておいてください。従来のMac版Outlookが使用している通信方式(EWS)がこの時期に廃止される予定のため、それ以降は強制的に新しいOutlookへ移行するか、別のメールソフトを探す必要が出てきます。
クラウド同期の強制とプライバシーの懸念
私が個人的に最も気になっているのが、この点です。新しいOutlookでGmailやYahooメールなどの他社アカウントを使おうとすると、「Microsoft Cloudと同期」することに同意を求められます。
これ、何気なく「はい」を押しているかもしれませんが、仕組みとしてはMicrosoftのサーバーにあなたのメールパスワードとデータを預けているのと同じことなんです。従来のOutlookはPCとメールサーバーが直接やり取りしていましたが、新しいOutlookではMicrosoftのサーバーが仲介に入ります。
ここがリスク!
企業の機密情報やプライバシーに関わる重要なメールを扱っている場合、データが意図しない場所に複製・保存されることになります。コンプライアンス的に問題になる可能性もあるため、安易な移行は避けたほうが無難かもしれません。
POPアカウントの不具合とPSTの保護
昔からOutlookを使っている方の中には、POP設定でメールを受信し、PSTファイルでデータを管理している方も多いでしょう。しかし、新しいOutlookはこの「PSTファイル」の扱いが非常に苦手です。現時点では完全なサポートとは言い難く、インポートはできても、これまでのように自由自在に扱うことはできません。
さらに、最近のWindows Update(特に2026年初頭のKB5074109など)の影響で、POPアカウントとPSTファイルを使っている環境において、Outlookがフリーズしたり終了できなくなったりする不具合も報告されています。これはOneDriveの同期プロセスとPSTファイルが競合してロックされてしまうことが原因のようです。
この問題を避けるためにも、PSTファイルをOneDriveの同期対象外フォルダ(C:\OutlookFiles</code>など)に移動させるか、安定していた旧バージョンに戻して運用を続けるのが賢明な判断と言えるでしょう。
メールリンクが新版で開く既定値の変更
「せっかく苦労して旧バージョンに戻したのに、Webサイトのメールアドレスをクリックしたら、また新しいOutlookが立ち上がった!」という経験はありませんか? これは、Windowsの「既定のアプリ」設定が新しいOutlookに乗っ取られたままになっているからです。
Windowsの設定メニューから「既定のアプリ」を開き、「メール」または「MAILTO」というプロトコルの設定を確認してください。ここが「Outlook (new)」になっていたら、装飾のない青いアイコンの「Outlook(classic)」に変更しましょう。
アイコンが似ているので紛らわしいですが、「PRE」や「NEW」というバッジが付いていない方が、私たちが求めている「いつものOutlook」です。
Outlookを旧バージョンに戻す選択と将来の展望
ここまで、なんとかして旧バージョンに戻す方法をお伝えしてきましたが、最後に少し先の未来の話をさせてください。Windows版のClassic Outlookも、2029年にはサポートが終了する予定です。
つまり、「戻す」という対処法は、あくまで数年間の時間稼ぎに過ぎないのです。今のうちに旧バージョンで業務を回しつつも、将来的には機能が改善された新しいOutlookに移行するのか、それともThunderbirdのような全く別のメールソフトに乗り換えるのか、少しずつ検討を始めておくのが良いかもしれませんね。
それでも、現時点での使いやすさと安定性を取って「今は戻す」という選択をするのは、決して間違いではありません。自分のペースで、最適なメール環境を守っていきましょう。

