昨日まで普通に使えていたOutlookが急に起動しなくなり、画面に「データファイルが見つかりません」なんてエラーメッセージが表示されたら、誰だって焦りますよね。毎日の業務で使うメールが見られないのは本当に死活問題ですし、ファイルが勝手に「場所」を移動してしまったのか、それともうっかり自分で「削除」してしまったのか、あるいはファイル自体が「開けない」ほど壊れてしまっているのか…。特に「0x8004010F」のような見慣れないエラーコードまで出てくると、もうお手上げだと感じる方も多いかなと思います。でも、安心してください。この現象には、現代のWindows環境特有の明確な原因と、私たちが実践できる確実な対処法が存在します。

- エラーの最大の元凶であるOneDriveとの同期トラブルについて理解できる
- 厄介なエラーコード0x8004010Fが表示された際の正しい対処法がわかる
- 隠れた修復ツールSCANPSTを使ったデータファイルの復旧手順を実践できる
- 新しいOutlookへの切り替えで消えてしまったファイルの行方と対策がわかる
Outlookデータファイルが見つかりませんと出る原因
このエラーが出たとき、パソコンの中で一体何が起きているのでしょうか。単純にファイルが消えたというよりは、Outlookが「あるはずの場所にファイルがない!」と慌てている状態と言えますね。ここでは、なぜそんな食い違いが起きてしまうのか、主な原因を私の経験に基づいて解説します。
OneDrive同期によるデータファイルの場所移動
これ、本当によくあるトラブルなんですが、最近のWindowsパソコンを使っている方の多くが、知らず知らずのうちにこの罠にハマっています。原因は、Windows 10や11に標準搭載されている「OneDrive」のバックアップ機能です。
通常、Outlookのデータファイル(PSTファイル)は「ドキュメント」フォルダの中に保存されています。ところが、OneDriveのセットアップ時に「ドキュメントフォルダをバックアップする」という設定が有効になっていると、このフォルダの中身がまるごとOneDriveのクラウドフォルダ内(C:\Users\ユーザー名\OneDrive\Documents...)へ強制的に移動されてしまうんです。
Outlookの設定上は「元の場所」を参照しようとしているのに、ファイルの実体は「OneDriveの中」に移動してしまっている。この「住所の不一致」が、エラーの最大の原因です。
さらに厄介なのが、OneDriveが一生懸命ファイルをクラウドにアップロードしようとしてファイルを「ロック」してしまうこと。Outlookがファイルを開こうとした瞬間にOneDriveがそのファイルを掴んでいると、アクセス権の競合が起きて「見つかりません(アクセスできません)」となってしまうわけです。
エラー0x8004010Fが表示されるプロファイルの破損
もし画面に「0x8004010F」という暗号のようなエラーコードが表示されているなら、それは単なるファイルの移動だけが原因ではないかもしれません。これは、Outlookの「プロファイル」という司令塔のような部分が破損しているサインです。
プロファイルには、「どのアカウントのメールを、どのデータファイルに保存するか」という紐づけ情報が記録されています。Windows UpdateやOfficeの更新のタイミングで、稀にこの紐づけ情報がおかしくなってしまうことがあるんですね。こうなると、いくら正しい場所にファイルがあっても、司令塔であるプロファイルがその場所を認識できなくなっているので、エラーが解消されません。
データファイルが破損して開けないケースの分析
ファイル自体はあるけれど、その中身が壊れてしまっているケースも無視できません。Outlookのデータファイル(PSTやOST)は、巨大なデータベースのような構造をしています。そのため、Outlookが動いている最中にPCの電源をブチっと切ったり、停電で強制終了したりすると、データの書き込みが中途半端になって内部構造に矛盾が生じることがあります。
昔からOutlookを使っている方で、ファイル形式が古い(Outlook 97-2002形式)まま使い続けている場合、ファイルサイズが2GBを超えると一発で破損します。現代のメール量で2GBなんてあっという間ですから、これも要注意ですね。
新しいOutlookへの切り替えによるファイル消失
最近、「Outlookを起動したら見た目が全然違う画面になって、過去のデータファイルが消えた!」という相談が増えています。これは、Windows標準のメールアプリが「新しいOutlook(New Outlook)」に置き換わったことが原因ですね。
実はこの「新しいOutlook」、中身はWeb版のOutlookに近い別のアプリで、従来のOutlook(Classic Outlook)とは仕組みが全く異なります。リリース当初はPSTファイルを直接開く機能自体がなかったので、切り替えた瞬間に過去の保存メールが見えなくなってしまい、「データファイルが消滅した」と勘違いしてしまう方が続出しました。厳密には消えたわけではなく、新しいアプリがそのファイルを読み込めないだけなんです。
Outlookのデータファイルを削除した際のリスク
「エラーが出るなら、いっそファイルを削除して作り直せばいいのでは?」と考えるチャレンジャーな方もいるかもしれません。でも、ちょっと待ってください。削除していいファイルと、絶対にダメなファイルがあります。
| ファイルの種類 | 削除しても大丈夫? | 理由 |
|---|---|---|
| OSTファイル | OK(比較的安全) | サーバーにあるデータのコピー(キャッシュ)なので、削除しても再起動すれば自動で作られます。 |
| PSTファイル | 絶対NG! | パソコン本体にしかデータがありません。削除すると過去のメールや連絡先が永遠に消えます。 |
POP接続でメールを受信している場合、データはPSTファイルに入っています。これを削除することは、これまでの受信トレイをゴミ箱に入れて空にするのと同じこと。取り返しがつかないので、種類の見極めは慎重に行いましょう。
Outlookデータファイルが見つかりませんエラーの対処法

原因が見えてきたところで、ここからは具体的な解決策をステップバイステップで進めていきましょう。焦らず順番に試していけば、多くの場合は復旧できるはずです。
OneDriveのバックアップ設定を解除する手順
一番多い原因であるOneDriveの干渉を止めるのが、現代のOutlookトラブルにおける鉄則です。まずはファイルが勝手に移動されていないか確認し、設定を見直しましょう。
まず、エクスプローラーでC:\Users[ユーザー名]\OneDrive\Documents\Outlook Filesという場所を覗いてみてください。もしここにPSTファイルがあったら、OneDriveが原因で確定です。
- Outlookを完全に終了させます。
- OneDrive内のPSTファイルを、OneDriveの影響を受けない別の場所(例:
C:\OutlookDataなど)にコピーして退避させます。 - タスクバーの雲のアイコン(OneDrive)をクリックし、設定から「バックアップの管理」を開きます。
- 「ドキュメント」フォルダのバックアップ(同期)を停止します。
ファイルを安全な場所に移動したら、Outlookを起動して「ファイルが見つかりません」の画面で「OK」を押し、移動先の新しい場所を指定してあげれば、リンクが再設定されて復活するはずです。
データファイルの場所を特定し正しく再配置する
「そもそもファイルがどこにあるかわからない」という場合は、Windowsの検索機能を使わずに、デフォルトの保存場所を直接見に行くのが手っ取り早いです。隠しファイルになっていることもあるので、エクスプローラーの表示設定で「隠しファイル」にチェックを入れるのを忘れずに。
- PSTファイル(POP/アーカイブ)の場合:
C:\Users[ユーザー名]\Documents\Outlook Files(OneDrive使用時は
OneDrive\Documentsの中も確認) - OSTファイル(IMAP/Exchange)の場合:
C:\Users[ユーザー名]\AppData\Local\Microsoft\Outlook
もしファイルが見つかったけれど、Outlookがそれを認識していない場合は、コントロールパネルの「Mail」設定から「データファイル」タブを開き、正しいパスを指定し直すのが正攻法です。
SCANPSTを利用してファイルの破損を修復する
ファイルの場所は合っているのに開けない場合は、Microsoft純正の隠しコマンド的なツール「受信トレイ修復ツール(SCANPST.EXE)」の出番です。これ、Officeのインストールフォルダの奥深くにひっそりと入っているんですよね。
バージョンによって場所が微妙に違うのですが、だいたい以下のパスに潜んでいます。
C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16</code> (Outlook 2016以降の場合)
このフォルダの中にあるSCANPST.EXEを見つけて右クリックし、「管理者として実行」してください。あとは壊れたデータファイルを選択して「修復」ボタンを押すだけ。修復前には必ずバックアップを作成するオプションにチェックを入れておきましょうね。一度で直らなくても、数回繰り返すと直ることがあるので諦めずにトライです。
新しいプロファイルを作成してエラーを解消する
何をやってもダメ、あるいはあの「0x8004010F」エラーが出ている場合は、既存の設定を修正するよりも、新しく作り直したほうが早くて確実です。「プロファイルの再作成」という作業を行います。
- コントロールパネルから「Mail (Microsoft Outlook)」を開きます。
- 「プロファイルの表示」をクリックし、「追加」ボタンで新しい名前(OutlookNewなど)を入力します。
- メールアカウントの設定画面が出るので、再度メールアドレスとパスワードを入力します。
- 【超重要】 POPアカウントの場合は、「既存のOutlookデータファイルを使用する」を選んで、バックアップしておいたPSTファイルを指定してください。これをしないとメールが空っぽの状態で始まってしまいます。
最後に「常に使用するプロファイル」を新しく作ったものに切り替えて完了です。これで、綺麗な状態のプロファイルでOutlookが起動するようになります。
Outlookデータファイルが見つかりませんの対策まとめ

ここまで、Outlookデータファイルが見つからないトラブルの原因と対策を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。最後に要点をまとめておきますね。
- まずはOneDriveの仕業を疑うこと。勝手にドキュメントフォルダが移動されている可能性が高いです。
- エラー0x8004010Fが出たら、プロファイルの再作成が一番の近道。
- ファイル修復には純正ツールのSCANPST.EXEを活用する。
- 「新しいOutlook」でファイルが消えたと思ったら、画面右上のスイッチで従来のOutlookに戻してみる。
メールは大切な資産ですから、トラブルが起きると本当に冷や汗ものですが、仕組みさえ分かれば恐れることはありません。まずは焦らず、ファイルの所在確認から始めてみてくださいね。

