Outlookで作成したメールの署名が、相手に届いた際に文字化けしてしまい、どうしたら良いかお困りではありませんか。大切なビジネスメールの送信時に署名の表示が崩れると、特定の宛先に対して意図しない印象を与えてしまわないか心配になります。
この問題について、なぜ文字化けするのか、その原因の多くはメールの送受信で使われるエンコード方式、特にUTF-8の扱いや、根本的な署名設定にあります。しかし、専門用語が多く、試してみてもなかなか直らないと感じる方も少なくありません。
この記事では、outlook 署名 文字化けが起こる根本的な原因から、誰でも簡単に試せる直し方までを、手順を追って具体的に解説します。
この記事を読むことで、以下の点について理解を深めることができます。
- Outlookの署名が文字化けする根本的な原因
- 文字コード(エンコード)の正しい設定方法
- テキスト形式とHTML形式の違いと適切な対処法
- 文字化けを未然に防ぐための署名作成の注意点
outlook 署名 文字化けが起こる主な原因

- なぜ署名は文字化けするのか
- 文字エンコードの不一致が原因
- 署名の表示が崩れるパターン
- メールの送信時に化ける理由
- 特定の宛先で文字化けする場合
なぜ署名は文字化けするのか
そもそも、メールの署名や本文が文字化けするのは、メールを「送る側」と「受け取る側」で、文字を認識するためのルールが異なっていることが根本的な理由です。
コンピューターは、私たちが使う「あ」や「A」といった文字を直接理解しているわけではありません。それぞれの文字を「0」と「1」で構成される固有の数値(コード)に一度変換して処理し、表示する際に再び文字へ戻しています。この変換ルールのことを「文字コード」や「エンコード」と呼びます。
この変換ルールが送信側と受信側で異なっていると、受信側のコンピューターは送られてきた数値を正しく文字に戻すことができません。その結果、意図しない記号の羅列や、まったく意味の異なる文字として表示されてしまうのです。これが文字化けの正体です。特に、半角カタカナや特殊な記号、旧字体の漢字などは、文字コードの種類によって扱われ方が異なるため、文字化けの直接的な原因となりやすいと考えられます。
文字エンコードの不一致が原因
Outlookの署名で発生する文字化けにおいて、最も一般的で中心的な原因が、この文字エンコードの不一致です。メールで利用されるエンコードには、いくつかの種類が存在します。
代表的なものとして、「UTF-8」「Shift_JIS」「ISO-2022-JP(通称JIS)」などが挙げられます。これらはそれぞれ、扱える文字の範囲や変換の仕組みに違いがあります。
主なエンコード形式の比較
エンコード形式 | 特徴 | 注意点 |
UTF-8 | 世界中のほとんどの言語に対応しており、現在の国際標準。 | ごく一部の古いシステムでは対応していない場合がある。 |
Shift_JIS | 従来のWindows日本語環境で標準的に使われてきた。 | 半角カナや機種依存文字の扱いに問題が出やすい。 |
ISO-2022-JP(JIS) | 古くから利用されている日本語のエンコード。 | 扱える文字の種類が限られており、特殊記号はほぼ使えない。 |
Outlookは、メールを送信する際に自動でエンコードを選択する機能を持っていますが、この自動選択が受信者側のメールソフトやシステムの環境と合致しない場合に、文字化けという問題が発生します。例えば、署名に「①」や「㈱」といった機種依存文字を使用した場合、送信側では問題なく見えていても、受信側のメールソフトがその文字を解釈できないエンコードで開いてしまうと、「?」や「□」といった記号に置き換わってしまうのです。
署名の表示が崩れるパターン
Outlookの署名で文字化けが起こる際、その表示のされ方にはいくつかの典型的なパターンがあります。どのような崩れ方をしているかによって、原因をある程度推測することも可能です。
一つ目は、署名に含まれる日本語全体が、まったく意味の分からないアルファベットや記号の羅列に変わってしまうケースです。例えば、「株式会社」という文字が「æ 株式会社
」のように表示されることがあります。これは、エンコード形式が根本的に異なっている場合に発生しやすい現象です。
二つ目は、署名の一部の文字だけが「?」や「□」に置き換わってしまうパターンです。これは、前述の通り、丸付き数字や単位記号といった「機種依存文字」を使用している場合に多く見られます。その特定の文字だけが、相手の環境に存在する文字コードのルールに含まれていないために起こります。
三つ目は、文字自体は読めるものの、署名のレイアウトが崩れてしまうケースです。設定したはずの改行が無視されて一行に繋がってしまったり、意図しないスペースが挿入されたりします。これは、メールの形式が「HTML形式」と「テキスト形式」で異なることや、双方のメールソフトの仕様の違いが原因で発生することがあります。
メールの送信時に化ける理由
文字化けが、メールの送信時に発生する場合、その原因は主に送信者側、つまりご自身のOutlookの設定に起因していると考えられます。
最も一般的なのは、メールの作成形式の設定です。Outlookでは、メールを「HTML形式」と「テキスト形式」のいずれかで作成できます。HTML形式は、文字の色やサイズを変えたり、画像を埋め込んだりと豊かな表現が可能ですが、その分、受信側の環境によっては正しく表示されないリスクが伴います。
一方でテキスト形式は、文字情報のみで構成されるため、どのような環境でも表示崩れが起きにくいというメリットがあります。しかし、書式に関する情報を持たないため、署名に設定したデザインやフォントが反映されず、受信側では標準のテキストとして表示されます。もし送信時に意図せずテキスト形式で送られていると、レイアウトが崩れる原因となります。
また、Outlookがメール送信時に優先して使用するエンコードの設定が、受信者の環境に適していない場合も文字化けを引き起こします。例えば、社内では問題なくても、海外の取引先や異なるシステムを利用している相手に送った場合に、問題が顕在化することがあります。
特定の宛先で文字化けする場合
不特定の相手ではなく、いつも同じ特定の宛先に送ったメールの署名だけが文字化けする場合、原因は受信者側の環境にある可能性が高いです。
例えば、相手が利用しているメールソフトが非常に古いバージョンであったり、HTML形式のメールの表示に標準で対応していなかったりするケースが考えられます。また、企業や組織によっては、セキュリティ対策のために外部から受信したメールの書式情報を強制的に削除したり、特定のエンコードに統一したりするメールサーバーやセキュリティゲートウェイを導入している場合があります。
このような受信者側の環境が原因である場合、送信者側でできる対策は限られてしまいます。しかし、全く打つ手がないわけではありません。対策として、その特定の相手に送る時だけ、メールの形式を互換性の高い「テキスト形式」に変更したり、送信エンコードを世界標準である「UTF-8」に設定して送ったりすることで、問題が解消される可能性があります。相手に設定の変更をお願いするのは難しいため、まずは送信者側でできる配慮を試みることが大切です。
outlook 署名 文字化けの具体的な解決策

- 文字化けしたらどうしたら良い?
- 基本的な文字化けの直し方
- エンコードをUTF-8に設定する
- 正しい署名設定のポイント
- それでも直らない時の対処法
- outlook 署名 文字化けを防ぐための総まとめ
文字化けしたらどうしたら良い?
Outlookの署名で文字化けに遭遇した際、まず行うべきことは、焦らずに問題の切り分けをすることです。文字化けと一言でいっても、「自分が受け取ったメールの署名が化けている」のか、それとも「自分が送ったメールの署名が相手の環境で化けていると報告された」のかで、対処法が大きく異なります。
自分が受信したメールが文字化けしている場合は、ご自身のOutlook上で表示エンコードを変更することで、一時的に正しく表示できる可能性があります。これは、あくまで受信者側でできる応急処置です。
一方で、送信したメールが相手側で文字化けしている場合は、ご自身のOutlookの送信設定や署名の作り方そのものに原因があると考えられます。この場合は、根本的な設定を見直す必要があります。
どちらのケースに当てはまるかを確認し、これから紹介する具体的な手順を一つずつ落ち着いて試してみてください。多くの場合、設定の見直しによって問題は解決に向かいます。
基本的な文字化けの直し方
ここでは、自分が受信したメールの署名や本文が文字化けして読めない場合の、基本的な直し方を解説します。この方法は、あくまで受信者側で行う一時的な表示の修正です。
エンコードを変更する手順
- まず、文字化けしているメールをダブルクリックして、新しいウィンドウで開きます。
- 開いたメールウィンドウの上部にあるメニューから「メッセージ」タブが選択されていることを確認します。
- リボンメニューの中にある「移動」というグループを探し、その右下にある「その他の移動アクション」(封筒に矢印が付いたアイコン)をクリックします。
- 表示されたメニューから「その他のアクション」にカーソルを合わせ、さらに「エンコード」を選択します。
- エンコードのリストが表示されたら、まずは「日本語 (自動選択)」をクリックして、文字化けが解消されるか確認します。
多くの場合、この「日本語 (自動選択)」で正しく表示されますが、もし解消されない場合は、再度同じ手順で「その他」を選択し、リストの中から「Unicode (UTF-8)」や「日本語 (シフトJIS)」などを順番に試してみてください。
この操作で正しく表示されたとしても、それは一時的な対処に過ぎません。同じ送信者から送られてくるメールが常に文字化けする場合は、送信者側にエンコード設定の見直しを依頼する必要があるかもしれません。
エンコードをUTF-8に設定する
自分の送るメールが原因で相手に文字化けを発生させないためには、送信メールのエンコード設定をあらかじめ見直しておくことが極めて有効な対策となります。現在、最も標準的で推奨されるエンコードは「Unicode (UTF-8)」です。UTF-8は、日本語だけでなく世界中のほとんどの言語を一つのルールで扱うことができるため、国内外問わず、さまざまな環境とのやり取りで文字化けが起こるリスクを大幅に低減できます。
Outlookで送信エンコードをUTF-8に変更する手順
- Outlookのメインウィンドウで、左上にある「ファイル」タブをクリックします。
- 表示された画面の左下にある「オプション」を選択します。
- 「Outlookのオプション」ウィンドウが開いたら、左側のメニューから「詳細設定」をクリックします。
- 右側の設定項目を下にスクロールしていくと、「文字設定オプション」というセクションがあります。
- 「送信メッセージで優先使用するエンコード方法」というドロップダウンリストをクリックし、一覧から「Unicode (UTF-8)」を選択します。
- 最後に、ウィンドウ右下の「OK」ボタンをクリックして設定を保存します。
この設定を行うことで、今後あなたが送信するメールは、原則としてUTF-8でエンコードされるようになります。
ただし、注意点として、取引先が非常に古いシステムを利用しているなど、ごく稀なケースでは、従来の「日本語 (JIS)」を指定した方が良い場合も存在します。もし特定の相手との間で問題が続くようであれば、状況に応じて設定を使い分けることも考慮に入れると良いでしょう。
正しい署名設定のポイント
文字化けの原因はエンコード設定だけにあるとは限りません。Outlookで署名を作成する際の、作り方そのものに問題が潜んでいるケースも少なくありません。文字化けのリスクを根本から減らすためには、署名自体をシンプルかつクリーンに保つことが鍵となります。
要するに、署名は見た目の装飾よりも、どのような環境でも正しく表示される普遍性を優先して作成するべき、ということです。
機種依存文字や半角カタカナを避ける
まず、署名の中には「機種依存文字」を一切使用しないように徹底してください。「㈱」「㍻」「№」「①」といった記号や丸付き数字は、特定のOSやフォントでしか正しく表示されない代表例です。これらは必ず「(株)」「平成」「No.」「(1)」のように、誰の環境でも表示できる文字の組み合わせで代替します。 また、「半角カタカナ」も文字化けの主要な原因の一つです。電話番号や住所などに含まれるカタカナは、必ず「全角カタカナ」で入力するようにしてください。
書式をクリアしてから作成する
WebページやWord文書から、見栄えの良い会社名や住所のテキストをコピーして、そのまま署名欄に貼り付けている場合、注意が必要です。目には見えない複雑な書式情報(HTMLタグ)が一緒にペーストされてしまい、これが文字化けやレイアウト崩れを引き起こすことがあります。 署名にテキストを貼り付ける際は、一度「メモ帳」などのプレーンテキストエディタにペーストして、不要な書式情報をすべてクリアしてから、そのテキストをOutlookの署名欄にコピーし直す、という一手間を加えるだけで、トラブルを大幅に防ぐことができます。
それでも直らない時の対処法
ここまで解説したエンコード設定の見直しや、署名の作り方の改善を試しても、なお文字化けが解消されない場合は、他の要因が関係している可能性が考えられます。いくつかの追加のチェック項目を確認してみましょう。
一つ目は、Outlookアプリケーション自体が最新の状態であるかを確認することです。古いバージョンのまま使用していると、最新のエンコード規格に対応できていなかったり、既知の不具合が修正されていなかったりする場合があります。「ファイル」→「Office アカウント」→「更新オプション」から、最新の更新プログラムが適用されているかを確認し、必要であればアップデートを実行してください。
二つ目に、Officeの修復機能を試す方法があります。Outlookのプログラムファイルの一部が破損している可能性もゼロではありません。Windowsの「設定」→「アプリ」からMicrosoft Officeを探し、「変更」→「クイック修復」または「オンライン修復」を実行することで、問題が解決することがあります。
また、文字化けが特定のメールの返信を繰り返している場合にのみ発生するなら、一度、返信ではなく「新規作成」でメールを書き直して送信してみてください。メールの返信を重ねるうちに、ヘッダー情報が複雑化し、エンコードの誤認識を引き起こすことがあるためです。
outlook 署名 文字化けを防ぐための総まとめ

この記事では、Outlookの署名が文字化けする原因と、その具体的な解決策について詳しく解説しました。最後に、outlook 署名 文字化けを未然に防ぎ、快適なメール環境を維持するための重要なポイントをまとめます。
- 文字化けの主な原因は送信側と受信側のエンコード形式の不一致
- 機種依存文字(①、㈱など)は署名に使わない
- 半角カタカナは避け、必ず全角カタカナを使用する
- 署名作成時はメモ帳などで一度書式をクリアすると安全
- 送信メールの優先エンコードは「UTF-8」に設定することが推奨される
- メールの作成形式は「HTML形式」を基本にする
- 受信したメールが化けた場合は一時的にエンコードを変更して確認
- 特定の相手にだけ化ける場合は相手の環境が原因の可能性
- 相手が原因の場合はテキスト形式で送ると解消されることがある
- OutlookとOfficeを常に最新の状態にアップデートしておく
- 問題が続く場合はOfficeの修復機能を試す
- 返信の繰り返しで化ける場合は新規作成メールを試す
- 署名のデザイン性よりも、どの環境でも崩れない普遍性を優先する
- エンコードにはUTF-8、Shift_JIS、JISなど複数の種類があることを理解する
- 根本的な解決には送信者側の設定見直しが不可欠
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