エクセルでの標準偏差の出し方!関数使い分けから応用まで

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エクセルの標準偏差の出し方と基礎

データのばらつきを把握するために欠かせないのが「標準偏差」ですよね。
エクセルを使えば、複雑な計算も関数ひとつでサクッと出すことができます。
まずは、基本となる関数の使い方と、よくある疑問について整理していきましょう!

標準偏差

標準偏差を計算する関数の使い方

エクセルで標準偏差を計算する基本は、とってもシンプルです。
計算したいデータ範囲を指定して、関数を入力するだけ!

具体的には、計算結果を表示したいセルに「=STDEV.」から始まる関数を入力し、カッコの中にデータの範囲(例:A1:A10)を指定します。
これで、あっという間に標準偏差が算出されます。

関数名を手入力するのが面倒な方は、数式バーの横にある「fx」(関数の挿入)ボタンを使うのがおすすめです。
検索窓に「STDEV」と入力すれば、候補が出てくるので、あとは画面の案内に従って範囲を選択するだけでOKですよ。

ポイント
標準偏差を求める関数は複数ありますが、基本の操作手順はどれも同じです。
データを選択してEnterを押すだけなので、難しく考えなくて大丈夫です!

母集団の関数STDEV.Pの特徴

さて、ここからが少しややこしいところ。
エクセルには標準偏差を出す関数がいくつかあって、データが「母集団全体」なのか「標本(サンプル)」なのかで使い分けが必要なんです。

手元にあるデータが、調査したい対象のすべてを網羅している(全数データ)場合は、「STDEV.P」という関数を使います。
最後の「P」はPopulation(母集団)のPですね。

例えば、クラス全員のテストの点数や、ある日に製造した全ての製品のデータなどがこれに当たります。
対象データ全体の本当のばらつき(母分散の平方根)を、そのままストレートに計算してくれるのがこの関数の特徴です。

標本の関数STDEV.Sの役割

一方、手元にあるデータが、巨大な全体の中から「一部だけを抜き出したデータ(サンプル)」の場合は、「STDEV.S」関数を使います。
「S」はSample(標本)のSです。

例えば、全国の高校生の平均を知るために1,000人だけ調査したデータや、大量の製品から数個だけ抜き取って検査したデータなどが該当します。
一部のデータから全体像を推測するため、STDEV.Pよりも少しだけ結果が大きく(保守的に)出るように計算される仕組みになっています。

どっちを使えばいいか迷ったら?
ビジネスの実務では、手元のデータが本当に「全データ」だと断言できないケースが結構あります。
そんな時は、STDEV.S関数を使っておく方が安全(無難)だとされています。

文字列を含む場合の関数の使い分け

データの中に「欠席」といった文字や「TRUE/FALSE」などの論理値が混ざっていること、ありますよね。
通常の STDEV.P や STDEV.S 関数は、こういった文字列のセルを完全に無視(除外)して計算してくれます。

しかし、場合によっては「文字列を『0』として計算に含めたい」というケースもあるかもしれません。
そんな時に使うのが、末尾に「A(All)」が付いた「STDEVA(標本用)」や「STDEVPA(母集団用)」という関数です。

注意!
「欠席」を「0点」として計算に含めると、当然ながら標準偏差(ばらつき)の結果は大きく変わってしまいます。
意図せずにこれらの関数を使うと分析エラーの元になるので、自分がどういう基準で計算したいのかをしっかり確認してから使ってくださいね。

分散を求める関数と標準偏差の関係

標準偏差とセットでよく耳にする「分散」。
実は、標準偏差は「分散のルート(正の平方根)」という関係になっています。

エクセルには分散を直接求める関数も用意されていて、母集団なら「VAR.P」、標本なら「VAR.S」を使います。
(これもPとSの使い分けルールは同じです!)

もし、すでにどこかのセルで分散(VAR.Pなど)が計算されているなら、そのセルに対して =SQRT(分散のセル) とルートを計算してあげるだけでも、STDEV.P関数を使った時と全く同じ標準偏差を出すことができます。

エクセルの標準偏差の出し方と応用

標準偏差1

基本的な出し方が分かったところで、ここからはもう一歩踏み込んだ使い方をご紹介します。
エラーの回避や、グラフへの活用など、実務で「あるある!」と役立つテクニックをまとめました。

複数条件を指定して計算する方法

「営業部だけで計算したい」「売上〇〇円以上のデータだけで標準偏差を出したい」といったように、特定の条件で絞り込んで計算したいことって多いですよね。
合計を出すSUMIFS関数のような「STDEVIFS」という専用関数があれば便利なのですが、残念ながらエクセルには存在しません。

じゃあどうするかというと、いくつか方法はありますが、最近のエクセル(Microsoft 365など)を使っているなら「FILTER関数」との組み合わせが圧倒的に簡単でおすすめです!

例えば、B列が「営業部」のC列(売上)データの標準偏差(母集団)を出したい場合。
=STDEV.P(FILTER(C2:C100, B2:B100="営業部", ""))
このように、FILTER関数で抽出した結果を、そのままSTDEV関数のカッコの中に入れるだけで、複数条件の標準偏差がサクッと出せちゃいます。

エラーを無視して計算する手順

VLOOKUPなどで持ってきたデータに「#N/A」や「#DIV/0!」といったエラー値が混ざっていると、STDEV関数の結果までエラーになってしまいます。
これ、地味にストレスですよね。

エラーの元を直すのが一番ですが、手っ取り早くエラーを無視して標準偏差を計算したいなら「AGGREGATE(アグリゲート)関数」が最強です。
エラーの表示自体を消したい場合は、Excelの数式でVALUEやDIVのエラーが出た時にエラー修正用のインジケータを消す方法も併せて設定しておくとシートがスッキリしますよ。

エラーを無視する数式(標本の場合)
=AGGREGATE(7, 6, データ範囲)

最初の「7」が STDEV.S(標本)を表し、「6」がエラー値を無視するというオプションを意味しています。
(母集団の STDEV.P を使いたい場合は最初の数字を「8」にします。)
これで、エラーセルだけを上手く避けて計算してくれますよ!

グラフに誤差範囲を追加する手順

計算した標準偏差は、数字で見るだけでなく、棒グラフなどに「エラーバー(誤差範囲)」として追加すると、データのばらつきが視覚的にパッと伝わって資料の説得力が増します。

やり方は以下の通りです。

  1. あらかじめ、セルに平均値と標準偏差(STDEV関数)を計算しておく。
  2. 平均値で棒グラフを作成する。
  3. グラフを選択し、「+」ボタンから「誤差範囲」→「その他の誤差範囲オプション」を開く。
  4. 右側のメニューで「ユーザー設定」→「値の指定」をクリック。
  5. 「正の誤差の値」「負の誤差の値」の両方に、①で計算した標準偏差のセルを選択する。

エクセルのお任せ設定だと意図しない誤差範囲になることがあるので、必ず「自分で計算した標準偏差のセルを参照させる(ユーザー設定)」のが、正確なグラフを作るための鉄則です!
ちなみに、標準偏差ではなく「95%信頼区間」をグラフに表示させたい場合は計算方法が少し異なりますので、エクセルでの95%信頼区間の意味とグラフ作成手順をチェックしてみてくださいね。

ピボットテーブルで一括算出する

大量のデータを、店舗別や月別などに細かく分類して標準偏差を見たい場合は、関数を一つずつ組むよりピボットテーブルを使う方が圧倒的に早いです。

ピボットテーブルを作成したら、見たい数値を「値」エリアに入れます。
最初は「合計」や「個数」になっていると思うので、そこをクリックして「値フィールドの設定」を開きます。

集計方法のリストの中から「標本標準偏差(StDev)」または「標準偏差(StDevp)」を選べば、カテゴリごとに一気に標準偏差が算出されます。
全体像をザクッと掴みたい時の初期分析にとっても便利ですよ。

偏差値や正規分布の算出への応用

標準偏差を出せるようになると、もっと面白い分析ができるようになります。
その代表格が「偏差値」です。

偏差値は、「(自分のデータ - 平均値) ÷ 標準偏差 × 10 + 50」という計算式で求められます。
平均値と標準偏差さえ関数で出しておけば、この式に当てはめるだけで、そのデータが集団の中でどのくらいの位置にいるのか(優秀なのか、そうでないのか)を客観的に評価できるようになります。

また、データが「正規分布」という綺麗な山型のグラフになると仮定できれば、NORM.DIST関数を使って「この基準を満たすデータは何%あるか?」といった確率を予測することも可能です。
品質管理など少し専門的な分野になりますが、標準偏差を知っているからこそできる高度な分析ですね。
もし、標準正規分布を扱うための関数について詳しく知りたい方は、Excelで標準正規分布表を作成する方法(NORM.S.DIST)も参考になるかなと思います。

エクセルの標準偏差の出し方のまとめ

今回は、エクセルを使った標準偏差の出し方について、基本の関数から実践的なテクニックまで一気にご紹介しました。

「STDEV.P」と「STDEV.S」の使い分けや、エラーを無視する関数、グラフへの追加方法など、知っておくと業務の効率がグッと上がるポイントがいくつかありましたね。
データの「平均値」だけでは見えてこない、背後に隠れた「ばらつき」や「リスク」を客観的に見極めるために、ぜひ明日から標準偏差を活用してみてください!

※今回ご紹介した手順や関数の挙動は、ご使用のエクセルのバージョンによって一部異なる場合があります。
重要な分析を行う際は、計算結果が正しいかどうかの最終的な確認やご判断は、ご自身の責任で行っていただきますようお願いいたします。

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