2026年2月現在、多くのユーザーがWindows 11への無償アップグレードは終了したのかについて不安を感じているようです。実際にはWindows 10からWindows 11への移行に関しては、いつまでという明確な期限は設けられておらず、現在も条件を満たすパソコンであれば無料で実施することが可能です。しかしネット上にはWindows 7や8からのアップグレードに関する古い情報や誤解も混在しており、自分のPCが対象なのか判断に迷うこともあるでしょう。ここではマイクロソフトの公式情報に基づき、無償期間やシステム要件に関する正確な現状と、万が一対象外だった場合の対策について詳しく解説します。

- Windows 11への無償アップグレードが現在も継続している事実
- Windows 7や8のプロダクトキーを使用した認証パスの廃止
- 要件を満たさないPCで安全にWindows 10を使い続ける方法
- 2026年現在のPC買い替えやセキュリティ対策の選択肢
Windows 11への無償アップグレードは終了したのか
「もう無料でのアップグレードは終わってしまったのではないか」という疑問を持つ方は多いですが、結論から言えば、正規のWindows 10ユーザーであれば道は閉ざされていません。ここでは、現在のライセンス認証の仕組みや、対象となるパソコンの条件について、技術的な背景を交えて詳しく見ていきましょう。
無料期間はいつまで続くのか
マイクロソフトは現在、Windows 10からWindows 11への無償アップグレードオファーについて、特定の終了日を設定していません。かつてのWindows 10リリース時のような「1年間限定」というキャンペーン形式とは異なり、Windows 11への移行はより長期的な戦略として位置づけられています。
これは、マイクロソフトにとってユーザーを最新かつ安全なプラットフォームであるWindows 11へ誘導することが、セキュリティ維持コストの削減やクラウドサービスとの連携強化につながるためです。したがって、正規のWindows 10ライセンス(バージョン2004以降)が稼働しているPCであれば、現時点ではいつでも無料でアップグレードが可能です。
ただし、マーケティング上の「終了日」がないからといって、永遠にできるとは限りません。ハードウェアの寿命やドライバのサポート切れが、実質的な期限となる可能性が高いでしょう。
Windows 7や8からの移行パスは完全終了
一方で、明確に「終了」してしまったルートも存在します。それは、Windows 7やWindows 8/8.1のプロダクトキーを使用して、Windows 11(およびWindows 10)を新規にライセンス認証する方法です。
この認証パスは長年、自作PCユーザーや中古PC再生業者の間で利用されてきましたが、2023年後半から2024年にかけてマイクロソフトにより塞がれました。現在では、古いOSのキーを入力しても認証は通らず、ブロックされてしまいます。
この変更が「無償アップグレード終了」という噂の大きな原因となっていますが、あくまで「古いキーの使い回し」ができなくなっただけであり、既存のWindows 10ユーザーへの影響はありません。
公式のシステム要件と対象機種の確認
無償アップグレードを行うための最大のハードルは、期間ではなく「ハードウェア要件」です。Windows 11はセキュリティ強化のために、過去のOSと比較して非常に厳しいシステム要件を課しています。
| コンポーネント | 必須要件 |
|---|---|
| プロセッサ (CPU) | 第8世代 Intel Core または AMD Ryzen 2000シリーズ以降 |
| メモリ (RAM) | 4GB以上 |
| ストレージ | 64GB以上の空き容量 |
| セキュリティ | TPM 2.0 および セキュアブート対応 |
特にCPUの世代制限が厳しく、2017年以前に発売されたPCの多くは、性能的には十分でもアップグレード対象外となっています。これは、Windows 11が標準で有効にしている高度なセキュリティ機能(VBSやHVCI)を、パフォーマンスを落とさずに実行するために必要な措置です。
正常性チェックで不適合となる原因
自分のPCが要件を満たしているかどうかを正確に知るには、マイクロソフトが提供している「PC正常性チェック(PC Health Check)」アプリを使用するのが確実です。
このアプリを実行すると、「このPCはWindows 11の要件を満たしています」または「満たしていません」という判定が出ます。不適合となる原因の多くは以下の通りです。
- CPUが古い: 第7世代以前のIntel Core iシリーズなどは対象外です。
- TPM 2.0が無効: マザーボードの設定(BIOS/UEFI)でTPMが無効になっているだけの場合もあります。
- セキュアブートが無効: こちらもBIOS設定で変更可能な場合があります。
「TPM 2.0」や「セキュアブート」のエラーであれば、設定変更でクリアできる可能性がありますが、CPUが非対応の場合は、基本的にはPCの買い替えが必要です。
今すぐ無料でアップデートする手順
PC正常性チェックですべての項目がクリアになっている場合、アップグレードの手順は非常にシンプルです。
- 「設定」>「更新とセキュリティ」>「Windows Update」を開きます。
- 「Windows 11へのアップグレードの準備ができました」という通知が表示されているはずです。
- 「ダウンロードしてインストール」ボタンをクリックします。
もし通知が来ていない場合でも、マイクロソフト公式サイトから「Windows 11 インストール アシスタント」をダウンロードして実行することで、手動でアップグレードを開始できます。デジタルライセンス認証の仕組みにより、プロダクトキーの入力なしで自動的に認証が引き継がれます。
Windows 11無償アップグレード終了後の対策と選択肢

「自分のPCは要件を満たしていなかった…」という方も諦める必要はありません。Windows 10のサポートが終了した今、私たちが取るべき現実的な対策と、知っておくべきリスクについて解説します。
Windows 10サポート終了後のリスク
ご存知の通り、Windows 10 HomeおよびProのサポートは2025年10月14日に終了しました。現在、サポートが切れた状態でインターネットに接続し続けることは、鍵のかかっていない家に住み続けるようなもので、非常に危険です。
新たな脆弱性が見つかっても修正パッチが配布されないため、ランサムウェアやフィッシング詐欺の被害に遭うリスクが格段に高まります。特に、Windows 11と共通のプログラムコードを持っている箇所が攻撃者に狙われやすい傾向にあります。
要件を満たさないPCへの強制導入は危険
ネット検索をすると、レジストリを書き換えたり特殊なツールを使ったりして、要件を満たさない古いPCにWindows 11を無理やりインストールする方法が見つかります。しかし、私はこの方法をメインPCで行うことはおすすめしません。
非推奨環境でのリスク
- 大型アップデート(機能更新プログラム)が自動配信されず、手動更新の手間がかかる。
- ドライバの不整合により、ブルースクリーンなどの不具合が起きやすい。
- デスクトップに「システム要件を満たしていません」という透かしが表示されることがある。
趣味のサブ機なら良い実験かもしれませんが、大切なデータを扱うPCではリスクが大きすぎます。
ESUを利用して無料で延命する裏技
ここで、あまり知られていないけれど非常に重要な「救済措置」をご紹介します。それが、延長セキュリティ更新プログラム(ESU)です。
通常、個人向けのESUは有料(1年目約30ドル)ですが、実は特定の条件を満たすことで追加費用なしで利用できるオプションが存在します。
ESUを実質無料で適用する方法
Windows 10の設定から「Windows Backup」を有効にし、データをOneDriveに同期する設定を行うことで、マイクロソフトから特典としてESUライセンスが無償提供されるケースがあります。
これは、将来的に新しいPCへ移行しやすくするためのマイクロソフトの戦略的な施策です。これを利用すれば、2026年10月までは安全にWindows 10を使い続けることができます。まだ試していない方は、ぜひ設定画面を確認してみてください。
最新のCopilot+ PCへ買い替えるメリット
ESUによる延命もあくまで一時的なものです。2026年後半に向けて、根本的な解決策としてPCの買い替えを検討する時期に来ています。現在市場には、AI処理に特化したNPUを搭載する「Copilot+ PC」が登場しています。
従来のPCと異なり、Copilot+ PCでは以下のような高度な機能が利用できます。
- Recall(回顧): 過去の操作履歴をAIが記憶し、自然言語で検索できる。
- ライブキャプション: 再生中のあらゆる動画の音声をリアルタイムで翻訳・字幕化。
- Cocreator: ペイントなどのアプリで、ラフ画から高品質な画像を生成。
単にOSを新しくするだけでなく、こうした「新しい体験」を手に入れるために投資するという考え方も、今の時代には合っているかもしれませんね。
Windows 11無償アップグレード終了に関する総括
Windows 11への無償アップグレードに関する状況は、以下の通りまとめられます。
- アップグレード自体は終了していない: 要件を満たすWin10 PCなら今でも無料。
- 古いOSキーは無効化された: Win7/8のキーを使った認証抜け穴は塞がれた。
- 要件の壁が高い: 第8世代以前のCPU搭載機は、基本的に買い替えが必要。
- ESUという選択肢: Windows Backup活用などで、2026年10月まではWin10を安全に延命可能。
PCは私たちのデジタルライフの基盤です。「まだ使えるから」と無理をするのではなく、セキュリティリスクを正しく理解した上で、ご自身の環境に合った最適な選択をしてください。
