職場のPCや特定のシステムで「Windows 10 Enterprise LTSC」を使っているけれど、これっていつまで安全に使えるんだろうと疑問に思っていませんか。実は私も先日、社内システムのリプレースに関する話題が出た際に、このLTSC版のサポート期限について詳しく調べる機会がありました。通常版のWindows 10とは違い、長期利用を前提とした特殊なエディションなので、情報が少し複雑なんですよね。特に2021年版からルールが変わったり、IoT版という似た名前のエディションがあったりと、うっかり間違えやすいポイントがたくさんあります。そこで今回は、私が調べたLTSCのサポート期限に関する情報や、バージョンごとの違い、そして今後の対策について分かりやすくまとめてみました。

- Windows 10 LTSCの各バージョンごとの正確なサポート終了日が分かります
- LTSC 2019と2021で大きく異なるサポート期間の落とし穴を理解できます
- 長く使い続けられるIoT Enterprise LTSCとの違いや選び方が見えてきます
- サポート終了後に向けて今から準備すべき移行プランや選択肢が分かります
Windows 10 LTSCのサポート期限と一覧表
ここでは、企業の担当者やシステム管理者が最も気にしているであろう、各バージョンの具体的なサポート期限について詳しく見ていこうと思います。通常版とは異なるタイムラインで動いているため、まずは全体像を把握することが大切ですね。
Windows 10 LTSCはいつまで使えるのか
まず結論から言うと、Windows 10 LTSCがいつまで使えるかは「どのバージョン(年式)を導入しているか」によって全く異なります。通常、私たちが家で使っているWindows 10 HomeやProは、常に最新の更新プログラムを適用し続けることでサポートが維持されますが、LTSC(Long-Term Servicing Channel)は一度導入した機能を固定して長期間使うことを目的としています。
基本的にはリリースから10年間のサポートが提供されるのが売りだったのですが、実は最近のポリシー変更でその前提が崩れているものもあるんです。特に注意が必要なのが、「Enterprise LTSC 2021」ではサポート期間が5年に短縮されているという点です。これを知らずに「LTSCだから10年安心」と思い込んでいると、気づいたときには期限切れ間近という事態になりかねません。自分の組織で使っているものがどのバージョンに該当するのか、しっかりと確認しておく必要がありますね。
バージョン別のサポート終了日一覧
各バージョンのリリース日とメインストリームサポート終了日、そして最も重要な延長サポート終了日(EOS)を表にまとめてみました。これを見れば、今使っているシステムがいつまで安全に稼働できるかが一目瞭然かなと思います。
| 製品名 | バージョン | リリース日 | 延長サポート終了日 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Windows 10 Enterprise 2015 LTSB | 1507 | 2015/07/29 | 2025/10/14 | 終了目前 |
| Windows 10 Enterprise 2016 LTSB | 1607 | 2016/08/02 | 2026/10/13 | 残りわずか |
| Windows 10 Enterprise LTSC 2019 | 1809 | 2018/11/13 | 2029/01/09 | 最も安定した選択肢 |
| Windows 10 Enterprise LTSC 2021 | 21H2 | 2021/11/16 | 2027/01/12 | 5年サポート(注意) |
| Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2021 | 21H2 | 2021/11/16 | 2032/01/13 | 10年サポート(推奨) |
※日付は米国時間です。LTSB(Long-Term Servicing Branch)はLTSCの旧名称ですが、基本的な扱いは同じ長期サポート版と考えて大丈夫です。
LTSC 2019のサポート期限と特長
表を見て気づいた方もいるかもしれませんが、実は今、最もバランスが良いと言われているのがこの「Windows 10 Enterprise LTSC 2019」なんです。ベースとなっているのはバージョン1809で、Windows Server 2019と同じコードベースで作られています。
このバージョンの最大の特長は、「条件なしで10年間のサポートが受けられる最後のEnterprise LTSC」であるという点ですね。2029年の1月までサポートが続くので、後継の2021年版(非IoT)よりも長く使えるという逆転現象が起きています。もし現在このバージョンを使っているなら、無理に新しいものへ更新せず、そのまま2029年まで使い倒すのが賢い選択かもしれません。
LTSC 2021のサポート期間短縮の注意点
ここが一番の落とし穴なんですが、Windows 10 Enterprise LTSC 2021からは、サポート期間が従来の10年から5年に短縮されてしまいました。これはMicrosoftがOffice LTSCのサポート期間に合わせたためだと言われています。
つまり、2021年に「最新のLTSCだから安心だ」と思って導入したPCが、実は2027年の1月にはもうサポート切れを迎えてしまうんです。LTSC 2019よりも2年も早く寿命が来てしまうなんて、ちょっと衝撃的ですよね。この変更を知らずに導入計画を立てていると、想定外のコストやリプレース作業が発生することになるので、本当に注意が必要です。
Enterprise LTSC 2021(汎用版)のみが5年短縮の対象です。後述するIoT Enterprise LTSC 2021は10年サポートが維持されています。
現在のバージョンと期限の確認方法
「じゃあ、自分のPCに入っているのは結局どれなんだろう?」と思った方は、簡単なコマンドですぐに確認できます。キーボードの「Windowsキー」+「R」を押して、「ファイル名を指定して実行」を開き、そこにwinverと入力してエンターキーを押してみてください。
表示されたウィンドウに「Microsoft Windows バージョン 1809」や「バージョン 21H2」といった数字が出ているはずです。また、エディションの欄に「Enterprise LTSC」や「IoT Enterprise LTSC」といった記述があるかも確認しましょう。ここの表記ひとつで、あと何年使えるかが決まってくるので、一度チェックしてみることを強くおすすめします。
ライフサイクル終了に伴うリスク管理
サポート期限(EOS)を過ぎたOSを使い続けるリスクは、想像以上に大きいです。セキュリティ更新プログラムが提供されなくなるため、新たな脆弱性が見つかっても修正されず、サイバー攻撃の格好の的になってしまいます。
特にLTSCを採用している環境って、工場の制御端末や医療機器、ATMなど、止まってはいけない重要なシステムであることが多いですよね。万が一ウイルスに感染してシステムダウンなんてことになれば、業務停止による損害は計り知れません。「オフライン(ネットに繋がない)だから大丈夫」という意見も聞きますが、USBメモリ経由での感染リスクなどは残ります。期限が切れる前に、次の一手を打っておくのが管理者としての責任かなと思います。
Windows 10 LTSCのサポート期限への対策

期限が迫っている、あるいは短縮されてしまったことが分かった場合、具体的にどうすればいいのでしょうか。ここでは、選択肢となる「IoT版」の活用やライセンス購入、そしてWindows 11への移行について、私の視点で掘り下げてみます。
IoT Enterprise LTSCとの違い
先ほど少し触れましたが、LTSC 2021には「Enterprise LTSC」と「IoT Enterprise LTSC」の2種類が存在します。中身のOSバイナリ自体は全く同じものなんですが、ライセンス(使用許諾)の種類によってサポート期間が異なるんです。
IoT Enterprise LTSCなら、2021年版でも10年間のサポート(2032年まで)が提供されます。「IoT」と付いていますが、キオスク端末や受付システム、デジタルサイネージなどの特定用途向けデバイスであれば利用可能です。ただし、一般的な事務作業(Officeソフトやメールをバリバリ使う用途)での利用はライセンス違反になる可能性が高いので、用途をしっかり見極める必要がありますね。専用端末として使うなら、間違いなくこちらが最強の選択肢になるでしょう。
延長セキュリティ更新の価格と条件
サポート期限が過ぎても使い続けたい場合、「延長セキュリティ更新プログラム(ESU)」という有償オプションがあるのでは?と考える方もいると思います。Windows 7の時にも話題になりましたよね。
ただ、LTSC版に関しては、一般企業が簡単に購入できるようなESUプランは基本的に用意されていないことが多いようです。一部の大口契約(Volume Licensing)などでは個別に提供されるケースもあるかもしれませんが、公式サイトを見ても明確な価格表がポンと出ているわけではありません。「お金を払えば延命できる」という前提で計画を立てるのは非常にリスキーなので、やはり期限内に次の環境へ移行することを基本戦略にすべきかなと思います。
LTSCライセンスの価格と購入方法
これからLTSC版を導入したい、あるいはIoT版に切り替えたいという場合、どこで購入できるのでしょうか。実はAmazonや家電量販店では売っていないんですよね。
基本的には、Microsoftの認定パートナー企業や販売代理店を通じて購入することになります。特にIoT Enterprise LTSCは、代理店経由で1ライセンスから購入できる場合があり、搭載するCPUの性能によって「Entry」「Value」「High End」の3段階に価格が分かれているのがユニークです。低いスペックのCPU(AtomやCeleronなど)なら、かなり安価にOSライセンスが入手できるので、コスト削減の観点からも面白い選択肢と言えます。
購入ルートの例:
・ボリュームライセンス(Enterprise版)
・CSPパートナー(クラウドソリューションプロバイダー)
・菱洋エレクトロなどのIoT代理店(IoT Enterprise版)
Windows 11 LTSCへのアップグレード
将来を見据えるなら、Windows 10にこだわらず、最新の「Windows 11 LTSC 2024」へ移行するのも一つの手です。2024年10月にリリースされたばかりの新しいLTSCで、こちらはまた5年(Enterprise)または10年(IoT)のサポートサイクルが始まります。
ただし、Windows 11への移行にはハードウェアの壁があります。TPM 2.0チップの搭載や、比較的新しい世代のCPU(Intel第8世代以降など)が必須条件となるため、古い産業用PCなどではインストールできないケースが多いんです。既存のPCをそのまま使いたいならWindows 10 IoT LTSC 2021へ、ハードウェアごとリプレースするならWindows 11 LTSCへ、という風に使い分けるのが現実的かもしれません。
Windows 10 LTSCのサポート期限まとめ
今回は、複雑になりがちなWindows 10 LTSCのサポート期限について整理してみました。一番のポイントは、やはり「LTSC 2021(汎用版)は5年しか持たない」という事実と、「IoT版なら2032年までいける」という抜け道(正当な選択肢ですが)があることですね。
もし今、2015や2016のLTSBを使っているなら、2025年、2026年には期限が来てしまうので待ったなしの状況です。逆に2019版を使っているなら、2029年までじっくり腰を据えて運用できます。自社の環境がどのバージョンで、いつまで使えるのかを正しく把握し、早め早めの対策を打つことが、安定稼働を守る鍵になるのかなと思います。
※本記事の情報は執筆時点のものです。Microsoftのポリシーは変更される可能性があるため、正確な情報は必ず公式サイトをご確認ください。

