Windows 11 Homeを使っているとBitLockerという言葉を耳にすることがあるかもしれません。自分のPCは暗号化されているのか、もし回復キーを求められたらどうすればいいのか不安になりますよね。実はHome版でも条件が揃えば自動的に暗号化される機能があるんです。この記事ではWindows 11 HomeにおけるBitLockerの実態や設定方法、そして解除できない時の対処法についてわかりやすく解説します。

- Windows 11 Homeでも「デバイスの暗号化」として機能が存在する
- 勝手に暗号化される条件と無効化の手順
- 回復キーがわからない時の探し方と対処法
- Proへアップグレードするメリットと判断基準
Windows 11 HomeにおけるBitLockerの実態
まずは、Windows 11 HomeにはBitLockerがないと言われがちですが、実は似た機能が裏で動いていることがあります。ここではその仕組みやPro版との違いについて、少し深掘りしてみましょう。
BitLockerがない誤解とデバイス暗号化
よく「Windows 11 HomeにはBitLockerがない」という話を聞きますが、これは半分正解で半分間違いなんです。確かに、Pro版にあるような「BitLocker」という名前の管理ツールはHome版には搭載されていません。
しかし、実は中身のエンジンは同じものが使われています。Home版では「デバイスの暗号化」という名前で、BitLockerの核心技術(XTS-AES 128ビット暗号化)が動いているんですね。
つまり、データの保護能力自体はPro版と変わらないレベルで守られています。ただ、ユーザーが細かく設定できるか、それとも全自動でシンプルに守られるか、というインターフェースの違いがあるだけなんです。
自動暗号化の仕組み
Home版の暗号化は「オプトアウト」型と言って、条件を満たすPCを買ってきたら最初から(初期セットアップ完了時に)自動でオンになることが多いです。ユーザーが意識せずに安全になる反面、「いつの間にか暗号化されていた」という事態も招きやすいのが特徴ですね。
HomeとProの違いとBitLocker機能比較
では、具体的にHome版の「デバイスの暗号化」とPro版の「BitLocker」は何が違うのでしょうか。私が調べた内容を表にまとめてみました。
| 機能・特性 | デバイスの暗号化 (Home) | BitLocker (Pro/Ent/Edu) |
|---|---|---|
| 暗号化エンジン | XTS-AES 128bit (固定) | 128bit / 256bit (選択可) |
| 対象ドライブ | OS・固定ドライブ全域 | 個別に選択可能 |
| 有効化 | 自動 (要件合致時) / 設定アプリ | 手動 (コントロールパネル等) |
| USB暗号化 | × (非対応) | ○ (BitLocker To Go) |
| 回復キー保存 | Microsoftアカウント (自動) | MSアカウント、ファイル、印刷など |
こうして見ると、Home版は「難しいことを考えずに安全に使いたい人向け」、Pro版は「会社や詳しい人が細かく管理したい向け」という住み分けがはっきりしていますね。
BitLockerの設定確認とコマンド活用法
自分のPCが今どうなっているのか、気になりますよね。確認方法はとても簡単です。
- 「設定」を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「デバイスの暗号化」という項目を探す
ここに「オン」とあれば暗号化されています。もし項目自体がない場合は、ハードウェアの要件を満たしていないか、Pro版へのアップグレードが必要な状態です。
また、実はHome版でも管理者としてコマンドプロンプトを開けば、manage-bdeというコマンドの一部が使えます。
コマンドで確認する方法
コマンドプロンプト(管理者)で manage-bde -status と入力すると、現在の暗号化の進行状況や保護の状態(オン/オフ)をテキストで確認できます。設定画面が重い時などに便利ですよ。
USBメモリの暗号化制限とBitLocker
ここで一つ、Homeユーザーにとって痛い制限があります。それはUSBメモリや外付けHDDを暗号化できないという点です。
Pro版には「BitLocker To Go」という機能があり、USBメモリにパスワードをかけて、万が一落としても中身を見られないようにできます。しかし、Home版ではこの機能が使えません。
仕事のデータをUSBで持ち歩くことが多い方は、情報漏洩のリスクを考えるとPro版へのアップグレード(約1万数千円)は安い保険かもしれません。Pro版で暗号化したUSBは、Home版のPCでもパスワードを入力すれば中身を見ることができますよ。
BIOS更新と自動暗号化の関連性
「何もしていないのに急に回復キーを求められた!」というトラブルの原因で多いのが、BIOS(UEFI)のアップデートです。
最近のPCは「モダンスタンバイ」や「HSTI」という基準に対応していて、セキュリティが非常に高くなっています。特にWindows 11 24H2以降は、この自動暗号化の要件が緩和され、より多くのPCで自動的に暗号化されるようになりました。
BIOS更新時の注意
BIOSを更新すると、PCの「指紋」のような情報(ハッシュ値)が変わるため、セキュリティチップ(TPM)が「構成が変わった=攻撃されているかも?」と判断してロックをかけてしまいます。これが、突然回復キーを求められる主な原因なんです。
Windows 11 HomeでBitLockerを解除する手順

ここからは、いざトラブルが起きた時や、設定を変更したい時のために、具体的な解除手順や回復キーの扱い方について解説します。これを知っておくだけで、いざという時の焦りが全然違いますよ。
回復キーがわからない時の確認方法
もしPCを起動して青い画面で「回復キーを入力してください」と言われたら、まずは深呼吸しましょう。Home版の場合、回復キーはほぼ間違いなくMicrosoftアカウントに自動保存されています。
スマホや別のPCから、以下の手順で探してみてください。
- ブラウザで
にアクセスする。(https://account.microsoft.com/devices/recoverykey)Redirecting - PCのセットアップに使ったMicrosoftアカウントでサインインする。
- 画面に表示された48桁の数字を探す。
もし見つからない場合は、家族のアカウントや、大学・職場のOfficeアカウント(「組織が管理」にチェックを入れた場合など)の方に入っていないか確認してみましょう。
暗号化を解除できないトラブルの対処
「正しい回復キーを入れたのに、再起動するとまた求められる…」という「BitLockerループ」に陥ることがあります。これは本当に怖いですよね。
この場合、一度Windowsが起動した後に、暗号化を一時的に「サスペンド(中断)」してあげると直ることがあります。
BitLockerループからの脱出
コマンドプロンプト(管理者)で以下のコマンドを順番に実行します。
1. manage-bde -protectors -disable C: (保護を一時中断)
2. 再起動する
3. manage-bde -protectors -enable C: (保護を再開)
これでTPMの情報が更新されて、ループから抜け出せる可能性が高いです。
BitLockerを無効化する手順と注意点
BIOSのアップデート前や、PCのパーツ交換をする前には、トラブル防止のために暗号化をオフ(無効化)にしておくのが鉄則です。
手順はシンプルです。
- 「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「デバイスの暗号化」を開く。
- スイッチを「オフ」にする。
- 確認画面が出るので、もう一度「オフにする」を選ぶ。
時間がかかります!
暗号化の解除(復号)には、データの量によっては数十分〜数時間かかることがあります。ノートPCの場合は必ずACアダプターを繋いで、途中で電源が切れないようにしてくださいね。途中で切れるとデータが消えるリスクがあります。
勝手に有効化される理由とSSD換装
自作PCやBTOパソコンを使っている方で、「勝手に暗号化されるのは困る」という方もいると思います。特にSSDを換装したり、デュアルブート環境を作る時には邪魔になることも。
Windows 11 Homeでは、インストール時や初期セットアップ(OOBE)の段階で、要件を満たすPCは自動的に暗号化をオンにする仕様になっています。
これを防ぐには、インストール中にレジストリを操作する(PreventDeviceEncryptionを1にする)などの裏技が必要ですが、一般的には「セットアップが終わったらすぐに設定を確認してオフにする」のが一番確実かなと思います。
Windows 11 HomeのBitLocker重要点まとめ
最後に、Windows 11 HomeとBitLocker(デバイスの暗号化)との付き合い方についてまとめます。
一番大切なのは、「自分のPCは暗号化されているかもしれない」と認識し、回復キーの場所を確認しておくことです。これさえできていれば、デバイスの暗号化はあなたの個人情報を守る強力な味方になります。
「知らない」ことこそが最大のリスクです。ぜひこの機会に、一度Microsoftアカウントにアクセスして、回復キーがあるかどうかだけでもチェックしてみてくださいね。

