Windows 11を搭載したパソコンを使用していて、突然画面が真っ暗になり、電源はついているのにPCが立ち上がらないという状況に陥り、どうしたらいいか分からず困ってしまった経験はありませんか。画面にカーソルだけが表示されて動かせる場合や、完全に何も映らない場合など、症状はさまざまです。この問題の主な原因は、ディスプレイの接続や電源オプションの設定ミスから、BIOSの不具合、セーフモードでの対応が必要なシステムトラブルまで多岐にわたります。この記事では、そのような状況で試すべき具体的な対応方法を、初心者の方にも分かりやすく、段階的に解説していきます。
- 画面が真っ暗になる主な原因がわかる
- 初心者でも試せる基本的な確認手順を学べる
- 具体的な症状別の対応方法を理解できる
- BIOSやセーフモードを使った解決策を知れる
windows11 画面真っ暗 電源ついてる時の原因

- この問題の主な原因とは何か
- 画面にカーソルだけが表示される状態
- 外部ディスプレイの接続を確認する
- 基本的な電源ケーブルの状態を調べる
- PCが正常に立ち上がらない場合の切り分け
- まずはどうしたらいいかを確認しよう
この問題の主な原因とは何か
Windows 11のパソコンで電源が入るにもかかわらず、画面が真っ暗になる現象には、いくつかの原因が考えられます。原因を正しく理解することが、適切な対処への第一歩となります。
多くの場合、この問題はソフトウェアに関連する一時的な不具合が要因です。例えば、Windows Updateの適用後やグラフィックドライバーの更新後に、システムとの間に不整合が生じることがあります。また、パソコンを省電力状態(スリープ)から復帰させる際に、表示機能だけが正常に動作しないケースも見受けられます。
一方で、ハードウェアに起因する可能性も否定できません。パソコン本体とディスプレイを接続しているケーブルの接触不良や断線、あるいはノートパソコンのバックライト切れや液晶パネル自体の故障も原因となり得ます。増設したメモリや周辺機器が、システムの安定動作を妨げていることも考えられるでしょう。
これらの原因は一つだけとは限らず、複数の要因が絡み合っている場合もあります。そのため、簡単な確認から順番に試し、原因を一つずつ切り分けていくアプローチが大切になります。パニックにならず、落ち着いて状況を整理し、次からの手順を試してみてください。
画面にカーソルだけが表示される状態
画面全体が真っ暗でありながら、マウスカーソルだけは表示されて動かせる、という症状に遭遇することがあります。この状態は、Windowsのシステム自体は部分的に動作しているものの、デスクトップ画面を描画するプロセスに問題が発生している可能性が高いことを示唆しています。
具体的には、「エクスプローラー(explorer.exe)」という、デスクトップやタスクバーの表示を管理しているプログラムが応答していないか、正常に起動できていない状態が考えられます。これは、システムのアップデート後や、何らかのソフトウェアをインストールした後に発生しやすい現象です。
幸いなことに、この症状は比較的軽微な問題であることが多く、キーボードのショートカット操作で改善する場合があります。カーソルが動くということは、キーボードからの入力も受け付けている可能性が高いです。
explorer.exeを再起動する対処法
以下の手順で、エクスプローラーの再起動を試みることができます。
- キーボードの「Ctrl」+「Shift」+「Esc」キーを同時に押して、タスクマネージャーを起動します。
- タスクマネージャーが表示されたら、左上の「ファイル」メニュー(または「新しいタスクを実行」ボタン)をクリックします。
- 「新しいタスクの作成」というウィンドウが開くので、入力欄に「explorer.exe」と入力し、「OK」をクリックします。
この操作でデスクトップ画面やアイコンが正常に表示されれば、問題は一時的なものであったと考えられます。ただし、この操作で改善してもパソコンを再起動すると再び同じ症状が現れる場合は、ドライバーや常駐ソフトなど、より根本的な原因を探る必要があります。
外部ディスプレイの接続を確認する
パソコンの画面が真っ暗になる原因として、非常によく見られるのがディスプレイの出力設定に関する見落としです。特に、以前に外部モニターやプロジェクターに接続して使用したことがある場合に発生しやすい問題です。
Windowsには、画面の表示方法を切り替える機能が備わっており、「PC画面のみ」「複製」「拡張」「セカンドスクリーンのみ」の4つのモードがあります。この設定が、意図せず「セカンドスクリーンのみ」になっていると、パソコン本体のディスプレイには何も映らず、接続されていない外部ディスプレイに映像を出力しようとしている状態になります。
この場合、パソコン自体は正常に起動しており、内部ではデスクトップが表示されているため、一見すると故障と勘違いしやすいです。まずは、この表示設定が原因でないかを確認することが、簡単な解決に繋がります。
表示モードを切り替えるショートカットキー
キーボードの「Windows」キーを押しながら「P」キーを押すことで、画面右側に表示モードを選択するメニューが現れます。画面が真っ暗で見えない場合でも、このショートカットは有効です。
- 「Windows」キー + 「P」キーを同時に押します。
- メニューが表示されている状態(画面には見えなくても内部的には表示されています)で、再度「P」キーを押すごとに選択項目が下に移動します。
- そのまま「Enter」キーを押すと、選択したモードが適用されます。
まずは「Windows」キー + 「P」キーを押した後、一度「Enter」キーを押してみてください。これで「PC画面のみ」が選択され、本体の画面に表示が戻る可能性があります。一度で改善しない場合でも、数回繰り返して試すことで問題が解決することがあります。
基本的な電源ケーブルの状態を調べる
パソコンのトラブルシューティングにおいて、最も基本的かつ重要なのが電源供給の確認です。画面が真っ暗になるという症状も、電力供給が不安定であるために引き起こされている可能性があります。複雑な設定変更や分解を試みる前に、まずは物理的な接続を丁寧に見直しましょう。
デスクトップパソコンの場合は、本体の電源ケーブルと、ディスプレイの電源ケーブルの両方が、コンセントと各機器にしっかりと差し込まれているかを確認します。特に、延長コードや電源タップ(タコ足配線)を使用している場合、接続部分が緩んでいたり、タップ自体の容量不足や故障が原因で電力が安定しないことがあります。可能であれば、一度壁のコンセントに直接接続して、症状が改善するか試してみるのが有効です。
ノートパソコンの場合は、ACアダプターがコンセントとパソコン本体に正しく接続されているかを確認してください。ACアダプター本体のランプが点灯しているかもチェックポイントです。また、バッテリーの残量不足や、バッテリーパックが正しく装着されていないことも原因となり得ます。一度バッテリーを取り外し、ACアダプターのみで起動してみることで、問題がバッテリーにあるのかを切り分けることができます。
これらの確認は単純な作業に見えますが、意外なほど多くの問題がケーブルの緩みや接続不良によって引き起こされています。見過ごさずに、確実にチェックすることが解決への近道です。
PCが正常に立ち上がらない場合の切り分け
これまでの基本的な確認を行っても症状が改善しない場合、PCが正常に起動プロセスを完了できていない、いわゆる「立ち上がらない」状態にある可能性が考えられます。この段階では、問題がどこで発生しているのかをさらに詳しく切り分ける必要があります。
まず注目したいのは、パソコンの動作音やランプの状態です。電源を入れた際に、内部のファンが回転する音や、ハードディスク(HDD)が動作する「カリカリ」という音が聞こえるでしょうか。また、電源ランプやアクセスランプはどのように点灯・点滅していますか。これらのサインは、パソコンがどの程度まで起動しようとしているかを知るための重要な手がかりとなります。
例えば、ファンは回るもののすぐに静かになってしまう場合や、電源ランプは点灯しているがアクセスランプが全く点滅しない場合は、OSの読み込み以前の段階、つまりBIOS/UEFIやハードウェアレベルで問題が発生している可能性が疑われます。
一方で、起動音が正常に聞こえたり、Windowsの通知音が鳴ったりする場合は、OS自体は起動しているものの、表示系統にのみ問題が発生していると考えられます。この切り分けによって、次に行うべき対処法が大きく変わってきます。
まずはどうしたらいいかを確認しよう
パソコンの画面が真っ暗になり、電源は入っている状態に遭遇した際、慌ててしまうかもしれませんが、まずは落ち着いて基本的な確認から始めることが大切です。複雑な操作を行う前に、誰でも簡単に試せるいくつかのステップがあります。
最初に行うべきことは、周辺機器の取り外しです。USBメモリや外付けハードディスク、プリンター、SDカードなど、パソコンに接続している全ての周辺機器を一度取り外してください。これらの機器が、Windowsの起動プロセスを妨げている可能性があるためです。最小構成(デスクトップなら本体、ディスプレイ、キーボード、マウスのみ)で再起動し、症状が改善するかを確認します。
次に試したいのが、パソコンの「放電」です。パソコン内部に不要な電気が帯電することで、一時的な動作不良を起こすことがあります。
パソコンの放電手順
- パソコンをシャットダウンします(強制終了でも構いません)。
- 電源ケーブル、ACアダプター、バッテリー(取り外し可能な場合)をすべて取り外します。
- すべての周辺機器も取り外した状態で、電源ボタンを15秒~30秒ほど長押しします。
- その後、数分間放置します。
- ACアダプターまたは電源ケーブルのみを接続し、電源を入れてみてください。
この放電作業によって内部のコントローラーがリセットされ、問題が解決することは少なくありません。ここまでが、専門的な知識がなくても安全に行える初期対応となります。これらの手順で改善しない場合に、次のステップへ進むと良いでしょう。
windows11 画面真っ暗 電源ついてる時の対処法

- 初心者でもできる簡単な対応方法
- 電源オプションの設定を見直す
- BIOSを初期化して改善するか試す
- セーフモードで起動して問題を特定
- windows11 画面真っ暗 電源ついてる問題の総括
初心者でもできる簡単な対応方法
前述の通り、基本的な確認を終えても問題が解決しない場合でも、まだ初心者の方が試せる簡単な対応方法がいくつかあります。ここでは、特別なツールを使わずにキーボード操作だけで試せる対処法を紹介します。
一つ目は、画面の明るさ設定の確認です。何らかの拍子に画面の明るさが最も暗い設定になってしまい、画面が消えているように見えているだけの可能性があります。キーボードにある「Fn」キーと、太陽のマークがついたファンクションキー(例:F6キーなど)を同時に数回押して、画面が明るくなるか試してみてください。
二つ目は、グラフィックドライバーのリセットです。表示に関するドライバーが一時的に不調をきたしている場合、この操作で回復することがあります。キーボードの「Windows」キー + 「Ctrl」キー + 「Shift」キー + 「B」キーを同時に押してください。操作が成功すると、一瞬画面が点滅したり、「ピッ」という音が鳴ったりして、ドライバーが再初期化されます。これにより、画面表示が元に戻る場合があります。
これらの方法は、システムに大きな変更を加えることなく安全に試せるため、専門的な操作に不安がある方でも安心して実行できます。もしこれらの方法で改善が見られない場合は、次に紹介する設定の確認や、より詳細なトラブルシューティングに進むことを検討してください。
電源オプションの設定を見直す
パソコンが意図せず画面真っ暗になる現象は、Windows 11の「電源オプション」の設定が影響している場合があります。この設定は、消費電力を抑えるために、一定時間操作がない場合に自動的にディスプレイの電源をオフにしたり、パソコンをスリープ状態にしたりする機能です。
通常はマウスを動かしたりキーボードを操作したりすれば復帰しますが、スリープからの復帰に失敗して画面が真っ暗なままになってしまうトラブルも少なくありません。特に、Windows Update後などにこの設定とドライバーの間に問題が生じることがあります。
また、「高速スタートアップ」という機能が原因で問題が発生することもあります。これは、シャットダウン時のシステム情報を保存しておくことで次回の起動を高速化する機能ですが、周辺機器の変更やシステムアップデート後に、正しく復帰できなくなる一因となることがあります。
電源オプションの確認と変更手順
これらの設定を確認・変更するには、まずセーフモードで起動するか、正常に画面が表示されているタイミングで操作を行う必要があります。
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「電源オプション」を選択します。
- 「電源」>「画面とスリープ」の項目で、「次の時間が経過後、ディスプレイの電源を切る」の設定が意図しない短い時間になっていないか確認し、必要に応じて「なし」に変更します。
- 高速スタートアップを無効にするには、「コントロールパネル」を開き、「電源オプション」>「電源ボタンの動作を選択する」へ進みます。
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックし、「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外して保存します。
この設定変更によって、スリープ復帰時のトラブルや起動時の不具合が解消される可能性があります。
BIOSを初期化して改善するか試す
ソフトウェア的な対処法で改善しない場合、パソコンのハードウェアを直接制御している「BIOS(バイオス)」または「UEFI(ユーイーエフアイ)」の設定が原因となっている可能性を考えます。BIOSの設定が何らかの理由で不安定になったり、矛盾した状態になったりすると、OSが起動する前の段階で処理が止まり、画面が真っ暗なままになることがあります。
このような場合、BIOSの設定を工場出荷時の初期状態に戻す(初期化する)ことで、問題が解決する可能性があります。この操作は、OSや保存されているデータに直接影響を与えるものではありませんが、パソコンの動作の根幹に関わる設定を変更するため、手順をよく確認し、自己責任において慎重に行う必要があります。
メリットとしては、ハードウェア関連の設定の矛盾を解消し、起動トラブルを根本的に解決できる可能性がある点です。一方で、デメリットや注意点として、ご自身で変更した起動順序などの設定がすべてリセットされるため、再度設定が必要になる場合があります。
主なメーカーのBIOS起動キー
BIOS設定画面を起動するには、パソコンの電源を入れた直後、メーカーロゴが表示されている間に特定のキーを連打します。このキーはメーカーや機種によって異なります。
メーカー | 主なBIOS/UEFI起動キー |
Dell | F2 または F12 |
HP | Esc または F10 |
Lenovo | F1 または F2 |
NEC | F2 または F12 |
富士通 | F2 または F12 |
VAIO | F2, F3, F4 または ASSISTボタン |
Dynabook (東芝) | F2 または F12 |
BIOS設定画面に入ったら、「Load Default Settings」「Restore Defaults」といった項目を探し、選択して設定を保存・終了することで初期化が完了します。メニューの表記は英語が多いですが、落ち着いて探せば見つかるはずです。もし操作に不安がある場合は、無理に進めず専門家へ相談することをお勧めします。
セーフモードで起動して問題を特定
これまでの対処法で問題が解決しない場合、より詳細な原因究明と修復を行うために「セーフモード」での起動を試みます。セーフモードとは、Windowsを必要最小限のドライバーと機能だけで起動する診断用のモードです。
もしセーフモードで正常に画面が表示されるのであれば、問題の原因はWindowsの基本的な部分ではなく、後から追加されたドライバー(特にグラフィックドライバー)、常駐ソフトウェア、またはWindows Updateの特定の更新プログラムなどにあると強く推測できます。これにより、問題の切り分けが大きく進みます。
セーフモードで起動した後は、問題の原因となっている可能性のあるドライバーを無効にしたり、古いバージョンに戻したり(ロールバック)、最近インストールしたソフトウェアや更新プログラムをアンインストールしたりといった修復作業を行うことができます。
セーフモードへの入り方
Windows 11が正常に起動しない状態からセーフモードに入るには、以下の手順が一般的です。
- パソコンの電源を入れ、メーカーロゴが表示されたらすぐに電源ボタンを長押しして強制終了します。この操作を2~3回繰り返します。
- すると、Windowsが起動に失敗したと判断し、「自動修復」画面が表示されます。
- 「詳細オプション」をクリックします。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」と進みます。
- 「再起動」ボタンをクリックすると、スタートアップ設定の選択画面が表示されます。
- キーボードの「4」または「F4」キーを押して、「セーフモードを有効にする」を選択します。
この手順でセーフモードに入り、原因の特定と修復を試みてください。無事に修復が完了すれば、通常モードで正常に起動できるようになるはずです。
windows11 画面真っ暗 電源ついてる問題の総括

- windows11 画面真っ暗 電源ついてる問題は複数の原因が考えられる
- 慌てずにまず周辺機器をすべて取り外してみる
- 電源ケーブルやACアダプターの接続を再確認する
- ディスプレイの出力設定が切り替わっていないか確認する
- キーボードショートカットでのドライバーリセットを試す
- パソコンの放電処置は多くのトラブルに有効な手段
- 画面にカーソルだけが見える場合はexplorer.exeの問題を疑う
- 電源オプションや高速スタートアップの設定が影響していることもある
- ソフトウェアで改善しない場合はBIOSの初期化を検討する
- BIOS起動キーはメーカーやモデルによって異なるため注意が必要
- セーフモードでの起動は原因を特定するための重要なステップ
- セーフモードでグラフィックドライバーの更新や削除を行う
- 特定のWindows Updateが原因の場合はアンインストールを試す
- システムの復元機能で問題発生前の状態に戻すことも有効
- これらの対処法で改善しない場合はハードウェア故障の可能性を考慮する