Windows 11へアップグレードしたものの、新しくなったスタートメニューの操作感に戸惑い、使い慣れた昔のメニューに戻したいと感じていませんか。中央に配置されたレイアウトや「おすすめ」の表示に馴染めず、Windows10風のシンプルなクラシックモードで利用したいという声は少なくありません。
この記事では、windows11 スタートメニュー クラシック化を実現するための具体的な変更方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。バージョン23h2といった最新環境で設定ができない場合の対処法から、レジストリの編集、フリーモードで試せる便利なツールの活用法まで、あらゆる情報を網羅しています。
この記事を読むことで、以下の点について理解を深められます。
- Windows11のスタートメニューをクラシック表示にする手順
- フリーソフトを使った簡単なカスタマイズ方法
- レジストリ編集による高度な設定と注意点
- 最新バージョン(23H2など)で変更できない場合の解決策
windows11 スタートメニュー クラシック化の手順

- 昔のメニュー表示に戻すための準備
- クラシックモードで何が変わるのか
- スタートメニューのレイアウトを調整
- Windows10風にする具体的な変更方法
- フリーモードで試せるツールの紹介
昔のメニュー表示に戻すための準備
Windows 11のスタートメニューは、デザインが大幅に刷新され、アイコンが中央に配置されるなど、見た目も操作性も大きく変化しました。この変更に馴染めず、以前のバージョンのような使い慣れた操作感を求めるユーザーは少なくありません。
まず、クラシックな表示に戻す準備として、Windows 11の標準機能でどこまで変更できるのかを把握しておくことが大切です。完全なクラシック化はできませんが、設定を変更するだけで、ある程度は従来のスタイルに近づけることが可能です。
タスクバーの配置を左揃えに変更する
最も簡単な第一歩は、スタートボタンを含むタスクバーのアイコンを左端に寄せる設定です。これにより、長年慣れ親しんだ「スタートボタンは左下」という配置に戻すことができます。
- タスクバーの何もない領域を右クリックし、「タスクバーの設定」を選択します。
- 設定画面が開いたら、「タスクバーの動作」という項目をクリックして展開します。
- 「タスクバーの配置」のドロップダウンメニューが「中央揃え」になっているので、これを「左揃え」に変更します。
この操作だけで、見た目の違和感がかなり軽減されます。本格的なカスタマイズを行う前に、まずはこの設定を試してみることをお勧めします。
クラシックモードで何が変わるのか
クラシックモードへの変更は、単にスタートボタンの位置が変わるだけではありません。専用のツールなどを導入することで、Windows 11のユーザーインターフェースを多岐にわたって、より従来のWindowsに近い形へカスタマイズできます。
主に変更されるのは以下の3つの要素です。
- スタートメニューの形式 Windows 10のような、アプリ一覧とピン留め項目が左右に並ぶ形式や、さらに古いWindows 7風のメニュー表示を選択できるようになります。すべてのアプリにアクセスしやすくなり、目的のプログラムを素早く起動させることが可能です。
- タスクバーの機能拡張 Windows 11で廃止された、タスクバー上での右クリックメニュー(タスクマネージャーの起動など)が復活します。また、タスクバーの結合を解除したり、ラベルを表示させたりといった、細かいカスタマイズも可能になります。
- 右クリックメニュー(コンテキストメニュー)の表示 Windows 11の右クリックメニューは、主要な項目のみが表示されるシンプルな形式に変更され、すべての項目を表示するには「その他のオプションを表示」をクリックする必要があります。ツールやレジストリの変更によって、この一手間をなくし、常に従来の全項目が表示されるメニューに戻すことが可能です。
これらの変更によって、Windows 11の新しいデザインに馴染めない方でも、ストレスなく作業に集中できる環境を整えられます。
スタートメニューのレイアウトを調整
外部ツールを使わなくても、Windows 11の標準機能にはスタートメニューの使い勝手を向上させるためのカスタマイズ項目が用意されています。クラシック化とまではいきませんが、レイアウトを調整するだけで、より自分好みの環境を構築できます。
「ピン留め済み」アプリの整理
スタートメニューを開くと最初に表示される「ピン留め済み」のセクションは、よく使うアプリを配置するのに最適です。不要なアプリは右クリックして「スタートからピン留めを外す」を選択し、逆に追加したいアプリは「すべてのアプリ」一覧から右クリックで「スタートにピン留めする」を選びます。アイコンをドラッグ&ドロップすれば、好きな順番に並べ替えることもできます。
「おすすめ」セクションを非表示にする
スタートメニューの下半分を占める「おすすめ」セクションは、最近使ったファイルやインストールしたアプリを表示しますが、これを不要と感じる方も多いです。この表示は設定から消すことができます。
- 「設定」を開き、「個人用設定」>「スタート」と進みます。
- 「最近開いた項目をスタート、ジャンプリスト、ファイルエクスプローラーに表示する」のスイッチをオフにします。
これをオフにすると、「おすすめ」欄が空になり、ピン留めセクションをより広く使えるようになります。
特定のフォルダーへのショートカットを追加する
電源ボタンの隣に、エクスプローラーや設定、ダウンロードフォルダなど、特定の場所へ素早くアクセスできるショートカットアイコンを配置することが可能です。「設定」>「個人用設定」>「スタート」>「フォルダー」から、表示させたい項目をオンに切り替えるだけで設定が完了します。
Windows10風にする具体的な変更方法
Windows 11のスタートメニューを、より本格的にWindows 10風のクラシックスタイルへ変更するには、外部のカスタマイズツールを利用するのが最も一般的で効果的な方法です。中でも広く知られているのが、「Open-Shell-Menu」という無料のソフトウェアです。
このツールを導入することで、Windows 7やWindows 10のような使い慣れたスタイルのスタートメニューを再現できます。
Open-Shell-Menuの導入手順
- ダウンロード: まず、GitHubなどの公式サイトから「Open-Shell-Menu」の最新版セットアップファイルをダウンロードします。
- インストール: ダウンロードしたファイルを実行し、画面の指示に従ってインストールを進めます。途中の「Custom Setup」画面では、「Classic Explorer」と「Classic IE」は不要であればインストール対象から外すこともできます。
- 初期設定: インストール後、スタートボタンを初めてクリックすると設定画面が表示されます。ここで「クラシックスタイル」「クラシック with Two Columns」「Windows 7 スタイル」の中から好みのメニュー形式を選び、「OK」をクリックします。
これで、スタートボタンをクリックした際の表示が、選択したクラシックスタイルのメニューに切り替わります。アプリの一覧性や検索機能が向上し、Windows 10以前の操作感に近い環境が手に入ります。
フリーモードで試せるツールの紹介
「Open-Shell-Menu」以外にも、より高機能なカスタマイズを実現するツールが存在します。これらは有料のソフトウェアですが、多くは無料の試用期間(フリーモード)が設けられており、購入前に機能をじっくり試すことが可能です。
代表的なツールとして「StartAllBack」と「Start11」が挙げられます。
ツール名 | 価格 | 主な機能 | メリット | デメリット |
StartAllBack | 少数ライセンスで$4.99程度 | スタートメニュー、タスクバー、エクスプローラー、右クリックメニューの包括的なカスタマイズ | 軽量で動作が安定している。Windows 10の見た目を忠実に再現可能。 | 試用期間(100日)が終了すると一部機能に制限がかかる。 |
Start11 | $6.99程度 | 豊富なスタートメニューレイアウト(Windows 7/10/11風)、タスクバーの位置変更(上部配置など)、強力な検索機能 | カスタマイズの自由度が非常に高い。継続的なアップデートが期待できる。 | StartAllBackに比べると価格がやや高い。機能が豊富な分、設定項目が多い。 |
StartAllBack
Windows 11の見た目を、まるでWindows 10そのものであるかのように変更できるツールです。スタートメニューだけでなく、エクスプローラーのリボンUIやタスクバーの挙動まで細かくカスタマイズでき、全体的な操作感を統一したいユーザーに適しています。
Start11
開発元がStardock社ということもあり、信頼性と機能の豊富さが特徴です。Windows 10風はもちろん、複数のスタイルからメニューデザインを選べるほか、Windows 11のスタイルを維持したまま機能拡張を行うこともできます。タスクバーを画面の上部に移動させるなど、ユニークなカスタマイズも可能です。
これらのツールは、まず試用してみて、自身の使い方に合うかどうかを確認してから購入を検討するのが良いでしょう。
windows11 スタートメニュー クラシック化の注意点

- レジストリ編集のリスクと手順
- 設定ができない場合の主な原因
- 23H2アップデートによる影響
- windows11 スタートメニュー クラシック設定の総括
レジストリ編集のリスクと手順
ツールを使わずに特定の機能をクラシックスタイルに戻したい場合、Windowsの「レジストリ」を直接編集する方法があります。代表的な例が、右クリックメニューを常に全項目表示にする設定です。ただし、この方法はシステムの根幹に関わる部分を操作するため、相応のリスクを伴います。
レジストリ編集に伴うリスク
レジストリは、Windowsの動作に関する重要な設定情報が記録されているデータベースです。操作を誤ると、システムが不安定になったり、最悪の場合はWindowsが起動しなくなったりする危険性があります。そのため、レジストリを編集する前には、必ずシステムの復元ポイントを作成するか、編集対象のキーをエクスポートしてバックアップを取っておくことが不可欠です。
右クリックメニューをクラシック化する手順
自己責任のもとで慎重に操作を行う必要があります。
- 「Windowsキー + R」で「ファイル名を指定して実行」を開き、「regedit」と入力してレジストリエディターを起動します。
- アドレスバーに
HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\CLSID\
と入力し、Enterキーを押します。 - 左ペインの「CLSID」キーを右クリックし、「新規」>「キー」を選択します。
- 新しいキーの名前を
{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}
に変更します。 - 作成したキーをさらに右クリックし、同様に「新規」>「キー」で、キー名を
InprocServer32
とします。 InprocServer32
キーを選択し、右側のペインにある「(既定)」をダブルクリックします。「値のデータ」が空欄のまま「OK」をクリックします。- PCを再起動すると、右クリックメニューが従来のスタイルに変更されています。
前述の通り、この操作はリスクを伴うため、手順を正確に実行し、事前のバックアップを忘れないようにしてください。
設定ができない場合の主な原因
クラシック化を試みても、なぜか設定が反映されない、あるいはツールがうまく動作しない場合があります。その原因はいくつか考えられます。
OSのバージョンやアップデート
Windows 11は継続的にアップデートされており、大型の機能更新(例:22H2から23H2へ)によってシステムの内部仕様が変更されることがあります。このため、以前は有効だったレジストリの変更方法が使えなくなったり、カスタマイズツールが一時的に非対応になったりするケースは少なくありません。
管理者権限の問題
ツールのインストールやレジストリの変更には、管理者権限が必要です。特に、会社などで管理されているPCの場合、一般ユーザーのアカウントではシステム設定の変更が制限されていることがあります。この場合、情報システム部門などへの確認が必要になります。
セキュリティソフトの干渉
インストールされているウイルス対策ソフトなどが、カスタマイズツールの動作をシステムへの不正な変更と誤認識し、ブロックしてしまうことがあります。ツールが正常に動作しない場合は、一時的にセキュリティソフトの設定を見直すことで解決する可能性がありますが、安全性を十分に確認した上で実行してください。
これらの原因に心当たりがないか確認し、一つずつ対処していくことが解決への近道となります。
23H2アップデートによる影響
Windows 11のバージョン「23H2」をはじめとするメジャーアップデートは、セキュリティの強化や新機能の追加だけでなく、クラシック化を目指すユーザーにとっていくつかの重要な影響をもたらします。
レジストリ変更の無効化
特に大きな影響として、以前のバージョンで有効だった右クリックメニューをクラシック化するためのレジストリ編集が、バージョン22H2以降、セキュリティ上の理由から機能しなくなったという報告が多くあります。Microsoftが意図的にこの種のカスタマイズをブロックしている可能性が考えられます。
したがって、レジストリ編集に頼る方法は、将来的に利用できなくなるリスクが高いと認識しておく必要があります。
ツールの互換性
外部のカスタマイズツールも、OSのアップデート直後は互換性の問題が発生することがあります。開発者が迅速に対応し、アップデート版をリリースすることが多いですが、一時的にツールが使用できなくなる期間が生じるかもしれません。
StartAllBackやStart11のような有料ツールは、比較的OSのアップデートへの追従が早い傾向にありますが、それでも100%ではありません。ツールを導入する際は、公式サイトなどで最新のWindows 11バージョンへの対応状況を必ず確認することが大切です。
このように、OSのアップデートはクラシック環境の維持に直接影響します。常に最新の情報を収集し、使用しているツールが現在の環境に対応しているかを確認する習慣が求められます。
windows11 スタートメニュー クラシック設定の総括

- Windows 11のスタートメニューは標準で中央揃えにデザインされている
- 設定から簡単にタスクバーごと左揃えに変更することが可能
- 標準機能だけではWindows 10のような完全なクラシック表示は再現できない
- 使い慣れた昔のメニューを再現するには外部ツールの利用が最も効果的
- 代表的な無料ツールとしてOpen-Shell-Menuが広く利用されている
- StartAllBackやStart11はより高機能なカスタマイズが可能な有料ツール
- 有料ツールには無料の試用期間が設けられていることが多い
- ツールの導入はシステムの見た目や操作性を大きく改善する可能性がある
- 一方で外部ツールの利用には互換性やセキュリティのリスクが伴う場合がある
- レジストリの直接編集で右クリックメニューなどを変更する方法もある
- レジストリの操作ミスはシステムに深刻なダメージを与える危険性を持つ
- 作業前にはシステムのバックアップや復元ポイントの作成を必ず行う
- Windowsの大型アップデート(23H2など)で従来のカスタマイズ方法が使えなくなることがある
- ツールの互換性や最新の対応状況は公式サイトで確認することが不可欠
- 自分に合った方法を選択しリスクを理解した上で快適なPC環境を構築することが大切