Windows 11にアップグレードしてから、画像の表示が遅いと感じたり、使い慣れたWindows フォトビューアーが消えてしまって困っている方は多いのではないでしょうか。標準のフォトアプリは高機能ですが、単に写真を見たいだけなら昔のビューアーの方が軽快ですよね。実は、Windows 11でも簡単な手順でレジストリを操作したり、ツールをダウンロードすることで、あの懐かしいフォトビューアーを復活させることができます。しかし、いざ復活させてもメモリ不足で表示できないエラーや、背景色の変更方法、印刷できないといったトラブルに直面することもあります。この記事では、そうした不具合の解消法も含めて、Windows 11で快適な画像閲覧環境を取り戻す方法を徹底解説します。

- レジストリ操作やツールを使ってフォトビューアーを復元する手順
- メモリ不足エラーや印刷不具合の具体的な解決策
- 背景色を白や黒に変更して見やすくするカスタマイズ方法
- 標準フォトアプリと比較した際のメリットとデメリット
Windows 11でWindows フォトビューアーを完全復活させる手順
Windows 11では、表向きには旧来の「Windows フォトビューアー」は削除されたように見えますが、実はシステム内部(DLLファイル)としてまだ残っています。ここでは、隠された機能を呼び起こし、再び標準の画像ビューアーとして使えるようにするための具体的なメソッドを、初心者向けから上級者向けまでレベル別に紹介します。
レジストリ追加でフォトビューアーを復元
最も確実で標準的な方法は、Windowsのレジストリに「フォトビューアーを起動するための鍵」を追加することです。Windows 11の初期状態では、この鍵(関連付け情報)が欠落しているため、画像を開こうとしても選択肢に出てきません。
具体的には、メモ帳などのテキストエディタを使って、以下の内容を含む.regファイルを作成します。少しコードのように見えますが、これをコピーして保存し、実行するだけで設定が完了します。
Windows Registry Editor Version 5.00
[HKEY_CLASSES_ROOT\Applications\photoviewer.dll\shell\open]
"MuiVerb"="@photoviewer.dll,-3043"
[HKEY_CLASSES_ROOT\Applications\photoviewer.dll\shell\open\command]
@=hex(2):25,00,53,00,79,00,73,00,74,00,65,00,6d,00,52,00,6f,00,6f,00,74,00,25,
00,5c,00,53,00,79,00,73,00,74,00,65,00,6d,00,33,00,32,00,5c,00,72,00,75,00,
6e,00,64,00,6c,00,6c,00,33,00,32,00,2e,00,65,00,78,00,65,00,20,00,22,00,25,
00,50,00,72,00,6f,00,67,00,72,00,61,00,6d,00,46,00,69,00,6c,00,65,00,73,00,
25,00,5c,00,57,00,69,00,6e,00,64,00,6f,00,77,00,73,00,20,00,50,00,68,00,6f,
00,74,00,6f,00,20,00,56,00,69,00,65,00,77,00,65,00,72,00,5c,00,50,00,68,00,
0f,00,74,00,6f,00,56,00,69,00,65,00,77,00,65,00,72,00,2e,00,64,00,6c,00,6c,
00,22,00,2c,00,20,00,49,00,6d,00,61,00,67,00,65,00,56,00,69,00,65,00,77,00,
5f,00,46,00,75,00,6c,00,6c,00,73,00,63,00,72,00,65,00,65,00,6e,00,20,00,25,
00,31,00,00,00
[HKEY_CLASSES_ROOT\Applications\photoviewer.dll\shell\open\DropTarget]
"Clsid"="{FFE2A43C-56B9-4bf5-9A79-CC6D4285608A}"
上記のコードにあるDropTargetという項目が非常に重要です。これを含めないと、画像を開いても「次へ」「前へ」の矢印ボタンがグレーアウトして使えなくなります。多くの簡易的な解説記事ではここが抜け落ちていることが多いので注意してください。
専用の復活ツールをダウンロードして使う
「レジストリとかコードとか、ちょっと怖いな…」という方には、有志が作成したフリーソフトを使うのが一番手っ取り早いです。「Restore Windows Photo Viewer」などのツールを使えば、ボタン一つで設定を完了できます。
こうしたツールは、裏側で先ほどのレジストリ登録を自動で行ってくれるものです。JPGやPNGだけでなく、TIFFやBMPなども一括でWindows フォトビューアーに関連付けてくれる機能を持っているものもあり、非常に便利です。
フリーソフトをダウンロードする際は、必ず信頼できる配布元(VectorやGitHubなど)を利用してください。出所不明なサイトからのダウンロードはウイルス感染のリスクがあります。
コマンド入力で一括設定する方法
IT管理者の方や、複数のPCを一気に設定したい上級者の方には、PowerShellを使った一括登録がおすすめです。GUIツールを使わずに、コマンドラインだけで完結するため、キッティング作業(PCの初期設定)などに組み込むことも可能です。
PowerShellを管理者権限で開き、必要なレジストリキーを追加するスクリプトを実行します。これにより、HKEY_CLASSES_ROOT以下の必要な階層が一瞬で生成されます。手動でのミスを防げるという意味でも、慣れている方にはこの方法が最もスマートな解決策と言えるでしょう。
背景色を白や黒に変更するカスタマイズ
Windows フォトビューアーのデフォルトの背景色は、少し黄色がかった「オフホワイト」になっています。これだと、白い背景の画像(ロゴやアイコンなど)を確認する際に、境界線が分かりにくくて困ることがありますよね。
実はこれもレジストリを少しイジるだけで、真っ白(#FFFFFF)や真っ黒(#000000)に変更可能です。場所は以下の通りです。
- キー:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows Photo Viewer\Viewer - 値の名前:
BackgroundColor(DWORD 32ビット値) - 値のデータ:
ffRRGGBB形式(例:白ならffffffff)
値の先頭にある「ff」は不透明度を表しています。これを忘れて「ffffff」とだけ入力すると、色が正しく反映されないので注意してくださいね。
スライドショー機能で画像を閲覧する
Windows フォトビューアーには、シンプルながら強力なスライドショー機能が備わっています。フォルダ内の画像を順番に全画面で流してくれるこの機能は、イベントでの写真展示や、デジタルサイネージ的な用途にも意外と使えます。
正常にインストールされていれば、画面下部の中央にある再生ボタンのようなアイコンをクリックするか、キーボードのF11キーを押すだけでスタートします。もしこのボタンが押せない場合は、前述したDropTargetの設定がうまくいっていない可能性が高いです。レジストリを見直してみましょう。
Windows 11のWindows フォトビューアー不具合と解決策

無事に復活させたものの、「あれ?なんか変だぞ?」というトラブルに直面することもあります。ここでは、よくあるエラーや不具合の原因と、その具体的な対処法を解説します。特に「メモリ不足」のエラーは多くの人がハマる落とし穴です。
メモリ不足で画像が表示できない原因と対策
「この画像を表示できません。メモリ不足の可能性があります」
こんなエラーが出たことありませんか? 実際にPCのメモリ(RAM)が足りないわけではありません。実はこれ、モニターの「カラープロファイル」の相性問題なんです。
最近の広色域モニターや、特定のメーカー製(DellやLGなど)のドライバに含まれるICCプロファイル(バージョン4)を、古い設計のWindows フォトビューアーが正しく読み込めないために発生します。
- 検索ボックスに「色の管理」と入力してツールを開く。
- 「デバイス」タブで自分のモニターを選択。
- 「このデバイスに自分の設定を使用する」にチェックを入れる。
- 現在設定されているプロファイルを「削除」する。
- 「追加」ボタンから標準の「sRGB IEC61966-2.1」を追加し、「既定の設定」にする。
これで嘘のように画像が表示されるようになるはずです。私も初めてこのエラーに遭遇した時はメモリ増設を考えましたが、原因がここだと分かって拍子抜けしました。
印刷機能が動かない時の対処法
フォトビューアーから直接印刷しようとすると、反応がなかったりエラーが出たりすることがあります。これは、フォトビューアーの印刷機能がWindowsの古い印刷パイプライン(XPS Document Writerなど)に依存しているためです。
もし頻繁に印刷エラーが起きる場合は、無理にフォトビューアーから印刷しようとせず、その画像だけ一旦「フォト」アプリやブラウザ(EdgeやChrome)で開いてから印刷することをお勧めします。少し手間ですが、これが一番確実な回避策です。
標準フォトアプリが重いと感じる理由
なぜWindows 11標準の「フォト」アプリはあんなに重いのでしょうか? それは、単に画像を表示するだけでなく、AIによる画像解析、OneDriveとの同期、顔認識、高度な編集機能など、裏側で非常に多くのプロセスが動いているからです。
| 機能 | Windows フォトビューアー | 標準フォトアプリ |
|---|---|---|
| 起動速度 | 爆速(DLL呼び出しのみ) | やや遅い(アプリ初期化) |
| メモリ消費 | 非常に少ない | 多い(キャッシュ作成等) |
| 対応形式 | JPG, PNG, BMP等 | HEIC, WebP, RAWも対応 |
このように比較すると一目瞭然ですね。「ただ見られればいい」というユーザーにとっては、標準フォトアプリはオーバースペック気味と言えるでしょう。
矢印ボタンで画像送りできない時の直し方
画像を開いたのに、下の「次へ」「前へ」の矢印ボタンが消えていたり、グレーになって押せなかったりする現象。これは、フォトビューアーが「フォルダ内の他のファイル」を認識できていない状態です。
原因の多くは、先述したレジストリ設定のDropTargetキーの欠落です。また、エクスプローラー以外(特定のファイラーソフトなど)から画像を開いた場合にも発生することがあります。まずはレジストリが正しく設定されているかを確認し、基本的にはWindows標準のエクスプローラーからダブルクリックで開くように習慣づけると解決します。
Windows 11でWindows フォトビューアーを使う総括
Windows 11でWindows フォトビューアーを復活させることは、単なる懐古趣味ではありません。業務効率を上げるための合理的な選択です。特にスペックが低めのPCを使っている場合や、大量の画像をサクサク確認したい場合には、その恩恵を強く感じられるはずです。
ただし、HEIC形式(iPhoneの写真)やWebP形式には標準対応していないという弱点もあります。ご自身の用途に合わせて、標準フォトアプリと使い分けていくのが、最も賢いWindows 11との付き合い方かなと思います。

