パソコンの動きがおかしいなと感じてメモリ診断を回してみたものの、結果がどこにあるのか分からず戸惑っていませんか?ここでは、診断ツールを走らせた後に、その結果をどこでどうやって確認すればいいのか、具体的な手順を分かりやすく解説していきます。

診断のログをイベントビューアーで探す
Windowsのメモリ診断が完了してパソコンが再起動すると、画面の右下にちょっとだけ通知が出ることがあります。でも、すぐ消えてしまったり、詳しい内容が分からなかったりしますよね。そんな時は、Windowsに標準で備わっているイベントビューアーという機能を使って、詳細なログ(記録)を探しに行きましょう。
手順はそれほど難しくありません。以下のステップで進めてみてください。
- キーボードの「Windowsロゴキー」と「X」キーを同時に押してメニューを開き、「イベントビューアー」を選択します。
- イベントビューアーが開いたら、左側のメニューから「Windowsログ」を展開し、「システム」をクリックします。
- 真ん中の画面にずらっとシステムログが表示されますが、これだと探すのが大変ですよね。なので、右側のメニューにある「現在のログをフィルター」をクリックします。
- 出てきた画面で、「イベントソース」という項目を探して、そこのドロップダウンリストから「MemoryDiagnostics-Results」にチェックを入れます。そして「OK」を押します。
これで、メモリ診断に関する結果だけが絞り込まれて表示されるはずです。一覧の中から、一番新しい日時のログをクリックして、下半分の「全般」タブを見てみましょう。そこに診断の結果が書かれています。
イベントIDからのエラーの有無の見方
イベントビューアーでメモリ診断のログを見つけたら、次に注目してほしいのが「イベントID」という数字です。この数字を見るだけで、メモリに異常があったのかなかったのか、ざっくりと判断できるんですよ。
覚えておきたい2つのイベントID
- イベントID「1201」:エラーは検出されませんでした。つまり、物理的なメモリの故障は見つからなかったということです。まずは一安心ですね。
- イベントID「1202」:ハードウェアの問題が検出されました。これは、メモリに何らかの物理的な異常がある可能性が高いことを示しています。
もしイベントIDが「1201」だった場合、メモリの物理的な故障の線は薄くなります。それでもパソコンの調子が悪いなら、ソフトの競合やシステムファイルの破損など、別の原因を探る必要があります。
逆に、イベントIDが「1202」と出てしまった場合は注意が必要です。これはシステムからのかなり強い警告サインです。放置するとパソコンが突然クラッシュしたり、大事なデータが飛んでしまったりする危険性があります。早急に対処法を考える必要があります。
エラーが検出された場合の具体的な対処法
もしメモリ診断でエラー(イベントID 1202など)が出てしまった場合、「パソコンが壊れた!」と焦ってしまうかもしれませんが、落ち着いて対処しましょう。エラーが出たということは、問題の箇所がメモリ付近にあると特定できたということです。
まずは、被害を最小限に食い止めるために、すぐに大切なデータのバックアップを取ってください。写真や文書など、消えては困るものを外付けHDDやUSBメモリなどにコピーしておきましょう。
バックアップが終わったら、次に原因を切り分けていきます。エラーの原因は、必ずしもメモリ本体が壊れているからとは限りません。
考えられるエラーの原因
- メモリ自体が寿命や熱で壊れている
- メモリとマザーボードの接触が悪い(ホコリが入っているなど)
- 増設したメモリの相性が悪い
- マザーボードのメモリスロット側が壊れている
デスクトップパソコンなど、自分でケースを開けられる場合は、一度パソコンの電源を完全に落とし、コンセントを抜いてから、メモリを挿し直してみてください。接触不良が原因なら、これだけで直ることもあります。複数のメモリが挿さっている場合は、1枚ずつ挿して診断を繰り返し、どのメモリ(またはスロット)が原因なのかを特定する地道な作業が必要になります。
ノートパソコンなど分解が難しい場合や、自分で作業するのが不安な場合は、無理をせずにパソコンのメーカーサポートや修理専門業者に相談することをおすすめします。
診断が終わらない時の判断基準と所要時間
「メモリ診断を始めたはいいけど、全然パーセンテージが進まない…」と不安になった経験はありませんか?実はこれ、よくあることなんです。
Windowsのメモリ診断は、パソコンに積んでいるメモリの容量が大きいほど、時間がかかります。最近のパソコンだと16GBや32GBのメモリを積んでいることも珍しくありませんが、そうした環境で「標準」テストを行っても、数時間から半日近くかかることは決して異常ではありません。
また、診断中にパーセンテージ(例えば21%などで)がピタッと止まってしまうことがあります。「フリーズしたのかな?」と思ってしまいますよね。ですが、基本的にはしばらく放置して様子を見てください。裏では一生懸命テストを続けていることが多いんです。
異常と判断する目安の時間は?
いくら時間がかかるといっても、限度はあります。もし、特定のパーセンテージで完全に止まったまま「20時間以上」経過している場合は、処理に時間がかかっているのではなく、システムが深刻なフリーズを起こしている可能性が高いと判断しましょう。
このように、メモリ診断にはかなり時間がかかるものだと思って、寝る前やお出かけ前など、パソコンをしばらく使わないタイミングで実行するのが良いかもしれませんね。
途中でフリーズした際の強制終了と注意点
もしメモリ診断が完全にフリーズしてしまい、20時間待っても全く進まないような絶望的な状況になったら、どうすればいいのでしょうか。キーボードの「Esc」キーを押して中止できれば一番良いのですが、それすら反応しない場合は、やむを得ず強制終了するしかありません。
強制終了は、パソコンの電源ボタンを長押しして(大体5秒〜10秒くらい)、強引に電源を切る方法です。ただし、これにはリスクが伴います。
強制終了のリスクについて
強制終了は、Windowsのシステムファイルなどを壊してしまう二次災害を引き起こす可能性があります。本当にどうしようもない時の最終手段だと考えてください。
強制終了して再度パソコンの電源を入れた後、また同じようにフリーズしてしまう場合は、メモリ周辺のハードウェアにかなり深刻な問題が起きているサインかもしれません。周辺機器(USBメモリやプリンターなど)を全部外して再挑戦してみたり、メモリを挿し直してみたりしてもダメな場合は、専門家に診てもらうか、より高度な診断ツールを使うことを検討するタイミングと言えます。
Windowsのメモリ診断の結果に応じた対策

ここからは、メモリ診断の結果を受けて、実際にどう動いていけばいいのか、より踏み込んだ対策についてお話ししていきます。パソコンの不調を根本から解決するための次のステップへ進みましょう。
突然の再起動が頻発する原因を切り分ける
パソコンを使っている最中に、何の前触れもなく急にプツンと再起動してしまう。これは本当に心臓に悪いですよね。作業中のデータも飛んでしまいますし。メモリ診断でエラーが出なかった(イベントID 1201だった)のに、この「突然の再起動」が続く場合は、メモリ以外に原因があると考えられます。
突然の再起動を引き起こす原因は、本当に様々です。ハードウェアとソフトウェア、両方の面から切り分けていく必要があります。
- 熱暴走:パソコン内部にホコリが溜まってファンがうまく回らず、CPUなどの温度が上がりすぎて安全装置が働き、強制再起動しているケースです。
- 電源の寿命・容量不足:電源ユニットが劣化して安定した電力を供給できていなかったり、パーツを増設したせいで電力が足りなくなっていたりするケースです。
- デバイスドライバの不具合:グラフィックボードなどのドライバが古かったり壊れていたりすると、システムと衝突して再起動を引き起こすことがあります。
- Windowsのシステムファイルの破損:OSの中核となるファイルが壊れていると、正常な動作を維持できなくなります。
まずは通風孔の掃除をして熱対策をしてみたり、グラフィックドライバを最新のものに更新してみたりと、比較的簡単にできることから試して、原因を一つずつ潰していくのが近道です。
メモリの抜き差しによる物理的な修復手順
デスクトップパソコンなどをお使いで、自分でケースを開けることに抵抗がない方向けの、古典的ですが効果的な対処法をご紹介します。それが「メモリの抜き差し(挿し直し)」です。
メモリのエラーは、実はメモリ自体が壊れているのではなく、「ただ接触が悪いだけ」というケースが結構な頻度であります。長年使っていると、振動で少し抜けかけていたり、端子部分に微細なホコリや酸化膜が付いたりして、うまく通信できなくなるんです。
メモリの抜き差しの手順と注意点
- 電源を切る:パソコンをシャットダウンし、コンセントから電源ケーブルを抜きます。これ絶対に忘れないでくださいね。
- 放電する:電源ケーブルを抜いた状態で、パソコンの電源ボタンを数回押すか、そのまま数分放置して、内部の電気を完全に逃がします。
- 静電気対策:金属製のドアノブなどを触って、自分の体の静電気を逃がしておきましょう。静電気はパソコンパーツの大敵です。
- メモリを抜く:メモリスロットの両端にあるツメを外側に押し広げると、メモリがポンと浮き上がります。両端を優しく持って引き抜きます。
- 掃除して戻す:必要ならエアーダスターでスロットのホコリを飛ばし、メモリを元の場所にカチッとツメが閉まるまでしっかり奥まで挿し込みます。
もしメモリが複数枚あるなら、最初は1枚だけ挿してパソコンが起動するか、エラーが出ないかを確認する「最小構成」でのテストをすると、より確実に原因を特定できますよ。
MemTest86を使ったより高度な検査
Windows標準のメモリ診断ではエラーが出ないのに、どうしてもメモリが怪しい…。そんな時に登場するのが、世界中のエンジニアも御用達の「MemTest86」というサードパーティ製の診断ツールです。
このツールのすごいところは、Windowsを起動せずに、USBメモリなどから直接ツールだけを立ち上げて検査を行う点です。WindowsというOSの仕組みを通さないので、よりハードウェアの深い部分まで、徹底的かつ厳密にテストしてくれます。
ただし、使うための準備が少しだけ大変です。
- MemTest86の公式サイト(英語)からファイルをダウンロードする。
- 専用のソフトを使って、USBメモリを「MemTest86が起動できるUSBメモリ(ブータブルUSB)」にする。
- パソコンの電源を入れた直後にBIOS(UEFI)の設定画面を開き、起動の順番を「Windowsが入っているHDD/SSD」から「さっき作ったUSBメモリ」に変更する。
少し専門的な知識が必要になりますが、どうしても原因が分からないような厄介なトラブルに直面した時には、非常に頼りになるツールです。「Windows メモリ診断」の限界を感じたら、挑戦してみる価値はあります。
部品交換の前のバックアップとデータ復旧
色々と調べた結果、「やっぱりメモリが壊れてる」「マザーボードの故障かも」と結論が出て、メーカーに修理に出したり、パーツを交換したりすることになったとしましょう。ここで絶対に忘れてはいけないのが、データの保全です。
メーカー修理に出す場合、多くの場合で「パソコンの初期化(工場出荷状態に戻すこと)」が行われます。修理の過程で正常に動作するか確認するためには必要な手順なのですが、これによって、あなたの保存していた写真も書類も、すべて消え去ってしまいます。
修理に出す前の必須アクション
もしパソコンがなんとか起動する状態なら、必ず外付けHDDなどに重要なデータをバックアップしてください。
もし「パソコンが頻繁にフリーズしてバックアップどころじゃない」とか「もうWindowsすら起動しない」といった状況で、中に絶対に取り出したい大事なデータが入っている場合は、修理に出す前に立ち止まってください。無理に起動を繰り返すと、状態を悪化させる恐れがあります。
そういった場合は、パソコンの修理ではなく、「データ復旧の専門業者」に相談することを強くおすすめします。彼らはパソコンを直すのではなく、中から安全にデータだけを救出するプロフェッショナルです。最終的な判断はご自身の状況に合わせて慎重に行ってくださいね。
Windowsのメモリ診断の結果の総まとめ
ここまで、パソコンの不調と向き合うための方法をいろいろと見てきました。Windowsのメモリ診断の結果は、パソコンの健康状態を知るための重要な第一歩です。
診断をかけてイベントビューアーで結果を確認し、「エラーなし(1201)」ならひとまず安心ですし、「エラーあり(1202)」ならすぐに対処が必要だと分かります。時間がかかったりフリーズしたりしても、今回ご紹介した判断基準を持っていれば、慌てずに対応できるはずです。
原因がソフトにあるのか、ハードにあるのか。物理的な抜き差しで直るのか、それともMemTest86のような高度なツールが必要か。そして何より、データをどう守るか。この記事でお話しした内容が、あなたのパソコンライフのトラブルシューティングの一助になれば嬉しいです。どうしても解決しない場合は、無理せず専門家の力を借りることも選択肢に入れてみてくださいね。

