ある日突然パソコンの電源を入れたら、画面が真っ暗なままWindowsが起動しない。黒い画面に白い文字で「Windows Boot Manager」というエラーメッセージが表示されて先に進めない。そんな経験はありませんか。仕事の資料や家族との大切な思い出の写真が消えてしまったらどうしようと、本当に焦りますよね。実はこのトラブル、Windows10やWindows11のシステムファイルが少しおかしくなっているだけで、適切なコマンドを使えば修復できることが多いんです。業者に高い修理代を払ってパソコンを預ける前に、まずは自分でできる対処法を試してみる価値は大いにあります。

- Windows Boot Managerが破損して起動しない原因と見分け方がわかります
- 黒い画面やブルースクリーンが出た時の初期診断と対処法を学べます
- コマンドプロンプトを使ってWindowsを自力で修復する手順を習得できます
- 万が一修復できなかった場合にデータを救出する裏技を知ることができます
Windows Boot Managerの修復に必要な診断
パソコンが起動しなくなると、つい焦っていきなり難しいコマンドを入力したくなりますが、それはちょっと待ってください。まずは落ち着いて、現在の状況を正しく診断することが解決への近道です。ここでは、修復作業に入る前に確認すべき基本的なポイントや、Windowsの標準機能を使った初期対応について解説します。
パソコンが起動しない画面真っ暗な症状の確認
まず最初に、画面にどのようなエラーが出ているかを確認しましょう。「Windows Boot Manager」という言葉が含まれるエラー画面は、Windowsを起動させるための案内役(ブートマネージャー)が道に迷っている状態です。特に多いのが、黒い画面に白い文字で英語のメッセージが表示されるケースですね。
よく見かけるエラーコードには0xc000000eや0xc000000fなどがあります。これらは「起動に必要なファイルが見つからない」とか「設定ファイルが壊れている」といった意味合いが強いです。一方で、「Boot Device Not Found」や「Operating System not found」といったメッセージの場合は、そもそもハードディスクやSSDが見つかっていない可能性もあります。
画面が真っ暗でカーソルだけが点滅している場合や、メーカーロゴの後にすぐ電源が落ちる場合など、症状によって対処法が少しずつ変わってきます。「昨日までは普通に使えていたのに…」という場合でも、Windows Updateの失敗や、ちょっとした強制終了が引き金になっていることも多いんですよ。
BIOS設定でHDDやSSDが認識しない時の対処
ソフトウェアの修復を試す前に、もっと根本的な部分、つまり「部品として認識されているか」を確認する必要があります。これを飛ばしていきなりコマンドを打っても、物理的に壊れていたら意味がないですからね。
確認方法は、PCの電源を入れた直後にF2キーやDeleteキー(メーカーによって違います)を連打してBIOS/UEFI画面に入ることです。この画面の「Information」や「Main」といったタブの中に、HDDやSSDの型番が表示されているかチェックしてください。
もしここに「None」や「Empty」と表示されていたら要注意です。ストレージが物理的に認識されていません。ケーブルの接触不良か、ストレージ自体の故障(寿命)の可能性が高いです。
物理的に認識していない場合は、残念ながらこの記事で紹介するコマンド修復では直りません。無理に通電を続けるとデータ復旧の確率が下がってしまうので、専門業者への相談を検討したほうが良いかもしれません。
エラーコード0xc000000e等の原因を特定
BIOSでストレージが認識されているなら、次はエラーコードから原因を絞り込みましょう。「Status: 0xc000000e」や「0xc000000f」が表示されている場合、これはWindowsの起動設定データ(BCDストア)が破損している可能性が非常に高いです。
BCDストアというのは、Windowsがどこにあるかを記録した地図のようなものです。この地図が破れたり、間違った場所を指していたりすると、パソコンはWindowsを見つけられずに迷子になってしまいます。この場合、後ほど紹介するbcdbootコマンドなどで地図を作り直してあげれば、嘘のように直ることがあります。
逆に「0xc0000001」などのエラーは、必要なデバイスにアクセスできない、あるいはドライバーファイルが壊れているケースが多いですね。エラーコードは、私たちに「どこを直せばいいか」を教えてくれる重要なヒントなんです。
周辺機器を外して放電し再起動を試す
意外と見落としがちなのが、USBメモリや外付けハードディスク、プリンターなどの周辺機器が悪さをしているケースです。パソコンは起動時に「どのデバイスからOSを読み込むか」を順番に確認します。もしUSBメモリなどが挿さっていると、そちらを優先して読み込もうとして失敗し、エラーになっているだけかもしれません。
すべての周辺機器を取り外し、電源ケーブル(ノートPCならバッテリーも可能なら)を抜いて、数分間放置してみてください。これを「放電」と言います。
パソコン内部に溜まった不要な電気が抜けることで、動作がリセットされて正常に起動することがあります。「そんな単純なことで?」と思うかもしれませんが、トラブルシューティングの基本中の基本として、私も必ず最初に試すようにしています。
Windows回復環境でスタートアップ修復を行う
Windowsには、自分で自分を直す「自動修復機能」が備わっています。起動に2回連続で失敗すると、3回目に「自動修復を準備しています」という画面が出て、青い背景の回復環境(Windows RE)に入ることができます。もし自動で入らない場合は、Windowsのインストールメディア(USBなど)から起動して「コンピューターを修復する」を選ぶ方法もあります。
回復環境に入れたら、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ修復」を選んでみてください。これだけで直ればラッキーです!ただ、私の経験上、Windows Boot Manager系の深刻なエラーだと、「スタートアップ修復でPCを修復できませんでした」と表示されてしまうことも多いですね。
自動修復で直らなかったとしても、諦める必要はありません。ここからが本番、コマンドプロンプトを使った手動修復の出番です。
コマンドでWindows Boot Managerを修復する手順

自動修復でもダメだった場合、いよいよコマンドプロンプトを使って、壊れたブート情報を直接書き換える作業を行います。ここが一番の難所ですが、手順通りにやれば大丈夫です。ただし、お使いのパソコンが「UEFI」か「Legacy BIOS」かによって使うコマンドが全く違うので、そこだけはしっかり確認していきましょう。
UEFIとLegacyの判別とドライブの確認
最近のWindows 10やWindows 11のパソコンは、ほとんどがUEFI(GPT)という新しい仕組みで動いています。一方で、Windows 7時代からアップグレードして使っている古いパソコンなどはLegacy BIOS(MBR)の可能性があります。
この2つはブートの仕組みが根本的に違います。ネット上の記事でよく見る「bootrec /fixmbr」というコマンドは、実は古いLegacy用なんです。UEFIのパソコンでこれをやっても効果がなかったり、最悪の場合エラーが悪化したりします。
Windows 11はUEFIが必須要件なので、Win11ならほぼ間違いなくUEFIです。Win10でもここ数年のモデルならUEFIが標準ですね。
まずは回復環境の「コマンドプロンプト」を開いて、メモ帳(notepad)を起動する裏技を使って、Windowsがどのドライブにあるか確認しましょう。コマンドプロンプトでは、普段Cドライブだと思っている場所がDドライブなどになっていることがよくあるからです。
UEFI環境でbcdbootコマンドを実行する方法
UEFI環境の場合、Windows Boot Managerの実体は、実はCドライブではなく「EFIシステムパーティション(ESP)」という隠し部屋にあります。修復するには、この隠し部屋にアクセスする必要があります。
手順としては、まずdiskpartというツールを使って、隠れているEFIパーティションに一時的にドライブ文字(例えばSドライブなど)を割り当てます。この作業がちょっとエンジニアっぽくて緊張しますね。
diskpart→list volで、100MB〜260MBくらいの「FAT32」形式のパーティションを探します。これがEFIパーティションです。select vol X(Xは番号) →assign letter=SでSドライブにします。exitでdiskpartを終了します。
ここまで準備できたら、いよいよ修復コマンドの主役、bcdbootの登場です。以下のコマンドを入力します。
bcdboot C:\Windows /s S: /f UEFI /l ja-jp
※「C:\Windows」の部分は、先ほど確認したWindowsの場所に合わせて書き換えてください。
これを実行して「ブートファイルは正常に作成されました」と出れば成功です!これは、壊れたブートファイルをSドライブ(EFIパーティション)に新しく作り直して上書きする操作になります。これで再起動すれば、Windowsが復活するはずです。
Legacy環境でbootrecコマンドを使う手順
もしお使いのPCが古いLegacy BIOS(MBR)環境であれば、昔ながらのbootrecコマンドが有効です。この場合は手順が比較的シンプルです。
コマンドプロンプトで以下のコマンドを順番に実行していきます。
bootrec /fixmbr(MBRの修復)bootrec /fixboot(ブートセクタの修復)bootrec /rebuildbcd(BCDストアの再構築)
基本的にはこれだけで直ることが多いですが、最近のWindows 10以降では、2番目の/fixbootでつまずくケースが増えています。
bootrecでアクセスが拒否された時の解決策
「bootrec /fixboot」と打った瞬間に、「アクセスが拒否されました」と冷たく返されることがあります。これ、本当によくあるトラブルなんです。こうなると焦りますが、対処法はあります。
一つの方法は、bootsect /nt60 sysというコマンドを使って、ブートセクタを強制的に上書きすることです。これを実行してから、もう一度bootrec /fixbootを試すと通ることがあります。
それでもダメなら、Legacy環境でも実はbcdbootコマンドが使えます。むしろこちらの方が強力です。
bcdboot C:\Windows /s C: /f BIOS /l ja-jp
Legacy環境では、通常Windowsと同じパーティションにブート情報があることが多いので、コピー元も先もCドライブ(またはシステム予約領域のドライブ文字)を指定します。これでアクセス拒否を回避して修復できることが多いですよ。
起動しないPCからコマンドでデータ救出する
「コマンドも全部試したけど、どうしても起動しない…」そんな最悪のケースでも、データだけは救い出せる可能性があります。これを知っているだけで、心の余裕が全然違います。
回復環境のコマンドプロンプトでnotepadと入力してエンターキーを押すと、なんと「メモ帳」が起動します。このメモ帳の「ファイル」メニューから「開く」を選んでみてください。すると、エクスプローラーのような画面が出てきて、PC内のファイルが見えるんです!
この画面で「ファイルの種類」を「すべてのファイル」に変更すれば、写真やドキュメントを右クリックしてコピーし、USBメモリなどに貼り付けることができます。
専用の復旧ソフトがなくても、Windows標準機能だけでデータをバックアップできる、まさに裏技的なテクニックです。初期化する前に、これだけは必ずやっておきましょう。
Windows Boot Managerの修復ができない時
ここまで紹介した手順、特にbcdbootコマンドでの再構築を試しても改善しない場合、ファイルシステム自体が深刻なダメージを受けているか、SSDやHDDの物理的な寿命が近づいている可能性が高いです。
chkdsk c: /f /r(チェックディスク)というコマンドで修復を試みる手もありますが、物理故障しかけているドライブにこれをやると、トドメを刺して完全に壊れてしまうリスクもあります。異音がする場合などは絶対に避けてください。
最終的には、先ほどのメモ帳テクニックでデータを救出した上で、Windowsの「初期化(リセット)」や「クリーンインストール」を行うのが、最も確実な解決策になります。手間はかかりますが、システムが綺麗になれば動作も軽快になりますから、新しいスタートだと割り切るのも一つの手かなと思います。

