Windows 11 25H2へアップデートしたらパソコンが起動しない、あるいは動作が重いといった不具合に直面していませんか。SSDがRAW状態になってデータが消えたように見える現象や、更新通知が来ても待つべきか悩んでいる方も多いはずです。今回の大型アップデートはAI機能の強化など魅力的な反面、深刻なトラブルも報告されています。この記事では私が実際に調査した情報をもとに、これらの問題への具体的な対処法を分かりやすく解説します。

- 起動しない、ブルースクリーンが出る場合の緊急回復手順
- SSDが認識しない時に絶対にやってはいけない危険な操作
- ゲームや動作が重くなる原因と設定変更による改善方法
- Wi-Fi接続不良やプリンター不具合の解決策と修正パッチ情報
Windows 11 25H2の不具合と起動しない問題
今回の25H2アップデートでは、適用直後にPCが全く起動しなくなったり、特定の条件下でインストール自体が失敗したりする深刻なケースが確認されています。ここでは、多くのユーザーを悩ませている起動トラブルや致命的なエラーへの対処法を、順を追って解説していきます。
25H2で起動しない致命的なエラーの対処法
アップデート直後に「UNMOUNTABLE_BOOT_VOLUME」などのエラーコードとともにブルースクリーンが表示され、Windowsが起動しなくなる現象が報告されています。これは、更新プログラムに含まれるドライバやブートローダーが、既存のシステム構成と競合して起きることが多いです。
もしこの状態に陥ってしまった場合、まずは慌てずに回復環境(WinRE)を呼び出す必要があります。電源ボタンの長押しによる強制終了を2回〜3回繰り返すと、自動的に「自動修復」の画面が表示されます。
推奨される復旧手順
- 回復環境のメニューから「トラブルシューティング」→「詳細オプション」を選択します。
- 「スタートアップ修復」を実行し、軽微なエラーが直るか試します。
- それでもダメな場合は、「更新プログラムのアンインストール」から「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」を選んでください。
この手順で、原因となっている更新プログラム(例えばKB5074109など)が削除され、以前の正常な状態で起動できるようになる可能性が高いです。周辺機器(USBメモリや外付けHDD)がつながっている場合は、それらが起動の邪魔をしていることもあるので、すべて取り外してから作業することをおすすめします。
SSDがRAW化し認識しない場合の絶対的禁忌
「データが消えた!?」と最も焦るのがこの現象です。特定のNVMe SSD(特にPhison製コントローラー搭載モデル)を使用している環境で、アップデート後にファイルシステムが「NTFS」から「RAW」という未フォーマット状態に変わってしまう不具合が確認されています。
ここで絶対に守っていただきたい、非常に重要な注意点があります。エラーチェック(CHKDSKコマンド)は絶対に実行しないでください。
【警告】データ消失のリスク
RAW状態のドライブに対してCHKDSK(チェックディスク)をかけると、OSが管理情報を無理やり修正しようとして、データを「孤立したファイル」として削除したり、上書きしたりする恐れがあります。これを行うと、プロの業者でも復旧不可能になるほどデータが破壊される可能性があります。
この現象は、SSDのコントローラーとOSの書き込み制御の不整合で起きていると考えられます。直ちにPCの使用を中止し、通電時間を最小限に抑えてください。そして、信頼できるデータ復旧の専門家に相談するのが、大切なデータを守るための最善策です。
インストールできない際のエラーコードと解決策
更新プロセスが途中で止まり、エラーコードが出て元のバージョンに戻されてしまうこともよくあります。特によく見かけるのが「0x800f0991」や「0xc1900101」といったコードです。
「0x800f0991」はシステムファイルの不整合を示しています。25H2は「イネーブルメントパッケージ」という形式で提供されるため、ベースとなるファイルに破損があると機能の有効化に失敗します。この場合、コマンドプロンプトでシステムファイルチェッカー(sfc /scannow)を実行すると改善することがあります。
0xc1900101エラーの場合
こちらはドライバーの互換性問題であることが多いです。古いSSDドライバーや、VPNソフトが邪魔をしている可能性があります。アップデート前にVPNソフトを一時的にアンインストールし、GPUやチップセットのドライバーを最新版に更新しておくと、すんなり通ることがあります。
25H2への更新は待つべきか判断する基準
ここまで不具合を見てくると、「そもそも今すぐ更新すべきなのか?」と迷いますよね。結論から言うと、業務でPCを使っている方や、現状で困っていない方は、もう少し様子を見ても良い(待つべき)だと私は思います。
特に、今回の不具合はストレージやネットワークといった基幹部分に関わるものが多いため、リスクが高いです。Microsoftも順次修正パッチを出していますので、それらが出揃って安定したという情報が増えてから適用しても遅くはありません。
ただし、25H2には重要なセキュリティ更新も含まれています。セキュリティ意識が高い方や、最新のAI機能(Copilot+ PC機能など)を試したい方は、必ず「システムの完全バックアップ」を取った上でチャレンジしてください。バックアップさえあれば、万が一の時も元の状態に戻せます。
Wi-Fiが繋がらないネットワーク障害の修正
Wi-Fiアイコンは繋がっているのに「インターネットなし」となる、あるいは頻繁に切断される。これもストレスが溜まる不具合です。特にセキュリティ強度の高い「WPA3」という規格を使っている環境で、ハンドシェイク(認証)の不整合が起きているようです。
この問題に対しては、修正パッチ(KB5077181など)が配信されていますので、まずはWindows Updateを確認してみてください。もしパッチが当たらない、あるいは直らない場合は、一時的な回避策があります。
一時的な回避策
ルーター側の設定で、暗号化方式を「WPA3」から一時的に「WPA2-Personal」に変更してみてください。セキュリティ強度は若干下がりますが、接続の安定性は格段に向上するはずです。
Windows 11 25H2の不具合で動作が重い時の対策

PCは起動するけれど、なんだか以前より動作がモッサリする、ゲームがカクつく…。これも地味ながら辛い症状です。ここでは、パフォーマンス低下の原因と、快適さを取り戻すための設定テクニックをご紹介します。
更新後にPCが重いと感じる原因と解決策
何もしていないのにCPU使用率が高いまま下がらない場合、「ゾンビプロセス」が原因かもしれません。タスクマネージャーを閉じても裏でプロセスが残り続け、リソースを食いつぶしてしまうバグが報告されていました。
これはOSのビルド自体に起因する問題でしたが、幸いなことに修正用の更新プログラム(KB5068861等)が出ています。「設定」→「Windows Update」から、最新の更新プログラムが適用されているか必ずチェックしてください。
また、更新直後はインデックスの再構築などが裏で走るため、一時的に重くなることはよくあります。数時間〜半日程度放置して、それでも重い場合はシステムの不具合を疑ってみましょう。
ゲームが重い時に確認すべき設定と修正パッチ
RTX 4070などの高性能なグラフィックボードを積んでいるのに、ゲーム中に一瞬画面が固まる「スタッター(カクつき)」が起きることがあります。これは、Windowsのセキュリティ機能である「Control Flow Guard (CFG)」が、ゲームの処理と干渉している可能性があります。
システム全体でCFGを無効にするのはセキュリティ上おすすめできませんが、特定のゲームに対してのみ無効化することで改善するケースが多いです。
CFGを個別無効化する手順
- Windowsセキュリティを開き、「アプリとブラウザーコントロール」→「Exploit Protectionの設定」に進みます。
- 「プログラム設定」タブを選び、対象のゲームの実行ファイル(.exe)を追加します。
- 「制御フローガード (CFG)」の設定を探し、「システム設定の上書き」にチェックを入れ、「オフ」にします。
※設定変更は自己責任となりますが、FPSゲームなどでカクつきに悩んでいる方は試す価値があります。
プリンターやスキャナーが動かない時の対処
「印刷はできるのにスキャンができない」「PCからプリンターが見つからない」。これはネットワーク探索に使われる「WSD」というプロトコルが、更新によって不安定になっていることが原因かもしれません。
この場合、プリンタードライバーを再インストールするだけでは直らないことがあります。確実なのは、不安定なWSDを使わず、IPアドレスを指定してプリンターを追加する方法です。
プリンターのプロパティから「ポート」タブを開き、「TCP/IPポートの追加」を行ってください。プリンターのIPアドレス(例: 192.168.1.10 など)を直接入力して接続することで、OSの探索機能に依存せず安定して通信できるようになります。
2026年のセキュアブート証明書期限切れ問題
これは今の不具合というより、近い将来確実に起こる「2026年問題」として知っておいてほしいことです。Windowsの起動を守る「Secure Boot」の証明書が、2026年に期限切れを迎えます。
25H2には新しい証明書が含まれていますが、それを受け入れるためには、PC本体(マザーボード)のBIOS/UEFIも新しくなっている必要があります。もしBIOSが古いまま放置されていると、将来的にOSが起動しなくなるリスクがあります。
今やるべきこと
お使いのPCメーカー(DELL、HP、自作ならマザーボードメーカー)の公式サイトをチェックし、最新のBIOSアップデートがないか確認してください。BIOS更新は失敗するとPCが起動しなくなるリスクもある作業なので、手順をよく読んで慎重に行ってください。
Windows 11 25H2の不具合まとめと修正状況
最後に、今回解説した主な不具合と対処法を表にまとめました。ご自身の状況と照らし合わせて活用してください。
| 不具合の症状 | 原因の可能性 | 推奨される対処アクション |
|---|---|---|
| 起動しない・ブルースクリーン | 更新プログラムの競合 | WinREから「更新のアンインストール」を実行 |
| SSDがRAW表示になる | コントローラー制御不良 | 使用中止し専門家へ相談(CHKDSKは禁止) |
| Wi-Fiが繋がらない | WPA3のハンドシェイク不全 | 修正パッチ適用またはWPA2へ変更 |
| ゲームがカクつく | CFG(セキュリティ)の干渉 | Exploit ProtectionでCFGを個別無効化 |
| スキャナーが動かない | WSDプロトコルの不調 | TCP/IPポート指定で再設定 |
Windows 11 25H2は便利な機能も多いですが、環境によっては調整が必要です。まずはバックアップをしっかり取り、不具合が起きたら焦らず一つずつ対処していきましょう。この記事があなたのPCトラブル解決の一助になれば幸いです。
免責事項
本記事の情報は執筆時点での調査に基づきます。個々の環境によって結果が異なる場合がありますので、操作を行う際は自己責任でお願いいたします。正確な情報はMicrosoft公式サイトをご確認ください。また、ハードウェアの故障が疑われる場合は、メーカーや専門家にご相談ください。

