Windows 11搭載パソコンを購入する際や自作PCを組むときに迷ってしまうのがエディション選びですよね。ProとHomeのどっちがいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。実は見た目はほとんど同じですが、メモリ制限やBitLockerによるセキュリティ機能、そしてリモートデスクトップの使い勝手など、見えない部分で大きな違いがあるんです。今回はあとからアップグレード価格を払って変更する手間を省くためにも、それぞれの機能差やゲーム性能への影響について分かりやすく解説していきますね。

- メモリ容量やCPUなどのハードウェア制限の違い
- BitLockerやリモートデスクトップ機能の有無
- ビジネス用途やゲーム性能における適正な選択
- 後からProへアップグレードする際の費用と手順
Windows 11 ProとHomeの機能的な違いを比較
まずは、両エディションのスペック面での決定的な違いを見ていきましょう。普段使いでは気にならない部分も多いですが、特定の用途では「Homeでは動かない」という事態になりかねません。ここではハードウェアの制限からセキュリティ機能まで、重要なポイントをピックアップして解説します。
メモリ容量の上限と最大RAMの違い
パソコンの作業スペースとも言えるメモリ(RAM)ですが、実はエディションによって認識できる最大容量が異なります。Windows 11 Homeの上限は128GBであるのに対し、Proでは驚異の2TBまでサポートされています。
「128GBもあれば十分では?」と思われるかもしれませんね。確かに、Web閲覧やオフィス作業、一般的なPCゲームであれば32GBや64GBでもお釣りが来るレベルです。しかし、最近は動画編集ソフトで8K映像を扱ったり、AI(人工知能)開発で大規模なデータを読み込ませたりするケースが増えています。
CPUのソケット数やコア数制限の違い
CPU(プロセッサー)の対応数にも明確な線引きがあります。Windows 11 HomeはCPUソケットが1つまで、コア数は64個までという制限があります。一方、Proは2つのCPUソケットと128個までのコアを認識できます。
これは一般的なCore i7やRyzen 7などを使用する自作PCユーザーにはあまり関係のない話ですが、サーバー向けのXeonやThreadripperといった特殊なCPUを使って「最強のワークステーション」を作りたい場合には致命的です。せっかく高価なデュアルCPUマザーボードを用意しても、Homeでは片方のCPUがただの飾りになってしまうからです。
BitLockerによる暗号化機能の有無
セキュリティ面で最も大きな違いと言えるのが「BitLocker」です。これは万が一PCが盗難に遭ったり紛失したりした場合でも、ドライブ全体を暗号化してデータを読み取れなくする強力な機能です。
Homeにも「デバイスの暗号化」という簡易的な機能はありますが、回復キーの保存先がMicrosoftアカウントに強制されるなどの制約があります。対してProのBitLockerは、USBメモリなどのリムーバブルドライブを暗号化する「BitLocker To Go」が使えたり、暗号化の強度を細かく設定できたりと、管理の自由度が段違いです。
リモートデスクトップのホスト機能の違い
外出先から自宅や会社のPCを操作したいときに便利なのが「リモートデスクトップ」です。ここで注意したいのが、Homeは「クライアント(操作する側)」にはなれても、「ホスト(操作される側)」にはなれないという点です。
つまり、Homeが入ったPCを、別の場所から遠隔操作することは標準機能ではできません。ChromeリモートデスクトップやTeamViewerなどの外部ソフトを使えば可能ですが、画質や操作のレスポンス、セキュリティの安定感においては、OS標準のリモートデスクトップ機能(RDP)に軍配が上がります。
Hyper-Vやサンドボックスなど仮想化機能
開発者や新しいソフトを試したい方にとって、Pro専用の仮想化機能は非常に魅力的です。特に「Windows Sandbox」は、現在の環境から隔離された使い捨てのデスクトップ環境を瞬時に作り出せます。
怪しいフリーソフトを動作確認したいときや、ウイルス感染のリスクがあるファイルをどうしても開かなければならないとき、Sandbox内で実行すればメインのPCには一切影響を与えません。Sandboxを閉じれば全て消去されるため、常にクリーンな状態で検証が可能です。
ゲーム性能や動作速度に違いはあるか
よく「Proの方が機能が多い分、動作が重いのでは?」あるいは逆に「Proの方が高性能だからゲームも速いのでは?」という疑問を耳にします。結論から言うと、ゲームのフレームレート(FPS)や基本的な動作速度に違いはありません。
Proには多くのバックグラウンドサービスが含まれていますが、それらは使っていない限りリソースを消費しないように設計されています。むしろ、ProであればWindows Updateによる再起動のタイミングを細かく制御できるため、大事なランクマッチ中に勝手に再起動される事故を防げるという点では、ゲーマーにとってProが有利と言えるかもしれません。
Windows 11 ProとHomeの違いから見る選び方

機能差が分かったところで、次は実際の運用シーンに合わせて「結局どちらを選ぶべきか」を深掘りしていきましょう。コストパフォーマンスと将来性のバランスをどう取るかが鍵になります。
ローカルアカウント設定とネット接続要件
Windows 11の初期セットアップ(OOBE)では、Home・Pro問わずインターネット接続とMicrosoftアカウントの作成が原則必須となりました。しかし、Proにはセットアップ時に「職場または学校用に設定する」という選択肢が用意されています。
このルートを経由することで、組織のアカウントでセットアップを進めたり、特定の条件下でローカルアカウントでの運用を開始しやすくしたりする抜け道的な運用が(公式の手順として)可能です。Homeでもコマンド操作などで回避する方法は知られていますが、正規のフローで柔軟なアカウント管理ができるのはProの強みです。
ビジネス利用でProが推奨される理由
もしあなたが仕事でPCを使うなら、迷わずProを選ぶべき理由があります。それは「管理」と「セキュリティ」です。
| 機能 | Home | Pro |
|---|---|---|
| ドメイン参加 (Active Directory) | 不可 | 可 |
| グループポリシー管理 | 不可 | 可 |
| Windows Update for Business | 不可 | 可 |
| キオスクモード | 不可 | 可 |
企業ネットワーク(ドメイン)に参加してファイルサーバーにアクセスしたり、グループポリシーを使ってUSBメモリの利用を制限したりといった機能はHomeにはありません。また、Windows Updateを最大365日延期できる機能も、業務アプリの互換性を守るためには必須です。
HomeからProへのアップグレード価格
「とりあえず安いHomeを買っておいて、必要になったらProにしよう」と考えている方もいるでしょう。その戦略は正解です。Microsoft Storeからいつでもアップグレードが可能で、価格はおよそ14,000円前後です。
ただし、最初からPro搭載モデルを購入する場合の差額は、メーカーにもよりますが数千円〜1万円程度に収まることが多いです。後からアップグレードすると割高になるケースがほとんどなので、迷ったら最初からProを選んでおくのがトータルコストではお得になることが多いですね。
一般ユーザーはどっちがいいのか結論
ここまでの情報を整理して、タイプ別におすすめをまとめてみました。
- Web閲覧、動画視聴、SNSがメイン
- 一般的なPCゲームを楽しみたい
- 予算を少しでも抑えたい
- パソコンの細かい設定には興味がない
- 仕事で機密情報や顧客データを扱う(フリーランス含む)
- 自作PCや仮想化技術に興味がある
- リモートデスクトップで外からPCを操作したい
- 将来的にPCをハイスペックに改造する予定がある
Windows 11 ProとHomeの違いについての結論
Windows 11 ProとHomeの違いについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。Homeは「消費するためのOS」、Proは「生産と管理のためのOS」という性質が強いですね。
一般家庭での利用ならHomeで困ることはまずありませんが、少しでもクリエイティブな作業や専門的な学習、そしてビジネスでの利用を考えているなら、Proが持つ「制御の自由度」は価格以上の価値をもたらしてくれます。ご自身の用途に合わせて、最適なエディションを選んでみてくださいね。

