パソコンを起動して作業をしようとしたら、画面の右下に突然「Windowsのライセンス認証を行ってください」という文字が出てきて、何をしても消えないとお悩みではありませんか。この透かし表示はデスクトップの壁紙の上に重なって表示されるため作業の邪魔になりますし、パソコンが壊れたのではないかと不安になる方も多いはずです。ネットで検索するとコマンド入力やレジストリを操作して消す方法なども出てきますが、それらが本当に安全な対処法なのかは慎重に判断する必要があります。この記事では、なぜこのメッセージが表示され続けるのかという原因と、リスクを避けて正しく問題を解決するための手順について、私の経験をもとに分かりやすく解説します。

- 透かし表示が消えない技術的な仕組みと原因
- ネット上の裏技コマンドが解決策にならない理由
- パーツ交換や中古PCにおけるライセンスの扱い
- 安全かつ確実に認証エラーを解消する正規の手順
Windowsのライセンス認証を行ってくださいが消えない原因とは
「何もしていないはずなのに、急に透かしが出てきた」というケースは意外と多いものです。まずは、なぜこのメッセージが表示され、なぜ簡単には消えてくれないのか、その裏側にある仕組みから見ていきましょう。
右下の透かしロゴが表示される仕組み
画面の右下に現れるあの文字は、単に壁紙の一部として描かれているわけではありません。実は、Windowsの内部で動いている「SPP(Software Protection Platform)」というシステムが、「このパソコンは正規のライセンス状態ではない」と判断した結果として表示させているものです。
このSPPというシステムは非常に優秀で、常にバックグラウンドでライセンスの状態を監視しています。デスクトップの最前面に強制的に文字を表示するようプログラムされているため、普通にウィンドウを閉じようとしたり、設定で隠そうとしたりしても、基本的には消すことができない仕組みになっているのです。
コマンドプロンプトで消しても復活する理由
ネットで「消えない」と検索すると、よく見かけるのがコマンドプロンプトを使った方法です。特にslmgr /rearmというコマンドが有名ですが、これを実行して再起動すると、確かに一時的に透かしが消えることがあります。
しかし、これは問題を解決したわけではありません。このコマンドは、あくまで「ライセンス認証の猶予期間をリセットする」ためのものだからです。
ここが注意点
このリセット機能には回数制限(通常3回まで)があります。回数を使い切ってしまうとエラーが出て二度と使えなくなりますし、猶予期間が過ぎればまたSPPが検知して透かしが復活します。あくまで「一時しのぎ」に過ぎないことを覚えておいてください。
レジストリの値を変更しても効果がない場合
もう一つよく見かけるのが、レジストリ内のPaintDesktopVersionという値を書き換える方法です。「これを0にすれば消える」という情報が出回っていますが、私の検証や多くの事例を見る限り、現在のWindows 10やWindows 11では効果がないことがほとんどです。
そもそもこのレジストリ値は、Windowsのビルド番号(バージョン情報)を表示するかどうかを制御するためのもので、「ライセンス認証の警告」を制御するスイッチではないからです。OSのバージョンアップに伴い、こうした小手先のテクニックは通用しなくなっています。
壁紙を非表示にしても根本解決にはならない
「文字が邪魔なら、背景画像ごと消してしまえ」という発想で、背景を単色(黒など)に設定する方法もあります。確かに、背景の設定を変更することで、描画のタイミングによっては一時的に透かしが見えにくくなることはあるかもしれません。
ですが、これは文字通り「臭いものに蓋」をするだけの状態で、システム内部では「未認証」というエラーが出続けています。真っ黒な背景でパソコンを使い続けるのは気分も上がりませんし、根本的な解決にはなっていません。
プロダクトキーなしの状態での機能制限
では、この「消えない」透かしを無視して使い続けるとどうなるのでしょうか。実は、単に文字が表示されるだけでなく、Windowsの「個人用設定」がロックされてしまいます。
未認証状態で制限される主な機能
- デスクトップの壁紙変更ができない
- ウィンドウの色やタスクバーの設定変更不可
- ロック画面のカスタマイズ不可
- 一部のフォント設定へのアクセス制限
「見た目なんて気にしない」という方もいるかもしれませんが、自分の使いやすいように画面をカスタマイズできないのは、長く使えば使うほどストレスになってくるものです。
Windowsのライセンス認証を行ってくださいが消えない時の対処法

小手先の裏技が通用しないとなると、やはり正面から解決するのが一番の近道です。ここからは、状況に応じた正しい対処法を解説します。難しそうに見えますが、手順を踏めば意外とあっさり解決することも多いですよ。
設定のトラブルシューティングツールを使う
まず最初に試してほしいのが、Windowsに標準搭載されている「トラブルシューティングツール」です。これは非常に優秀で、今のパソコンの状態を自動で診断してくれます。
手順は簡単です。「設定」>「更新とセキュリティ(またはシステム)」>「ライセンス認証」と進んでください。エラーが表示されている場所に「トラブルシューティング」というボタンがあれば、それをクリックします。
自動修復の可能性
サーバーの一時的な接続エラーや、デジタルライセンスの紐付けがうまくいっていないだけの場合は、このツールを実行するだけで自動的に修正され、透かしが嘘のように消えることがあります。
新しいプロダクトキー購入と電話認証の手順
もし、非正規品のキーを使っていたり、キーが無効化されていたりする場合は、正規のライセンスを購入し直す必要があります。Amazonや家電量販店、Microsoftストアで「Windows 10(または11)Home/Pro」のオンラインコード版やパッケージ版を購入しましょう。
また、正規のキーを持っているはずなのにエラー(特に「別のデバイスで使用されています」など)が出る場合は、電話認証を試す価値があります。
キーボードの「Windowsキー + R」を押して、「ファイル名を指定して実行」を開き、slui 4と入力してエンターキーを押すと、電話認証の画面が立ち上がります。
画面の指示に従ってインストールIDを電話(自動音声)で伝えれば、認証が通ることがあります。これは私がサポートする中でも、最後の切り札としてよく使う手です。
パーツ交換後はデジタルライセンスを移行する
自作PCユーザーの方で、マザーボードやCPUを交換した後に透かしが出た場合は、「ハードウェア構成の変更」が原因です。Windowsのデジタルライセンスはマザーボードの情報と紐付いているため、部品が変わると「別のパソコン」と見なされてしまうのです。
この場合、先ほどのトラブルシューティングツール内で「最近ハードウェアを変更しました」というリンクを選びます。以前のパソコンで使用していたMicrosoftアカウントにログインできれば、ライセンスを新しい構成に「移行(再割り当て)」することができます。
非正規の解除ツールに潜むウイルスの危険性
ここが今回一番お伝えしたい点です。どうしても透かしを消したくて、ネットで見つけた「KMSPico」や「Activator」といった認証回避ツール(クラックツール)を使おうとしていませんか?
これは絶対にやめてください。最近のこうしたツールには、高確率でマルウェアが仕込まれています。特に怖いのが以下のリスクです。
- CryptBot(情報窃取): ブラウザに保存したパスワードやクレジットカード情報を盗み出す。
- Dominoランサムウェア: 大切な写真や書類ファイルを勝手に暗号化し、身代金を要求する。
- クリプトマイニング: パソコンの裏側で仮想通貨の計算をさせられ、動作が重くなりPCの寿命を縮める。
「ウイルス対策ソフトをオフにして実行してください」という指示書きがあるツールは、自ら防御壁を解除させてウイルスを招き入れるようなものです。
クラックではなく正規の手順で解決すべき理由
数千円から1、2万円のライセンス料を惜しんだ結果、クレジットカード情報を盗まれたり、思い出の写真データが全て開けなくなったりしては、被害額は計り知れません。
正規のライセンス認証を行うことは、単に「透かしを消す」ためだけではなく、自分自身の個人情報と財産を守るためのセキュリティ対策でもあります。正規の状態であれば、Microsoftからの公式サポートも受けられますし、堂々とパソコンを使うことができます。
Windowsのライセンス認証を行ってくださいが消えない問題の結論
「Windowsのライセンス認証を行ってください」という表示が消えないのは、システムが正常に機能している証拠です。裏技で隠そうとするのではなく、原因を特定して正規の手順で認証を通すことが、結果的に最も時間もコストも無駄にしない解決策になります。
まずはトラブルシューティングツールを試し、それでもダメならライセンスの状況(プロダクトキーの種類など)を確認してみてください。不安な透かしを消して、クリーンな環境で快適なパソコンライフを取り戻しましょう。

