パソコンを起動した際に「windowsの準備をしています コンピューターの電源を切らないでください」というメッセージが表示され、画面が終わらない状態に陥ると、非常に困惑するものです。どのくらい待つべきか、何時間もこのままなのか、マウスは動くのに先に進まない状況に不安を感じる方は少なくありません。
特にwindows11では更新に時間がかかるという話もあり、このまま強制終了やシャットダウン、再起動を試みてよいものか、もし電源切ったら故障しないかと心配になるでしょう。また、F2とF12キーを使った修復方法についても知りたいかもしれません。この記事では、そのようなお悩みを解決するため、画面が進まない原因と具体的な対処法を分かりやすく解説します。
この記事を読むことで、以下の点について理解を深めることができます。
- 画面が終わらない場合に考えられる具体的な原因
- 状況を悪化させないための安全な対処法のステップ
- 強制終了に伴うリスクと、それを実行する前の確認事項
- トラブルを未然に防ぎ、パソコンを快適に保つためのヒント
「windowsの準備をしています コンピューターの電源を切らないでください」が終わらない原因

このセクションでは、「windowsの準備をしています コンピューターの電源を切らないでください」の画面から進まなくなってしまう主な原因について、以下の点を掘り下げて解説します。
- 画面が終わらない場合に考えられること
- まずはどのくらい待つべきなのか
- 何時間経過したら対処を考えるべきか
- マウスは動くのに先に進まない理由
- もし電源切ったら故障するのか
画面が終わらない場合に考えられること
「Windowsの準備をしています」の画面で停止してしまう場合、その背景には複数の要因が考えられます。最も一般的なのは、Windows Updateに関連する処理です。システムが更新プログラムを適用している最中に、何らかの問題が発生して処理が中断してしまうケースが多く見られます。
具体的には、更新プログラムのファイル自体が破損していたり、ダウンロードが不完全であったりすることが挙げられます。また、パソコンに接続されているUSBメモリや外付けハードディスク、プリンターといった周辺機器が、更新プロセスに干渉している可能性も否定できません。
その他、ハードディスクやSSDといったストレージの空き容量が不足していると、更新に必要な一時ファイルを展開できずに処理が止まることがあります。まれに、システムファイルの破損や、ストレージ自体の物理的な不具合が原因となっていることも考えられます。このように、原因は一つとは限らず、複合的な要因が絡んでいる場合もあります。
まずはどのくらい待つべきなのか
このメッセージが表示された場合、すぐに異常だと判断するのは早計です。パソコンの性能や更新プログラムの規模によっては、処理にかなりの時間を要することがあります。したがって、まずは慌てずにしばらく待つことが基本的な対応となります。
一つの目安として、最低でも1時間、できれば2〜3時間はそのまま様子を見ることをお勧めします。特に、年に1〜2回配信される大規模な機能更新プログラム(フィーチャーアップデート)を適用している際は、通常よりも長い時間が必要です。
待っている間、パソコンのアクセスランプ(HDD/SSDランプ)が点滅しているかを確認してください。もしランプがチカチカと光っているなら、バックグラウンドで何らかの処理が進行中である可能性が高いです。逆に、ランプが完全に消灯したまま長時間経過している場合は、処理が停止している可能性が考えられます。
何時間経過したら対処を考えるべきか
前述の通り、まずは2〜3時間ほど待つのが基本ですが、それを大幅に超えても画面に変化が見られない場合は、何らかのトラブルが発生していると判断し、次のステップに進むことを検討すべきです。
具体的には、3時間以上経過しても画面が変わらない、あるいはパソコンのアクセスランプが完全に消灯した状態が1時間以上続いているといった状況が、対処を始める一つの目安となります。
ただ、むやみに待ち続けることにもデメリットはあります。もしハードウェアに何らかの問題が発生している場合、通電し続けることで状態を悪化させてしまう可能性もゼロではありません。状況を冷静に見極め、適切なタイミングで対処に移行することが大切です。
マウスは動くのに先に進まない理由
画面は「Windowsの準備をしています」のままなのに、マウスポインターだけは自由に動かせる、という状況に遭遇することがあります。これは、パソコンが完全にフリーズしているわけではないことを示唆しています。
この現象は、OSの処理の中でも、画面表示やマウス操作を受け付ける比較的軽い処理は生きていて、一方で、Windows Updateのような非常に負荷の高い中心的な処理が停止またはループしている場合に発生します。つまり、システムの裏側で深刻な問題が発生しているものの、表面的な操作だけは受け付けている状態です。
したがって、「マウスが動くから大丈夫だろう」と安易に考えず、バックグラウンドで問題が起きている可能性を認識する必要があります。この状態が長く続くようであれば、やはり何らかの対処が必要になると考えられます。
もし電源切ったら故障するのか
「コンピューターの電源を切らないでください」という警告を無視して、電源ボタンを長押しして強制的にシャットダウンした場合、パソコンは故障するのでしょうか。結論から言うと、ハードウェア自体が物理的に壊れる可能性は低いですが、システムに深刻なダメージを与える危険性があります。
Windowsが重要なファイルの書き換えを行っている最中に電源が強制的に断たれると、ファイルが破損してしまうことがあります。最悪の場合、OSが起動しなくなり、大切なデータにアクセスできなくなる恐れも十分に考えられます。
これが、メッセージが表示されている間は電源を切ってはいけない最大の理由です。ただし、何時間待っても状況が全く変わらない場合は、リスクを承知の上で強制終了を選択せざるを得ない場面もあります。その場合でも、それはあくまで最終手段であると認識しておくことが肝心です。
「windowsの準備をしています コンピューターの電源を切らないでください」の対処法

原因を理解した上で、次はこの問題を解決するための具体的な対処法について解説します。安全な手順から順に試していくことが重要です。
- まずは正しいシャットダウンを試す
- 安全に再起動を実行する手順
- 最終手段としての強制終了
- windows11で特に時間がかかる場合
- F2とF12キーで修復を試す
- まとめ:「windowsの準備をしています コンピューターの電源を切らないでください」の対処法
まずは正しいシャットダウンを試す
この画面では通常のシャットダウン操作は行えませんが、強制的な手段に出る前に試すべきことがあります。それは、パソコンの負担をできるだけ減らし、処理が進む可能性を高めることです。
最初に、パソコンに接続されているすべての周辺機器を取り外してください。USBメモリ、外付けHDD、プリンター、SDカードリーダーなど、マウスとキーボード(そしてノートパソコンの場合はACアダプター)以外はすべて抜きます。これらの機器が原因で処理が妨げられている場合、取り外すだけで状況が改善することがあります。
周辺機器を外したら、改めて1時間ほど様子を見ましょう。それでも状況が変わらない場合は、次のステップへ進みます。この段階ではまだ、電源ボタンの長押しによる強制終了は避けるべきです。
安全に再起動を実行する手順
何時間待っても画面が変わらない場合、Windowsの回復環境(Windows RE)を利用して、システムの修復を試みることが有効です。回復環境を起動することで、通常の起動プロセスを経ずに様々なメンテナンスツールを実行できます。
回復環境(Windows RE)の起動方法
- パソコンの電源が入っている状態で、電源ボタンを長押しして強制的に電源を切ります。
- 再度電源ボタンを押してパソコンを起動します。
- Windowsのロゴが表示されたら、再び電源ボタンを長押しして強制的に電源を切ります。
- この「起動→強制終了」の操作を2〜3回繰り返します。
- 自動修復の準備画面が表示された後、「詳細オプション」を選択できる画面に切り替わります。
スタートアップ修復の実行
回復環境が起動したら、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ修復」の順に選択します。これにより、Windowsの起動に関する問題が自動的に診断され、修復が試みられます。多くの場合、この手順で問題が解決することがあります。
最終手段としての強制終了
前述のスタートアップ修復など、あらゆる手段を試しても改善しない場合に限り、最終手段として電源ボタンの長押しによる強制終了を行います。この操作は、システムに損傷を与えるリスクがあることを十分に理解した上で実行してください。
強制終了の手順
- パソコンの電源ボタンを、電源が完全に切れるまで5〜10秒ほど長押しします。
- 画面が消え、ファンなどの動作音が完全に止まったことを確認します。
- 少なくとも1分以上待ってから、再度電源ボタンを押してパソコンを起動します。
無事に起動できた場合は、問題が一時的なものであった可能性があります。しかし、もし再び同じ画面で止まってしまったり、別のエラーが表示されたりする場合は、より深刻な問題、例えばシステムファイルの破損やハードウェアの故障などが考えられます。
windows11で特に時間がかかる場合
Windows 11は、Windows 10に比べてデザインや機能が大きく変更されており、アップデートの際にも処理が複雑になる傾向があります。特に、年に一度提供される大規模な機能更新プログラムでは、多くのファイルを置き換えるため、完了までに数時間を要することも珍しくありません。
また、お使いのパソコンのスペック、特にストレージがHDDかSSDかによっても、所要時間は大きく異なります。HDDを搭載したパソコンでは、SSDに比べて読み書き速度が遅いため、更新処理にかなりの時間がかかる場合があります。
したがって、Windows 11を使用している場合は、通常の更新であっても、これまでより少し気長に待つ心構えが必要です。3〜4時間経っても進まない場合に、初めて異常を疑う、というくらいのスタンスでも良いかもしれません。
F2とF12キーで修復を試す
スタートアップ修復でも解決しない場合、より高度な修復方法として、BIOS(UEFI)の設定やブートメニューからの操作があります。パソコンの起動直後に特定のキーを押すことで、これらの特殊な画面に入ることができます。
BIOS/UEFI設定の初期化
BIOS/UEFIは、OSが起動する前にパソコンのハードウェアを制御する基本的なプログラムです。ここの設定に問題があって起動が妨げられている場合、設定を初期化(デフォルト値に戻す)することで改善する可能性があります。 多くのメーカーでは、起動直後に「F2」キーや「Delete」キーを連打することでBIOS/UEFI設定画面に入れます。画面内で「Load Defaults」や「Reset to Default」といった項目を選択し、設定を保存して再起動します。
ブートメニューからの回復
「F12」キーなどを起動直後に押すと、どのデバイスからパソコンを起動するかを選択するブートメニューが表示されます。事前に作成しておいたWindowsのインストールメディア(USBメモリなど)があれば、それを選択して起動し、「コンピューターを修復する」オプションからシステムの復元やコマンドプロンプトによる修復などを試みることが可能です。
メーカーごとの代表的なキーは以下の通りですが、お使いの機種によって異なる場合があるため、詳細はマニュアルなどで確認してください。
| メーカー | BIOS/UEFIキー | ブートメニューキー |
| DELL | F2 | F12 |
| HP | F10, Esc | F9, Esc |
| Lenovo | F1, F2 | F12 |
| 富士通 | F2 | F12 |
| NEC | F2 | F12, F7 |
| ASUS | F2, Del | F8, Esc |
まとめ:「windowsの準備をしています コンピューターの電源を切らないでください」の対処法
この記事で解説した、「windowsの準備をしています コンピューターの電源を切らないでください」という画面で固まってしまった際の重要なポイントを以下にまとめます。
- 画面が終わらない主な原因はWindows Updateの処理中トラブル
- まずは慌てずに2〜3時間ほど様子を見ることが基本
- アクセスランプの点滅は処理が進行中であるサイン
- マウスが動く場合でもバックグラウンドで問題が発生している可能性がある
- 警告を無視した強制終了はシステムファイル破損のリスクを伴う
- 対処の第一歩として接続している周辺機器をすべて取り外す
- 電源のON/OFFを繰り返し回復環境(Windows RE)を起動する
- 回復環境から「スタートアップ修復」を実行するのが有効な手段
- スタートアップ修復で直らない場合はシステムの復元などを検討する
- 強制終了は他のすべての手段を試した後の最終手段と心得る
- Windows 11ではアップデートに時間がかかる傾向があることを理解する
- 起動直後のF2キーやDeleteキーでBIOS/UEFI設定に入れる
- BIOS/UEFI設定の初期化で問題が解決することがある
- F12キーなどでブートメニューを呼び出し修復ツールを起動できる
- トラブルに備え日頃からデータのバックアップを心掛ける

