新しいPCの購入や自作PCの組み立て時、「以前のwindows プロダクトキー 使い回しはできないだろうか」と考えたことはありませんか。2台目のPCでもし無料で使用できれば費用の節約になりますが、ライセンス違反にならないか心配になる方も多いはずです。そもそもプロダクトキーがどこにあるのか確認する方法や、認証キーなしでの利用、何台まで使えるのか、移行が可能なのは何日までなのか、といった疑問は尽きません。また、オンライン認証がうまくいかないケースや、安価なキーの購入に関するリスクについても知っておく必要があります。 この記事では、Windowsのプロダクトキーを使い回す際の正しい知識と具体的な手順、そして注意すべき点について、網羅的に解説していきます。
- Windowsライセンスの種類と使い回しの可否
- 別のPCへライセンスを移行する具体的な手順
- ライセンス違反になるケースとそのリスク
- プロダクトキーに関するよくある疑問への回答
windows プロダクトキー 使い回しの基本ルール

- プロダクトキーはどこにあるのか
- 自身のプロダクトキーの確認方法
- 無料でライセンスを移行する方法
- プロダクトキーは何台まで使用可能か
- 2台目のPCでも利用できるのか
プロダクトキーはどこにあるのか
Windowsのプロダクトキーの保管場所は、ライセンスの入手方法によって異なります。まず、ご自身のWindowsがどの種類に該当するかを把握することが大切です。
パッケージ版(リテール版)
家電量販店やオンラインストアで箱に入った状態で販売されているライセンスです。この場合、プロダクトキーは箱の中に同梱されているカードやラベルに記載されています。紛失しないよう、大切に保管する必要があります。
DSP版
PCパーツ(メモリやマザーボードなど)とセットで購入するライセンスです。プロダクトキーは、パッケージのケースや同梱されているカードに記載されています。このライセンスはセットで購入したパーツと共に使用することが前提となっています。
プリインストール版(OEM版)
PCを購入した際に、最初からWindowsがインストールされている場合のライセンスです。古いPCでは、本体の側面や背面にプロダクトキーが記載されたシールが貼られていることがありました。しかし、近年のPCでは、プロダクトキーはマザーボードの電子情報として記録されており、物理的なシールは存在しないのが一般的です。
このように、プロダクトキーの場所は一様ではないため、ご自身のWindowsのライセンス形態を確認することが第一歩となります。
自身のプロダクトキーの確認方法
PCにインストールされているWindowsのプロダクトキーは、いくつかの方法で確認が可能です。特に、PC本体にキーの記載がないプリインストール版(OEM版)の場合に役立ちます。
コマンドプロンプトまたはPowerShellを使用する方法
特別なツールをインストールすることなく、Windowsの標準機能で確認できます。
- スタートメニューを右クリックし、「Windows PowerShell (管理者)」または「コマンドプロンプト (管理者)」を選択します。
- 黒い画面が表示されたら、以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
wmic path softwarelicensingservice get OA3xOriginalProductKey
- 成功すれば、次の行に25桁のプロダクトキーが表示されます。
ただし、この方法で表示されるのは、主にPCのマザーボードに記録されたプリインストール版(OEM版)のキーです。後からパッケージ版などでOSをインストールした場合は、キーが表示されないこともあります。
専用の確認ツールを使用する方法
「ShowKeyPlus」などの無料のソフトウェアを利用すると、より詳細な情報を簡単に確認できます。これらのツールはMicrosoft Storeなどから入手可能です。ツールを起動するだけで、現在インストールされているキーや、マザーボードに記録されている元のキー(Original Key)などを一覧で表示してくれます。
これらの方法で事前にキーを把握しておけば、再インストールや移行の際に慌てずに済みます。
無料でライセンスを移行する方法
Windowsのライセンスを無料で別のPCに移行することは、特定の条件下で可能です。移行の可否は、主にライセンスの種類によって決まります。
ライセンスの種類 | 別のPCへの移行 | 概要 |
パッケージ版(リテール版) | 可能 | 自由にPC間で移行できるライセンス。旧PCからアンインストールすることが前提。 |
DSP版 | 原則不可 | セットで購入したPCパーツ(例: マザーボード)を使い続ける限り有効。パーツごと移行すれば可能。 |
プリインストール版(OEM版) | 不可 | そのPC本体に紐づいたライセンスであり、他のPCへの移行は認められていない。 |
したがって、無料でライセンスを移行できるのは、パッケージ版(リテール版)のみとなります。移行をスムーズに行うためには、Microsoftアカウントとの連携が鍵となります。
Microsoftアカウントを利用した移行手順
- 移行元のPCでの準備: まず、移行元のPCでWindowsがMicrosoftアカウントにリンクされていることを確認します。「設定」>「更新とセキュリティ」>「ライセンス認証」の画面で、「Windowsは、Microsoftアカウントにリンクされたデジタル ライセンスによってライセンス認証されています」と表示されていれば準備完了です。
- 新しいPCへのインストール: 新しいPCに同じエディションのWindowsをインストールします。インストールの途中、プロダクトキーの入力を求められたら、「プロダクトキーがありません」を選択して進めます。
- ライセンス認証の実行: インストール完了後、インターネットに接続し、移行元のPCで使用していたMicrosoftアカウントでサインインします。その後、「設定」>「更新とセキュリティ」>「ライセンス認証」に進み、「トラブルシューティング」を実行します。
- ハードウェア変更の選択: トラブルシューティングツール内で「このデバイス上のハードウェアを最近変更しました」という選択肢が表示されるので、これを選びます。
- デバイスの選択と認証: Microsoftアカウントに紐づいているデバイスの一覧が表示されるので、今回ライセンス認証を行いたい新しいPCを選択し、「ライセンス認証」をクリックします。
この手順により、パッケージ版ライセンスを新しいPCへ無料で移行させることができます。
プロダクトキーは何台まで使用可能か
Windowsのプロダクトキーは、1つのライセンスにつき、同時に認証して使用できるPCは1台のみです。これは、Microsoftのソフトウェアライセンス条項で定められている基本的なルールです。
例えば、1つのパッケージ版ライセンスを持っている場合、AというPCで認証を行った後、そのライセンスをBという別のPCで認証することは可能です。しかし、Bで認証を完了させた時点で、AのPCのライセンスは無効化されるか、将来的に認証エラーが発生する状態になります。
2台以上のPCで同時にWindowsを使用したい場合は、それぞれのPCに対して個別のライセンスを購入する必要があります。つまり、使用するPCの台数分のプロダクトキーが必要になる、ということです。
企業などで多数のPCを管理する場合には、「ボリュームライセンス」という特別な契約形態が存在します。これは、1つのキーで契約した台数分のPCにインストールできる法人向けのライセンスであり、一般の個人ユーザーが利用するものではありません。
個人利用においては、「1ライセンス=1台」の原則を理解しておくことが大切です。
2台目のPCでも利用できるのか
前述の通り、Windowsのライセンスは1台のPCでのみ有効ですが、「2台目のPCで利用する」こと自体は、ライセンスの「移行」という形であれば可能です。
ここでのポイントは、「同時利用」ではなく「移行」であるという点です。つまり、1台目のPCで使用していたライセンスを、2台目の新しいPCに移して使う、という考え方になります。この操作が認められているのは、パッケージ版(リテール版)のライセンスに限られます。
移行の基本的な考え方
- 1台目(旧PC)での利用を停止する: 新しいPCでライセンスを使う前に、元のPCからはWindowsをアンインストールするか、PC自体を使用停止にする必要があります。ライセンス条項上、古いPCと新しいPCで同じライセンスを使い続けることは認められていません。
- 2台目(新PC)でライセンス認証を行う: その後、新しいPCでライセンス認証手続きを行います。前述のMicrosoftアカウントを利用したデジタルライセンスの移行方法が最もスムーズです。
もし、PCの故障などで旧PCからのアンインストール作業が不可能な場合は、新しいPCでライセンス認証を行った後、電話認証が必要になることもあります。その際は、サポート窓口のオペレーターに事情を説明することで、移行が認められるケースがほとんどです。
PCに最初からインストールされていたプリインストール版(OEM版)のライセンスは、そのPC本体と一体のものなので、2台目のPCに移行して利用することはできません。
windows プロダクトキー 使い回しにおける注意点

- オンライン認証ができないケース
- ライセンス違反となる使い回しとは
- ライセンス移行は何日まで可能か
- キーなしでのインストールはできる?
- 新しいキーの購入が必要な場合
- windows プロダクトキー 使い回しの要点まとめ
オンライン認証ができないケース
プロダクトキーを使って新しいPCにWindowsをインストールしようとした際に、オンライン認証がうまくいかないことがあります。その原因はいくつか考えられます。
ライセンスの種類が移行に対応していない
最も多い原因は、ライセンスの種類です。PCにプリインストールされていたOEM版や、特定のパーツとセットで購入したDSP版のライセンスは、原則として他のPCへの移行が認められていません。これらのキーを別のPCで入力しても、サーバー側でハードウェア情報が一致しないため認証が拒否されます。
短期間での頻繁なハードウェア変更
パッケージ版(リテール版)のライセンスであっても、マザーボードの交換など、PCの根幹をなすハードウェアの変更を短期間に何度も繰り返すと、不正なライセンスの使い回しとシステムに判断され、オンライン認証が一時的にブロックされることがあります。Microsoftはライセンス認証の具体的なアルゴリズムを公開していませんが、不正利用を防ぐための仕組みが働いていると考えられます。
このような場合、画面の指示に従って電話認証を試みる必要があります。ライセンス認証専用の窓口に電話をかけ、自動音声またはオペレーターの指示に従って認証作業を進めることで、正規のライセンスであることが確認されれば認証が許可されます。
ライセンス違反となる使い回しとは
プロダクトキーの使い回しの中には、Microsoftのソフトウェアライセンス条項に違反する行為が存在します。ライセンス違反を行うと、アップデートが受けられなくなったり、機能が制限されたりするだけでなく、悪質な場合は法的な問題に発展する可能性もゼロではありません。
OEM版・DSP版ライセンスの不正な移行
PCに付属してきたOEM版ライセンスを、そのPCが故障したからといって別のPCに移して使う行為は、明確なライセンス違反です。同様に、DSP版ライセンスを、セットで購入したパーツを使用していない別のPCで認証するのも違反となります。これらのライセンスは、特定のハードウェアとセットで初めて有効となるものです。
1つのライセンスの複数台での同時利用
パッケージ版ライセンスを、PC AとPC Bの両方で同時に認証させたまま使用する行為もライセンス違反です。ライセンスの移行は認められていますが、1つのライセンスを複数に増殖させて使うことは許可されていません。
非正規ルートで入手したキーの使用
オンラインオークションなどで非常に安価に販売されているプロダクトキーには注意が必要です。これらの中には、本来特定の企業向けに発行されたボリュームライセンスのキーが不正に転売されたものや、使用済みのキー、偽造されたキーなどが含まれている可能性があります。たとえ一時的に認証が通ったとしても、後から認証が無効になるリスクがあり、ライセンス違反に該当します。
正規のライセンスを正しく使用することが、安定したPC利用の基本となります。
ライセンス移行は何日まで可能か
Windowsライセンスの移行に関して、「120日経過すれば別のPCで認証できる」といった情報が見られることがありますが、これはMicrosoftが公式に定めたルールではありません。ユーザー間の経験則として語られているものであり、確実な情報とは言えません。
Microsoftは、ライセンス認証の具体的なポリシーや、サーバーが認証を許可するまでの日数などを公開していません。そのため、「何日経てば必ずオンライン認証が成功する」という保証は存在しないのが実情です。
むしろ、Microsoft Officeのライセンスでは、「一度割り当てたライセンスを別のユーザーに再割り当てできるのは90日経過してから」というルールが存在します。このことから推測すると、Windowsにおいても、頻繁なライセンスの移動はシステムによって制限される可能性があると考えられます。
もしライセンスを移行した際にオンライン認証がエラーになった場合は、期間を空けることを考えるよりも、速やかに電話認証を行うのが最も確実な解決策です。電話窓口で事情を説明すれば、正規のライセンス移行であれば問題なく認証を完了させることができます。日数にこだわる必要は特にありません。
キーなしでのインストールはできる?
Windowsのインストールメディア(USBメモリやDVD)があれば、プロダクトキーを入力しなくてもインストール作業を完了させること自体は可能です。
Windows 10やWindows 11のインストール過程では、プロダクトキーの入力画面が表示されます。ここでキーを入力せずに、「プロダクトキーがありません」という選択肢をクリックすることで、インストールを続行できます。
ただし、この状態でインストールされたWindowsは「ライセンス認証がされていない」状態となります。この状態では、いくつかの機能制限が発生します。
ライセンス未認証による機能制限
- 個人用設定の制限: 壁紙の変更、テーマカラーの設定、ロック画面のカスタマイズなど、デスクトップの「個人用設定」に関する項目のほとんどが変更できなくなります。
- 認証を促すメッセージの表示: デスクトップの右下に「Windowsのライセンス認証」を促す透かし(ウォーターマーク)が常に表示されるようになります。
- 一部機能の制限: 将来的なアップデートなどで、セキュリティ更新以外の機能的なアップデートが提供されなくなる可能性があります。
このように、キーなしで一時的に使用することはできますが、全ての機能を快適に使い続けるためには、最終的に正規のプロダクトキーでライセンス認証を行う必要があります。
新しいキーの購入が必要な場合
Windowsのプロダクトキーを使い回すのではなく、新たに購入する必要があるのは、主に以下のようなケースです。
Microsoft Windows 11 Home (HAJ-00094) Windows 11リテールパッケージ
プリインストールPCを買い替えた場合
Windowsがプリインストールされたメーカー製のPCを新しく購入した場合、そのPCには専用のOEM版ライセンスが付属しています。古いPCのライセンスは移行できないため、新しいPCに含まれるライセンスをそのまま使用することになります。
2台以上のPCを同時に使用する場合
自作PCを新たに組み立てて2台目のメインマシンとして使いたい、あるいはノートPCとデスクトップPCを両方同時に運用したい、といったケースです。前述の通り、1つのライセンスを複数台で同時に使うことはできないため、追加するPCの台数分、新しいライセンスを購入する必要があります。
ライセンスの種類が不明、または紛失した場合
中古のPCを購入した場合や、ライセンスのパッケージを紛失してしまった場合など、正規のプロダクトキーが手元にない状態であれば、新たに購入するのが最も確実です。
新しいキーは、Microsoftの公式オンラインストアや、家電量販店、信頼できるPCパーツショップなどで購入できます。非正規の安価なキーはライセンス違反のリスクがあるため、正規販売ルートでの購入が推奨されます。
windows プロダクトキー 使い回しの要点まとめ

- Windowsプロダクトキーの使い回しはライセンスの種類によって可否が決まる
- パッケージ版(リテール版)は別のPCへのライセンス移行が可能
- プリインストール版(OEM版)は購入したPCでのみ有効で移行はできない
- DSP版はセットで購入したPCパーツと共に使用するのが原則
- 1つのライセンスを複数台のPCで同時に使用することはライセンス違反
- ライセンス移行にはMicrosoftアカウントとデジタルライセンスの連携が便利
- プロダクトキーの場所はパッケージの箱やカード、PC本体の電子情報など様々
- PC上のプロダクトキーはコマンドや専用ツールで確認できる
- オンライン認証が失敗した場合は電話認証を試す
- 短期間での頻繁なハードウェア変更は認証エラーの原因になりうる
- 「120日ルール」のような明確な日数規定は公式には存在しない
- プロダクトキーなしでもWindowsのインストールは可能だが機能制限がある
- OEM版PCの買い替えやPCの台数を増やす場合は新しいキーの購入が必要
- 非正規の安価なキーは不正利用のリスクがあるため避けるべき
- 正しい知識を持つことでライセンス違反のリスクを回避できる